さて、日本のコロナ感染者数が明らかにリバウンドを示しはじめ、第4波を迎えているように思われる。「安全、安心なオリンピック開催」を言い続けながら、2カ国の海外選手が入っただけで、すでに自治体の対応に「安全、安心」と「おもてなし」の間に横たわる苦悩やリスクを背負わせ、ウガンダの2選手に感染が発覚。
無症状でも、事前に陰性でも、来日中の飛行機の中で陽性になったりする可能性があること。それについて対策が十分練られていなかったことも判明。バタバタと今になって対策をし、日本のオリンピック対応のずさんさが露呈している。
コロナ対策で、何が一番注意すべき点なのか。それは、「無症状の感染者」が感染を広めるところだ!!!それを、忘れてはならない。そして、その肝心な点を政府がずっと重要視していないことが、すべての失策につながっている。でも、厚生労働省の発表している数字をしっかり辿れば、その問題点は誰の目にもあきらかだ。見てみよう。
上から順に、厚生労働省が6月28日、29日、30日に発表した空港検疫で感染が見つかった人の症状の記述だ。去年、厚生労働省のページでこれらの公表データが一般人には非常に見つけづらいことを解説しながら、どう見つけるかを伝えたが、今も昔とかわらぬ見つけづらさ。見てほしくないものは、なるべく国民の目にふれさせない政府のやり方は、今もまったく変わらないことを今回も痛感しつつ、下の表をみつけた。
目を懲らして見ていくと、きっと感染の発覚した人が無症状が多いことに驚くだろう!!!!
すぐ上の30日に厚生労働省が発表した6月26日に船で鹿児島に到着した5人の感染を確認された5人とも全員が無症状だ。29日でも、5人中4人は無症状。28日は、何と13人の感染者がみつかり、全員が無症状だ!!!!
病院や店で体温測定で感染者の侵入を防げる確率は? ほとんど「しないよりましな、気休めの防御」ということが分かる。元気に空港に足を運び、来日する人がこれだ。今回のウガンダの来日で見つかった陽性者の周囲に座っていた人には通知が行ったのか?その人が無症状で国内で広げる可能性は??? そして、これから、オリンピックで数万人が入国して来る!!!!! どこが、「安全・安心」? 何が「バルーン方式」? もう入国する時点で、飛行機でもバルーンが崩壊していないのか? 下に、やはり厚生労働省のページからみつけた空港検疫で見つかった陽性者の月別総数を転載しておこう。
今回のCOVID19のコロナの怖さが、「無症状感染者」にあることを肝に銘じよう!!!!「バルーン方式」飛行機内で、すでに上記感染者が感染を広げ、無症状感染者が市中で感染を広げる可能性を示唆している。
結果は、下図の通り。
英国株はもちろん、インド株も防げずに増えている。厚生労働省の数字をみれば、当然とも思える。人の流れがふえれば無症状の感染者がさらに動き回り感染拡大は加速度がつくのは、世界の例で分かる。
そして、日本は積極的な検査態勢に完全にシフトして検査を拡大しているのか?
ちょっと見づらいので、図をクリックしてオリジナルを見てもらうと分かるが、能力は1日で全国で民間も全て併せて21.5万件となっているが、1日7~8万件あたりで推移。能力の3分の1しか検査実施はしていない。
病院のベッド数の整理ばかりに躍起になってきて、このコロナ下でも新年度予算案では、病床削減のために195億円もの巨額が計上されている(ココから)、こんなお粗末な感染症体制しかとらずに観光立国と行って外国人を呼び込んできた政府の危険極まりない訳のわからないパンデミックへのリスク管理に戦慄を感じるのは私だけなのだろうか? よく考えてみてほしい。
それは、地震国で原発安全神話を唱えながら、地下に非常電源を置いて平然と操業(津波が地下に入り込み、非常電源は使えなかった)。福島原発事故で他国は再生可能エネルギーに転換を図っているのに、40年使用の原発を再稼働しようとする危険には目を背けている日本。「可能性はあっても起こらないだろう」という神頼み。(起こらないことを前提にしてやらないとコストがかかりすぎる)という近視眼的ご都合主義が招いた悲劇。原発事故は自然災害でなく、人災だ。
オリンピック、パラリンピックでも、危険に背をむけて見ないふりを繰り返そうとしている日本。「感染拡大は、バブル方式で防げる可能性もあるだろう」(うまくどうにか乗り切りたい)という神頼みの政府に、国民がいのちの危険に晒される! 実際にもうオリンピックを止める力は働かなさそうだ。せめて、「無観客での実施」くらいだろうか。 開催がされるなら、私ももちろん、国民の犠牲がなく成功すればいいとは思う。でも、結果オーライでも、この政権が「国民のいのちを科学的根拠で最大限に考慮することなく危険に晒した」事実を忘れないでほしい。もしや、オリンピックが成功しても、それを忘れて衆議院選で間違った選択をすれば、日本の将来は破滅の道を歩むしかない。
福島原発事故が、あれだけの悲惨な結果を日本にもたらしたとはいえ、「首都圏にも退避勧告がでるような、国土のもっと広い地域が放射能汚染にさらせれる最悪の事態を招いた可能性」があったことを、私たちは忘れてはいけない。
オリンピックも然り。気を許せば、犠牲になるのは、あなたかもしれない。私かもしれない。