私もよく見ますが、毎日テレビをみている人には、猿之助の心中事件や広末涼子のダブル不倫問題は繰り返し何回も耳に入ってきているはずだ。でも、(PFASという発ガン性の可能性の高い有害物質が、長年井戸水などに混入して、沖縄、そして東京都内でも、知らずに知らずのうちに住民が健康被害を受けていた可能性が強い)という話は、知らないかもしれない。1回くらい耳にしても、アッと言う間に何もテレビでは言わなくなり、忘れられているかもしれない。猿之助や広末の問題より、よほど自分や人々の生活に深刻な影響を与える問題なのにだ!!!
2007,8年にこの汚染の問題は認識され、汚染の源が米軍基地にある可能性を、東京都が15年前から把握しながら、結局、地下水脈は複雑で汚染源の特定にいたらなかったという。そして、PFASの生みの親の米科学メーカーは「3M」が、環境や生物の残留性の怖れから一部製造から撤退。日本も、2010年にPFASの一部について、製造販売が禁止されたので、問題が減っていくという見込みで、調査そのものが中断された。(東京新聞ココから)
でも、其れで問題は終わらなかった。その数年後。沖縄の米軍基地周辺でPFAS汚染が深刻化していることが発覚。英国人ジャーナリストが、横田基地でもPFASを含む泡消火器が大量に漏出した事実を調べあげ、在日米軍漏出報告書には、2010年1月に格納庫から38リットル、2012年10月にドラム缶から最大95リットルがそれぞれ漏れたとの記録をみつけた。さらには、新しい資料を(米国政府への情報公開請求で)入手。2020年、消防車から泡消火剤を漏出する事故が3度起きていたことを明らかにした!(東京新聞ココから)
東京新聞を筆頭に、他の新聞でもテレビよりは、この問題を扱っているが、なぜか、テレビのニュースでは、こういう問題より、猿之助、広末の話題の中心になる。私たち自身の生活を脅かすほどに大事な問題ではないのに・・・。どうしてだろう?
民放ではニュース時間はそう長くなく、(視聴率を稼げ→広告主がしっかりついて収入が入る)番組作りになるため、衆目を集める芸能や、事件、イベントなどの話題が中心となる。それを、基本的には1日中、同じような映像とコメントで、ニュースの時間の度に使い回して、繰り返し流しているのだ。
一方、新聞は、1日に朝夕刊しかない。宣伝収入もあるが、購読料を払う購読者の要望に応えないで解約されるといけないので、政治、社会、経済、文化など、広い分野にわたって、網羅的に様々な情報をしっかり伝えようとする。 だから、テレビのニュースをみるだけで分かった気になって、新聞を読まないというのは危険なのだ。新聞とテレビの情報はまた別物だと知っておく必要があるのだ。
そして、いつも新聞比較の記事を書く時にお伝えしているが、ただ新聞をどれか読めばいいというのではない。新聞で紙面が大きく違うので、大事な事件や事柄があった時に、紙面を比較して自分にふさわしい新聞を読んでいるかは、常にチェックすることも大切なのだ。
因みに、あなたが東京にお住まいの方なら、下記の地図でご自分の住んでいる所の色はどうなっているでしょうか?
