台風10号が過ぎ去り猛暑が復活したお盆休みの終盤に大弛峠を登ってきた。
乗鞍スカイラインや富士山5合目など標高が高いところは走破済みだが、この峠の存在を知ったのは数年前だ。
この時期にツーリングへ行くのは10数年振りで、前日から準備を整えるなど気分を高めて挑んだ。
往路は全て下道。
厚木から宮ヶ瀬ダム、道志ダム、秋山街道を経て都留から笹子峠の東側へ抜ける県道をつなぐいつもの快走ルートで山梨へ向かったが、7時出発にして既に停まると日差しがキツく前途多難を思わせた。
それでも厚木を抜け清川村に入ってからは夏の早朝らしい空気に包まれて快適だったが、都留からは酷暑との戦いになった。
停車する度にファンが回りだして熱風が吹き出しニーグリップなぞやってられない。同じ水冷でも250と650では放熱量が桁違いなのだと実感出来た。
サウナのようなフルーツラインを抜け、県道206でいよいよ大弛峠へ向かって登り始め低層の雲を抜けたら体感気温がグッと下がってきた。
乙女湖から先の川上牧丘林道は道幅が県道206より広めで走りやすいが、路面陥没があったり落石があったりと危険なのは同じ。
2ヶ月のブランクを取り戻し、6fの軽さと程よいパワーを堪能してるうちに標高2360mの頂上へ着いた。不調を感じなかったのはさすが現行車だ。
駐車場は満車状態で、四輪の空きスペースにお邪魔するしかなかった。
ここは日本一標高が高い車道峠だが、展望がいまいちで風景を堪能するには遊歩道を15分ほど登った”夢の庭園”へ向かう必要がある。
これが中々ハードな遊歩道で空腹だったせいか息も絶え絶えにたどり着いた。急斜面に大きな段差の階段が整備されているが、一足毎に乳酸が溜まっていき踊り場で立ち止まって休まなければしんどい。
画像の階段はほんのご挨拶で、夢の庭園から駐車場を見下ろすとどれだけ登山したかがよく分かる。
富士山こそ見えなかったが近くに見えるのは奥秩父山系の名のある山らしい。日差しは強いが空気はひんやり、サラッとしていて非常に気持ちが良い。呼吸をゆっくり整えながら景色を堪能し、落ち着いたところで下山を開始した。
5月に気になったリヤが逃げる挙動が収まりセルフステアも戻ったので、サスのメンテとブレーキどっちを優先しようかなどと考えながら県道219で猛暑のR140まで一気に下った。
昼食は念願のほうとうでカボチャの甘みと味噌がマッチしてとても美味。
暑いときは熱いもので制すと意気込んだが、ほうとうで汗が引かないのか暑さで汗をかき続けるのかよく分からないという結果だった。
帰路は食傷気味の柳沢峠~奥多摩と新鮮味があるR140雁坂トンネル超えで迷ったが、R140雁坂トンネル超えを選択。
これが大失敗で快走できたのは雁坂トンネルまでで後はダラダラ四輪の後ろについて走るだけになり、暑さは山を下るにつれどんどん増していき苦行だった。県道73で秩父さくら湖から飯能市へ抜けるつもりだったが、疲れたのでパス。
素直にR299から圏央道を使って自宅帰着は18:30頃、暑さで体力を消耗しきったツーリングになった。
後で地図を見直したら、県道219で大弛峠へ上り、下りは県道206からクリスタルラインという広域の舗装林道で昇仙峡か塩川ダムへ抜け、広域農道で甲府盆地の外縁をぐるっと回って勝沼まで戻るのが良さそうだ。あの空気は格別なのでまた暑い時期に再訪したい。
走行距離406km 燃費24.9km/l