顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

秋の道端で…

2020年10月19日 | 季節の花

空蝉がまだ落ちないで生垣のキンヒバ(金檜葉)に掴まっていました。中身の主は夏を謳歌して子孫を残すことができたでしょうか。

秋は「引っ付きむし」という衣服に種が付き運ばれて子孫を増やす植物が多くなります。
接着力の強いのはオナモミ(雄菜揉み)で、マジックテープはこの実からヒントを得て作られたといわれます。子供の頃投げ合って遊んだ記憶が残ります。

付着したら外すのに苦労するコセンダングサ(小栴檀草)、キク科の花が終わって付く実のトゲは、逆さに向いていて釣り針の返しのようで外れにくく遠くまで運ばれるようになっています。

いつの間にかこっそり付いているヌスビトハギ(盗人萩)、ジーンズにもしっかとくっつきます。マメ科の実の形が、しのび足で歩く盗人の足の形に見立てたという説もあるそうです。

空き地にカタバミ(片喰)の群生、庭の芝生では憎まれ者ですが、まとまって咲けばきれいです。

海岸沿いの砂地のコマツヨイグサ(小待宵草)は、宵に花びらを開いて朝には赤っぽく萎びる一夜花ですが、昼間でも咲いている元気ものもおります。

道端に落ちていたトロピカルフルーツのような大きな実、振り仰ぐとホウノキ(朴ノ木)の実です。コンデジの望遠で何とかキャッチ、中の黒い実は、乾燥させて下剤、鎮痛薬などに利用されたようです。

ホトトギス(杜鵑草)にはいろんな種類がありますが、この普通の種が一番のお気に入りです。花の紫色の斑紋が鳥のホトトギス(時鳥、杜鵑、不如帰)の胸の斑紋と似ているのが命名の由来です。
葉に油染みのような薄黒色の斑点があるので、俳句では油点草(ほととぎす)と詠むこともあります。

渓の湯の石段せまし油点草  田中冬二
杜鵑草森にタールの匂い立つ  関口桂史
油点草紫出過ぎても居らず  中谷楓子

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2 コメント

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くっつき草・・ (sibuya)
2020-10-19 12:04:50
 くっつき草‥を「オナモミ」と云うの
ですか‥初めて名前を知りました。
 北海道にもたくさんあります。

 今日の北海道 15℃ほどと肌寒い・・
 雪虫が飛び交って目も開けていられない
ほど大発生していて 初雪が近い・・
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くっつきむし(オナモミ) (顎鬚仙人)
2020-10-20 08:04:29
厄介な植物は繁殖力が強いですね、北海道までも征服しましたか!?
この辺の雪は、年に1,2回お印程度に降りますが、慣れないため車が立ち往生し、雪の多い地方の方には、笑われてしまいそうです。
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