活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

コルクの馬車を見つけた

2012-04-02 09:46:03 | 活版印刷のふるさと紀行
 エイプリフールが日曜日でつまらん。人に会って騙したり、騙されたりできない。
というわけで、おとなしく、書斎の整理をすることにしました。2日続きの春の嵐で
荒れた外回りの片づけをさせられるよりもその方がマシという計算もありました。

 そして意外なモノを見つけました。コルク細工の馬車です。女の子に見つかったら
「かわゆいー」と、たちどころにとりあげられそうなシロモノです。
馬車といってもウシロの包みはオリーブか大麦を詰め込んだ麻袋ふうで、馭者台に腰を
おろして鞭を持っているのは農夫?でした。書棚の引き出しの隅に押し込められている
うちに頭の部分がもげてしまったらしいので?つきです。

 日本人最古の活版印刷人ドラードの足跡をたずねてポルトガルを旅したときに買った
ものです。伊東マンショや千々石(ちぢわ)ミゲルが見事にパイプオルガンを弾いたと
いうエヴォラの教会からヴィラ・ヴィソーザに向かう道の沿道でコルクの原料になる
コルクの木、コルク樫(かし)を間近かで見たときはちょっとびっくりしました。
ゴツゴツした樹皮がはがされていて、幹が満身創痍の様相でした。

 「これで植えてから30年か40年経っているでしょうか。いいコルクをとるのに
ちょうど良い木です」と説明されました。実はコルクの生産の世界一がポルトガルで
全世界の半分以上、コルク林の面積も2位のスペインを大きく引き離してポルトガルが
トップとはそのとき初めて知りました。開けにくいワインのコルク栓に手こずったこと
はしばしばですが、「おぬしはポルトガル産だったか」というわけです。

 コルクの馬車を見つけたことで、書斎整理は中断、しばし、ポルトガル取材のノート
を読みふけりました。地名を忘れましたが、石切り場も見ました。それでというわけでも
ありませんが、我が家の墓石はポルトガル産です。オリーブ農園にも案内されました。
しかし、東京ではポルトガル産のオリーブオイルはなかなか行き当たりません。
 
 それにしても、今日のような好天気の日に、コルク樫やオリーブの林の道をゆっくり
歩きたいものです。ポルトガルはいいですよ。
 


 



 
コメント
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