活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

校正のこと、出張校正のこと

2011-02-07 10:40:12 | 活版印刷のふるさと紀行
 きのう、おとといと出張校正をしました。といっても出版社に出向いて編集の人とディスプレの上で最終確認をしただけのことです。初校は入力ゲラを印刷してもらって紙の上で校正できるのですが、再校となると省力化でパソコンのディスプレ上で編集者立ち合いで訂正してハイ終わりというわけです。

 出張校正というのは、以前は印刷会社の出張校正室に缶詰めになってするものでした。
指定された時間に行くとインキの臭いがする刷りたてホヤホヤ初校のゲラが出てきます。
 丹念に原稿とつけ合わせしながらひとわたり校正して「要再校」で工場に戻します。
待っていると訂正されて「再校」が出てきます。

 再校から「要三校」ともう一段階進むことがありましたが、たいていの場合、直しが少なければ、「責了」でいちおう校正は終わりです。責了とは責任校了の略で、印刷工場の方で訂正に責任をもって校正段階は終わりにしてつぎの段階に進むことになります。

 ただ、慎重を期さねばならないときは、「要念校」でもう一度、校正刷りを出してもらう場合もありました。ときには、「ヌキ念」といって直しを念入りにチェックするために
確認したいページだけ抜き出して印刷してもらうこともありました。

 印刷のデジタル化で校正作業もすっかり変わってしまいました。アナログ時代の校正や出張校正室には実にいろいろなことがありました。

コメント
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