こちらもようやく観ました。
えーと、私は読んでませんが、原作を読んだ方からは、
「さすがに映画は時間の制限があってかなり省略されていて・・・どうも・ねぇ~。」
と言うご意見をお聞きすることはありましたが、映画だけ観た者からすれば十分な内容と映像です。
単に戦争映画と思っていたのでもっと暗く重く、もしくは美しくしてるのかと思いきや、
エンターテイメントとしても良く出来ています、ま、話はよく出来すぎですが、
さすが、大ヒットな理由はわかりました。
実際に戦争経験がない者としては、映画を一回観ただけで、「なるほど、よくわかった」なんて言えないし、
寧ろ、この「戦後70年間のブランク」があったから、今こそこういう切り口を客観視できるのかもです。
逆に言えば、これは古事記でも日本書紀でも徒然草でもなく、つい70年前の現実だと言うこと。
「日本のCG技術も凄いなぁ~」と言うほうが映画を観た後の正直且つ、リアルな会話なのかもでしょうが、
自分たちはあの方々の孫、ひ孫の世代だという実感の無さに驚いたのが正直な感想でした。
名も無き英雄・・・いや、犠牲者・・・
どちらの捉え方をするかは個人の受け止め方でしょうが、少なくとも戦争という
正義を信じて、国家の利益、存亡の名のもとに、尊い人間の多くの命が失われたのは事実。
言い換えれば、国家同士の人殺し。
「正義や愛する者の為に死ねる」・・・ってのは言葉だけなら、誰でも言えるし、絶対カッコイイのだ。
世界中・・・オーストラリア、南半球の島まで行って戦っていたなんて、映像で見て改めて気づかされましたのも素直な感想です。
恐らく、飛行機乗りってのはかなりのエリートであって、歩兵部隊でアマゾンの奥地で飲まず食わずの最前線の方が壮絶だったことも容易に想像できます。
その事実の延長上に自分たちの現在の命と、家族、子供、仲間、生活、国があることを忘れてはいけない。
どう、ねじ曲げても、どう美化しようと、「失われた若き命」ってのは事実があるだけなのかもしれない。
実はもっと、チャンバラ大好き、ゼロ戦カッコイイ、特攻すげぇ~・・・戦争を美化するような映画になってるのかと思っていましたが、少なくともそこは全然違いました。
寧ろ、伝えようとしていたのは真逆。
見終わって「永遠のゼロ」と言うタイトルを付けた、虚しさと重さを深く感じました。