これは、「PFASを追う」というシリーズで、記事を書き続けてきた東京新聞のネットでの「『PFASを追う』記事一覧」で纏めたサイトのトップに掲載されていた画像です。下をみると、この図が住民の血中に残留していたPFAS濃度の高いところが濃い色になっているのがわかります。
この「PFASを追う」シリーズは今回2023年6月11日から始っているが、上に示された一覧の最後を見ると、2020年2月から全部で67回、東京新聞ではこの問題を掲載してきた。 しかも、こういう命に関わる重要な記事を、東京新聞は惜しげもなくネットで全文公開している! 気になった方は、「『PFASを追う』記事一覧」から、2023年6月11日から、いや、3年以上前のそもそもの発端から、順に読んで行くことが出来る。
米軍基地の大半は沖縄にあり、本土に住む日本人は沖縄の人たちの苦しみを十分に共有してきたとは言いがたい。でも、沖縄で起こってきたことは、本土でも起きているのだと知っておこう。沖縄のように米国に上陸はされなかったものの、本土の人間も空襲や原爆を受けて、平和の大切さは身にしみているはず。経験してない世代の我々も、しっかり身近な戦争の傷跡から戦争のことについて学べるはず。その非道さが分かるはずだ。
日本が、敵基地攻撃能力をもち他国に敵対して、その関係を悪化させ、平和憲法を改正し、自分たちの生活を苦しくする軍事予算に疲弊したら、どんな結果が待っているか。真っ当な頭で考えてみれば分かるはず。人を殺すための兵器に自分たちの税金を払うのと、周囲の国と平和的に友好関係を築いて、互いに豊かになる道を歩むのと、どちらがよいお金の使い方か。
いま、いくら包み隠そうとしても、明らかに日本政府は、TIME誌が書いたように軍事大国を目指して敵基地攻撃能力を高め、戦争を放棄し戦争には加担しないと守リ続けてきた「武器輸出三原則」もないがしろにして、殺傷能力のある武器の輸出解禁をめざし、「死の商人」となる道をも模索し、平和憲法とはまったく真逆の政策をすすめて、まさにその憲法の改正を目指している。
マイナンバーでも分かるように、国民の反対の声に耳を貸す努力より、目立つのはごり押しの強気の姿勢ばかりダ。
森友・加計問題、文書偽造、廃棄、桜を見る会の私物化と証拠隠滅の名簿廃棄、金や権力の欲望にまみれたオリンピック、元首相の国葬、地震国日本で60年以上の老朽原発を再稼働する愚策、旧統一教会の選挙利用の無節操さも反省ゼロだ!
さあ、長期政権のあまりにも国民を無視し続けてきた暴挙の数々を忘れずにしっかり思いだし、直視しましょう。
日本政府は、TIME誌の表紙になった岸田首相の記事の見出しが当初「首相は平和主義の日本を軍事大国に転換している」だったのを、「平和主義の日本により積極的な役割を与えている」に変更させたそうだが(ココから)、まさにTIME誌が見抜いたように「平和主義捨てる」国になろうとしている! 本質を見抜いて書いたTIME誌が、なぜ林外相の抗議で見出しを変更したのか・・・。
日本の防衛費増額方針は、自分が岸田首相を説得した結果と発言したバイデン大統領が、これまた松野官房長の「防衛費増額は日本自身の判断」との異議申し入れで前言を翻し、岸田氏は既に決定しており「私の説得を必要としていなかった」と訂正した(ココから)。これも、不思議な話だ。
トランプ元大統領であれ、バイデン大統領であれ、米国従属で兵器の大人買いをすすめる日本の長期政権は、日本国民の税金で米国の軍需産業を潤してくれる「都合のよい存在」と考えられているのだろう。「米国民の血税を使うことなく、米国のいいなりに兵器を大量に買ってくれ、アジアで「米軍の盾」役を、自腹で果たしてくれる日本」は、いいカモ。ちょっとの修正くらい受け入れてもいいほど大歓迎の存在なのだ。まだ時期立候補を考えているという大統領個人にとっては、軍需産業のご機嫌をとって、次の選挙の資金をだしてもらうことは重要なのだ。
沖縄の人たちの基地を跳ね返し、平和な日本を築こうとする気持ちが、最初に書いたPFAS問題で、本気で本土の人間にも身にしみて感じること、沖縄と本土の人間が、真剣に平和の問題を考えることが今ほど重要な時期はない。
日本政府が、沖縄の辺野古基地建設の県民投票も無視し、国民の原発再稼働反対の世論も無視し、原発汚染水の排出反対の福島の人の反対も無視し、平和を願う被爆者の人たちの核兵器禁止条約の批准国となろうという強い思いも無視しオブザーバー参加すらしないこの長期政権。それに、くっついて平和路線から軍拡にまで転換しつつある公明党と、日本国民は決別する時が来ている。もう、1歩も譲ることはできないところに来ているのだ。
ここまで、書いていたら、外に満月が見えた。月が力を与えてくれる。日本は、日本人は、必ず平和を守って生きていく。
もう、まやかしに踊って間違った選択をしたりはしない。平和の道を歩く人間が中心の社会へと変わっていく。
もう、自公の長期政権とはサヨナラをする時だ。
月に力をもらおう。