赤い表紙に、男の子と赤いバケツを持った小熊の絵。
そんな本を子供の頃見た記憶はありませんか?
昭和37年に発行されて以来、多くの子供達に愛され、多くの大人達が読み伝えてきた物語。
今回ご紹介するのは、中川李枝子、作。大村百合子、絵。
私の大好きな本『いやいやえん』です☆
保育園に通っていた時、地球は自分を中心に回っていました。
遊びたい時に遊び、歌いたい時に歌う。
嫌なことには泣いて抗議し、好きな先生には一日中まとわりつく。
そうそう、家に帰りたくて保育園から逃げ出したこともありました♪
本の中に登場するしげるちゃんもそんな男の子。
いつも「いやいや…したくない!」と言ってお母さんを困らせます。
そんなしげるちゃんは、したくないことはなんにもしなくていい所、「いやいやえん」に連れていかれてしまいます。
そこにいる子は、好きなことをしていて、したくないことはしなくても怒られません。
おかたづけもしなくていい。
嫌いな物は食べなくていい。
取っ組み合いのケンカになっても、「いやいやえん」のおばあさんは平然としたもの。
「まあ、すごいけんかだね。いまに、ふたりとも、手か足をおっちゃうだろうよ。
そしたら、おしえておくれ。救急車をよぶからね。」
なんて言って、すましているのです☆
そのうち、投げられたり、蹴られたり、片付けてもらえないおもちゃ達は、「もう、この子たちとあそぶのは、いやだわ。」と言ってよそへ行ってしまいます。
おもちゃ達がしゃべり出し、自分で歩きだすシーンはとっても愉快♪
この本には「いやいやえん」の他にも、しげるちゃんが通う、ちゅーりっぷ保育園のみんなが登場する話が納められています。
中でもお気に入りなのは小熊の「こぐちゃん」がちゅーりっぷ保育園にやって来る「やまのこぐちゃん」☆
クマが手紙を書けたり、保育園に入りたくてやってくるところなんか、川上弘美の『神様』を彷彿とさせます。
川上さんも、もしかしたら読んだことがあるのかな?
クジラやオオカミがしゃべりだしたり、「くいしんぼう」の鬼が現れたり。
まるでファンタジーのようですが、語り口はいたって冷静。
あるがままに、子供達の行動を淡々と綴るその文章は、不思議な現実感を与えてくれて、動物やおもちゃ達が友達なのが当たり前の子供の世界に同化してしまっています。
そこがきっと、子供達に受け入れられてきた理由の一つではないでしょうか。
大人になると、忘れてしまう世界があります。
そんな世界を大人になっても失わず、こんな素敵な本を作ってくれた作者の中川季枝子さん、大村百合子さん姉妹には脱帽です。
『ぐりとぐら』シリーズでおなじみの方もいらっしゃるでしょうが、この本もお薦めですよ♪
できれば、お子さんといっしょにお読みになって下さい。
枕元で読んで聞かすのには、もってこいだとおもいます☆
中川 季枝子 作
大村 百合子 絵
福音館書店
☆4才~小学校初級むき☆
そんな本を子供の頃見た記憶はありませんか?
昭和37年に発行されて以来、多くの子供達に愛され、多くの大人達が読み伝えてきた物語。
今回ご紹介するのは、中川李枝子、作。大村百合子、絵。
私の大好きな本『いやいやえん』です☆
保育園に通っていた時、地球は自分を中心に回っていました。
遊びたい時に遊び、歌いたい時に歌う。
嫌なことには泣いて抗議し、好きな先生には一日中まとわりつく。
そうそう、家に帰りたくて保育園から逃げ出したこともありました♪
本の中に登場するしげるちゃんもそんな男の子。
いつも「いやいや…したくない!」と言ってお母さんを困らせます。
そんなしげるちゃんは、したくないことはなんにもしなくていい所、「いやいやえん」に連れていかれてしまいます。
そこにいる子は、好きなことをしていて、したくないことはしなくても怒られません。
おかたづけもしなくていい。
嫌いな物は食べなくていい。
取っ組み合いのケンカになっても、「いやいやえん」のおばあさんは平然としたもの。
「まあ、すごいけんかだね。いまに、ふたりとも、手か足をおっちゃうだろうよ。
そしたら、おしえておくれ。救急車をよぶからね。」
なんて言って、すましているのです☆
そのうち、投げられたり、蹴られたり、片付けてもらえないおもちゃ達は、「もう、この子たちとあそぶのは、いやだわ。」と言ってよそへ行ってしまいます。
おもちゃ達がしゃべり出し、自分で歩きだすシーンはとっても愉快♪
この本には「いやいやえん」の他にも、しげるちゃんが通う、ちゅーりっぷ保育園のみんなが登場する話が納められています。
中でもお気に入りなのは小熊の「こぐちゃん」がちゅーりっぷ保育園にやって来る「やまのこぐちゃん」☆
クマが手紙を書けたり、保育園に入りたくてやってくるところなんか、川上弘美の『神様』を彷彿とさせます。
川上さんも、もしかしたら読んだことがあるのかな?
クジラやオオカミがしゃべりだしたり、「くいしんぼう」の鬼が現れたり。
まるでファンタジーのようですが、語り口はいたって冷静。
あるがままに、子供達の行動を淡々と綴るその文章は、不思議な現実感を与えてくれて、動物やおもちゃ達が友達なのが当たり前の子供の世界に同化してしまっています。
そこがきっと、子供達に受け入れられてきた理由の一つではないでしょうか。
大人になると、忘れてしまう世界があります。
そんな世界を大人になっても失わず、こんな素敵な本を作ってくれた作者の中川季枝子さん、大村百合子さん姉妹には脱帽です。
『ぐりとぐら』シリーズでおなじみの方もいらっしゃるでしょうが、この本もお薦めですよ♪
できれば、お子さんといっしょにお読みになって下さい。
枕元で読んで聞かすのには、もってこいだとおもいます☆
中川 季枝子 作
大村 百合子 絵
福音館書店
☆4才~小学校初級むき☆