顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

梅花繚乱

2018年03月07日 | 水戸の観光
 
今年は久しぶりに寒い冬で開花が遅れていた梅も、ここに来てやっと咲き揃い、水戸の梅まつりも本番を迎えました。偕楽園、弘道館の園内で艶やかにお迎えする花たちをご紹介いたします。(弘道館)  

「鬼桂花(きけいか)」は、熱海梅林のものを写真で見ると薄紅色ですが、偕楽園のオフィシャルサイトでは、淡色の咲分けもあり雌蕊が枝分かれしているとあり、偕楽園の梅に詳しい雑草さんのブログ写真でも雌蕊は確認できました。なお、川口の花と緑の振興センターの鬼桂(おにかつら)という紅白咲き分けの梅情報を見ましたが、多分同一品種でしょうか。(弘道館)

「唐梅(からうめ)」は、緋梅系唐梅性(とうばいしょう)、花色は咲き始めが桃色~紅色で、咲き終わりには白っぽくなる移り白の性格を持っています。(弘道館)

「巻立山」は李(スモモ)系難波性、花弁の中央部がスプーンの先のように窪んでいる抱え咲き、稀に紅白咲き分け、爪紅絞りが出るようです。杏香強しと図鑑には出ています。(弘道館)

「未開紅」は野梅系、八重の花弁の中の一部が開くのが遅れる傾向にある…、開かない方が紅色が濃い…、とか命名の理由が幾つかあります。やはり付けた人に聞かないと解決しない名前は、この他にもたくさんあります。(弘道館)

「一流」です。碗型の薄紅色の花は名前と相まって人気の梅の一つ、一流に憧れるのは三流仙人も同じです。野梅系ですがほとんど結実しない観賞用の梅です。(偕楽園)

「茶青花(ちゃせいか)」は野梅系、梅鉢型の青白い花弁が端正に開くので、古来から白梅の絶品といわれています。(弘道館)

「大盃(おおさかずき)」は、本紅(つやのある明るい紅色)で長い紅色の雄蕊に特徴があります。盆栽の人気種です。(偕楽園)

遅咲き梅の代表でもある六名木の「江南所無」が咲き出しました。同じ梅でも開花時期には個体差があるようです。アンズ系の大輪で中国の江南にこれ以上の梅はないと命名された観賞用の梅、結実はしません。県庁旧庁舎の煉瓦色が背景を引き立てています。(弘道館)

水戸の六名木は、昭和8年に弘道館と偕楽園の梅を調査した時に花の形、香り、色など特に優れているものを6品種選び昭和9年に発表したものです。その「月影」は、緑色の萼に青白い花で、名前のイメージにぴったり、人気の梅の一つです。野梅系青軸性、結実します。(偕楽園)

六名木の一つ、「烈公梅」は昭和8年の梅調査の時に発見された弘道館孔子廟脇の老木の花が新種とされ、斉昭公の諡(おくりな)が付けられた水戸由来の品種です。花を鑑賞し、実も採れる一花両得の梅ですが、幕末水戸の魁の気概は実を結びませんでした。(弘道館)

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