活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

「リアル本」とは言い得て妙

2012-04-01 11:14:33 | 活版印刷のふるさと紀行
 印刷博物館の電子書籍の展示会でおもしろいことばに遭遇しました。
電子書籍に対して紙媒体の印刷本のことを「リアル本」と表現しているコーナーがあり
ました。内心、「リアル本」とは言い得て妙だなと思ってニヤリとしたのも事実です。

 会場は印刷博物館、出版分野ごとに電子書籍とリアル本を並べた展示そのものが象徴的
でした。
 そうなると、入館者は思わず両者を比較してしまうことになりそうでした。 その証拠
に、会場でかなり電子書籍とリアル本の比較論が耳に入ってきました。

 入館者に出版や印刷関連の人が多いせいもあるでしょうが、「液晶画面で読むのが疲
れる」という声がまだかなりありました。電子書籍3年目にして、これがまだいちばん
多い声かと意外な気がしたのも事実です。
 昨今のデバイスの進歩でかなり将来が期待できるからこそ電子書籍を国も後押しするの
でしょうし、電子書籍があたらしい出版産業になる予見があるのでしょう。

 電子書籍の将来性はまだ、議論百出で見当がつきませんが、私の実体験ではコンテンッ
よりもipadのような端末に不満があります。まだ、重い、電池切れですぐに充電しなくて
はならないなどの点です。

 電子書籍そのものについては、雑誌や新聞のようにわかっているものはいいのですが、
いわゆる単行本の場合、hontoのようなところから来るメールの図書目録やホームページ
がたよりで、従来書店の店頭でリアル本を手に取って購買を決めるようなわけにはいき
ませんので購買本の選定に問題ありです。従って従来通り書店に行っております。
  
 液晶画面は馴れもで、読みにくさは感じませんが、日本語のフォントが横文字よりも
眼に重いためか、印刷のリアル本より疲れる気はします。

 「積んどく」よりもつい、買い過ぎて未読のままの電子データの方が早く読まなきゃ-
という強迫観念が強いのが事実です。端末が多機能なのが、つい、読書時間を阻害する
のを手伝ってしまうのです。電子世代が成人するまで「当分は電子書籍もリアル本も共存
共栄といったところではないでしょうか。
 樺山館長のスピーチが「電子書籍を知ってほしい」に力点が置かれていたのも当然とい
えば当然、本当は、まだ、日本は電子書籍元年だと思います。 

コメント
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