活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

立花文穂さんのデザイン

2011-03-12 15:19:53 | 活版印刷のふるさと紀行
 あの不幸な訪問者「東北・関東大地震」のたった1日前でした。本来なら月初めに催される
ことが多いGGG、ギンザ・グラフィック・ギャラリーのオープニング・パーティに参加しました。
 DNP銀座ビルの前で思わず足を止めてしまいました。

 催事告知フラッグが戦国時代、足軽が背中に背負った旗差し物よろしく「た」の字1字でした。
肉太で力強いひらがなですが、どことなく感じるおさなさがいいのです。

 申しわけない話ですが立花文穂さんは、名前を存じ上げている程度で面識も作品も知りません。
いきなり、展覧会でその人と向き合うのは素敵な初見になることがあります。

 で、どうだった。私は気に入ったのです。
あっ、この人は文字を愛している、印刷が好きらしいぞ。犬がクンクンと嗅いでまわるように会場
を一巡して思ったのです。

 最近、デザインというとコンピュータ。デザイン、デザインしているデジタルが幅をきかせてお
ります。それが立花さんのはアナログっぽさがあって、あったかくて、なんとなく日本人ぽくって、
身近かというか、日常性があるのです。

 たとえば、作品の説明プレートにしてもブルーの万年筆でカリカリと書いたみたいで、あの気ど
ったルーペで拡大して読みたくなるような細ゴジ書体ではないのです。
《これまで印刷した紙紙。頁にしたもの、ペラのもの、小さいもの、ちいさいもの。いろいろな
べました。みてください。》というご当人の呼びかけが素直に納得出来ました。

 デザイン表現と文字表現、それをつなげる「印刷」。こういった展覧会をもっと見てもらいたい
ものです。あっ、今、気がつきました。GGGのリーフレットのおもて面の{た」の字の横に、
「ひとみ幼稚園之印」とあり、ふみおの署名が読みとれるところを見ると、ひょっとして?


 
コメント
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