活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

南蛮のバテレン

2012-04-19 10:39:41 | 活版印刷のふるさと紀行

 松田毅一先生の著作に「南蛮のバテレン」という好著があります。そのほか「南蛮遍路」ですとか、「豊臣秀吉と南蛮人」ですとか、松田先生の著作によって「南蛮学」を学ばせていただいた私です。日本に活版印刷をもたらした天正少年使節についても先生の著作からどれほど多くを学ばせていただいたか、恩師といってもいいと思います。

 ところで一昨日、2012年4月17日の日本経済新聞の朝刊文化欄に池長 潤さんというカトリックの司教の方が『父の心血 南蛮美術』というタイトルで一文を寄せておられました。お父上の池永 孟(はじめ)さんがいかに心血を注いで南蛮美術を集められたかを書いておられ、一読、感動を覚え、2度、3度と読み返してしまいました。

 いままで、松田先生の著作をはじめ、いろいろな研究書で何度も目にした「聖フランシスコ・ザヴィエル像」も池長 孟さんが茨木市の旧家に通い詰めて、ようやく譲り受けたもので、このザビエル像をめぐる興味深いエピソードも披露していらっしゃいます。

 かつて私が著書「天正少年使節千々石ミゲル」の表紙にミゲルの肖像画を入れるときに所蔵元の京都大学図書館の許可を頂くとき、大学の松田博先生から「4人の天正少年使節の像」が図書館に入るまでの経緯をうかがったことがあります。

 過酷な秀吉以来のキリスト教弾圧の時代を経て、さらに天災や空襲をかいくぐって南蛮美術が我々の前にあるのはこうした池長さんのようなコレクターの存在があればこそのことと感じ入った次第です。

 神戸市立博物館で4月21日から6月3日まで「南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎」と題して南蛮美術の名品を集めた展覧会があると聞きました。会期中に絶対、行くぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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