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Hanshin Tigers Series 2024

<練習試合>横浜vs.阪神(15日・宜野湾)

2005-02-22 11:51:53 | Spring Camp
 敵地・宜野湾に乗り込んで、「宿敵」横浜ベイスターズと対戦。昨シーズンは痛い目に遭った。一昨年は優勝に貢献してもらった。今シーズンもこの対戦の成否が、阪神タイガースの命運を左右する。大事な一戦、先発は右腕・杉山直久(3年目)。初球ストレートを、ベイスターズの1番・野中信吾が打って出て、ファーストゴロ。不慣れな1塁手、葛城育郎が、お手玉しながら処理して、まずは早々に「1アウト」。

 マウンド上、顎鬚にモミ上げの(長い)杉山。優しい顔を少しでも、怖そうに見せたい、本人の涙ぐましい努力。2番・北川利之への初球は一転、カーヴで入って、ボール。2球目、ストレートで詰まらせて、ファウル。3球目、カーヴが高めに浮いて、「1-2」。4球目、チェンジアップでタイミングを外して、「2-2」。5球目、スライダーを曲げて、ファウル。6球目、同じくスライダーを打たせて、セカンドゴロ。2アウト。

 3番「大物」内川聖一には初球カーヴでストライク。2球目、スライダーの曲がり際を叩かれ、レフト・若手の庄田隆弘が頭上を抜かれて、ツーベース! さすがはレギュラー選手! 相変わらずバッティングをしている。昨シーズンもタイガース戦によく打った内川。今シーズンも攻略に苦労しそうだ。2アウト、ランナー、一塁。

 4番・これも「大物」村田修一。その初球。不用意にストライクを取りに行ったストレート、これを狙われた。打球はライトへ。最初はライトフライに思われたが、風にも乗って、グングン打球が伸びて、ライトスタンドへ! 村田の先制2ランでベイスターズが2点を先取。「2対0」。打球の行方を恨めしそうに見やるマウンド上の杉山。5番・古木克明をライトフライに打ちとって、ベンチに引き揚げるが……背番号「18」。大成するのか、この男?

【2回裏】6番・吉村裕基の初球カーヴでストライク。2球目、フォークがワンバウンド。「警戒」している。背番号「31」。ベイスターズ期待のスラッガー候補、だ。3球目、4球目、インコースのシュートでファウルを打たせ、5球目、カーヴがすっぽ抜け、6球目のフォークで空振り三振に取る。

 7番・小池正晃への初球はストレートが上ずる。背番号「44」。横浜高校の松坂大輔(西武ライオンズ)と同級生だ。今シーズンから、タイロン・ウッズ(中日ドラゴンズ)の「44」番を背負う。球団の期待の表れだ。6年目、そろそろ「結果」を残さなければ……同級生は今シーズンオフ、メジャーリーグに旅立つ。置いて行かれる……2球目、カーヴを見送って、「1-1」。3球目、ストレート、これを狙っていた。打球は左中間へ! 左中間最深部に飛び込むホームランで、「3対0」。

 8番・武山真吾への初球スライダーで空振り。2球目もスライダーでストライク。スライダーは「いい」。問題はストレートのキレ、球威か? 3球目はそのストレートで1球外して、4球目も外れるが、5球目のスライダーで空振り三振! スライダーは「いい」。

 9番・田中一徳への初球もスライダー、空振り。背番号「9」。PL学園出身、6年目のドラフト1位(1999年)。「PL対横浜」延長18回の死闘の主役、松坂の好敵手だったが……2球目はシュート、3球目のスライダーも外れるが、4球目もスライダーでストライク。5球目ストレートが外れて、「2-3」。6球目は意表を突くカーヴを打たせて、ファウル。この辺はさすがにベテラン・キャッチャー野口寿浩の配球の妙。しかし、7球目のラストボール、若い杉山が期待に応えられず、決めにいったストレートが、大きく外れて、フォアボール。快速ランナーを出した。2アウト、ランナー、一塁。

 1番に返って、左打席に野中。初球、走ってきた! キャッチャー野口の送球は高く逸れて、悠々セーフ。この時期にアピールしなければならない若手が躍動、ベイスターズ。一方、杉山、試練のマウンドが続く。初球はストレートでストライク。2球目はスライダーが外れて、3球目もスライダーが曲がりすぎて、ワンバウンド。「1-3」4球目はストレート。これを打って出た野中。平凡なセカンドゴロ、に見えたが、セカンド藤本敦士が下がって捕って、1塁へ送球。間に合わずに「セーフ」。内野安打になる。

 ガッカリ、杉山。3アウトチェンジでベンチに帰れるハズだった。藤本も落胆、寂しそう。本当はショートストップを守りたいのに、不慣れなセカンドに移動させられた。「攻撃的な」守備を取り柄にしていた男が、このセカンドでも「攻撃的」に守るべきだと悟った、だろう。それだけでも、この練習試合の失策には価値が発生する。

 気を取り直したい、杉山だが、2番・北川への初球ストレートがボールの判定。この日は厄日か、杉山、微妙な判定にも我慢するしかない。一塁と三塁への牽制の偽投をして、間を取る杉山。キャッチャーのベテラン・野口が深く頷いている。その甲斐あって、2球目はカーヴでストライク奪取。3球目はストレート、この間に一塁ランナーが走って、キャッチャー野口が送球! 今度は正確な送球で「アウト」。ベテランが「意地」を見せた。ベテランに助けられた、杉山。

【3回裏】再び2番・北川と対面。初球カーヴでストライク。2球目「奇襲」フォークが外れて、3球目のカーヴもすっぽ抜け。4球目もカーヴでストライク。5球目ストレート、6球目カーヴでファウルを打たせて、7球目のストレートで詰まらせて、センターフライ。1アウト。

 内川への初球カーヴを打たせて、バックネットへファウル。2球目「得意の」スライダーでストライク。ここまでは翻弄している。3球目、ストレートでウエストして、勝負球の4球目はスライダー。これを打ち上げて、セカンドフライ。第1打席の借りは返した。マウンド上で「白い歯」を見せている。少し余裕が出てきたか?

 そして、もう一人のリヴェンジする相手「4番」村田には、初球スライダーで空振り。2球目もスライダーでストライク。3球目もスライダー、ハーフスウィングは「セーフ」。4球目、ストレートでウエストして、勝負の5球目はスライダー。村田も予想していただろうが、引っ掛けてショートゴロ。杉山、このイニングは完璧なピッチングで3者凡退。このピッチングが初回から出来るようになれば、先発ローテーション入りも確実になるのだが……。