住職のひとりごと

広島県福山市神辺町にある備後國分寺から配信する
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備後國分寺の風景 5

2018年07月01日 15時31分58秒 | 備後國分寺の風景
備後國分寺の風景 5

仁王門の上には「國分寺」と書かれた額がかかり、額の裏には仏教のシンボル「法輪」が彫刻されています。法輪はお釈迦様の教えの中でも最も実践的な八正道を表現したものと考えられています。本堂正面には「医王閣」とあります。ともに戦前の京都大覚寺の谷内清巌門跡の字と伝えられています。寺内には、山号の唐尾山の額があり、これも清巌門跡の字となります。

もう一つ、客殿にかかる流麗な字は、薩摩の西郷隆盛と談判の末江戸城無血開城を成し遂げた幕臣、山岡鉄舟の書で、「褰霧見光」とあり、霧をかかげて光を見る、と読みます。弘法大師の著作「秘蔵寶鑰」の中の一説で、この後に、に無尽の宝あり、と続きます。この書は、福山草戸明王院の復興のためにこの地にやってきた鉄舟が福山地区の真言寺院のために書いて資金を集めたときのものです。鉄舟は、北陸の大寺復興のためにもたくさんの書を書き、資金集めの手助けをしてくださった方です。三舟の一人と称されますが、仏教にとりましてはピカ一の大恩人と言えるでしょう。





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