私的図書館

本好き人の365日

「あさはあけぼの」

2004-01-31 23:25:00 | 日々の出来事
この一週間、母親が孫の世話で家を空けたため、実家の留守番をしていました。

することといっても動物の世話くらい。
会社まで遠くなるので、ニワトリよりも早く起きなくっちゃならない。
それがつらかったです。

でも特したこともありました。
久ぶりに見た夜明けの瞬間♪
太陽が見えてしまっては興醒めです。
まだ明け切らない空がしだいに群青色から藍色、澄んだ青へと変わっていくほんの一瞬がすべて☆
『枕草子』でも言ってますね。
山際がゆっくりと白く輝くあの瞬間です。
冬は特に空気が澄んでいるから大気が震えているよう。
感傷的に表現するなら、音一つない静寂の中にいながら、音に満たされた感じ。
モンゴメリの『エミリーはのぼる』という小説の中で、主人公のエミリーが言います。

「夜明けのわずか数分のあいだ、世界はいつも若返るのだわ」

う~ん、実感です☆

でもやっぱり朝は忙しい。
犬を散歩させて、フンの後始末して、新聞を回収。
動物達のエサを用意して、朝ご飯食べて、身支度して出勤です。
疲れた一週間でした。

せめて明日はゆっくり眠りたい…と思ったら、母親と一緒に甥っ子達も泊まりに来てしまった。
平穏な日々はいったいいつ訪れるのでしょう?


一月の本棚 4 『赤ちゃんと僕』

2004-01-31 00:52:00 | 日々の出来事
TVドラマ「エースをねらえ!」は見てますか?
ツッコミどころはたくさんありますが、やっぱりあのオープニングテーマは燃えますね♪

少女マンガはあまりくわしくはないのですが、友人にどうしてもと薦められ、全巻揃えてしまった作品があります。
それが今回ご紹介する作品。

羅川真里茂の『赤ちゃんと僕』です☆

買う時は苦労しました。
少女マンガなんて、並んでる棚からして近寄りにくい。
妙に色っぽい流し目の兄ちゃんや、手足が長くて奇妙なポーズを取った姉ちゃん達の表紙が並ぶ、あの独特の雰囲気。
ふいに現れる小中学生を避けながら、うず高く積まれた『赤僕』全18巻を抱えてレジに並ぶのは恥ずかしかった。
今なら文庫サイズが発売されているので、そんな気苦労もないんでしょうが。

だけど内容は、そんな苦労をしても手に入れただけのことはありました。

母親を交通事故で失ってしまった小学生の拓也君が、弟でまだ赤ちゃんの実くんの世話に追われるという、おさんどん少年の奮闘記。
拓也の通う小学校の友達や、実の通う保育園の子供達(保母さんと園長さんも巻き込んで)の事件やドラマが描かれていますが、なんてったって面白いのは実のブラコンパワー(ブラザーコンプレックスパワー…なのかな?)でしょう。

拓也大好きの実くん♪

そんな実を時には邪魔に思いながらも、しっかり面倒みているお兄ちゃん。
さすがに小学生なので、とまどうこともあるけれど、しだいに子育てのプロに成長していく拓也の姿の頼もしいこと。
こんな子供、うちにも一人欲しくなっちゃいます☆

脇を固める登場人物達も魅力的で、小学生のはずなのに、大人のこっちが思わず感心してしまうほど。
なかでも好きなのは拓也の同級生で、六人兄弟の藤井君家の話☆
兄弟って、いがみあいながらも、どこか互いに結びつきあっている不思議なところがありませんか。そんなところが上手にマンガになっていて、楽しませてくれます。
拓也と実のパパもカッコイイしね。(一巻ではパパはなんと33歳なのだ。若い!)

面白いだけじゃなく、感動的なお話もたくさんあります。
うちの妹が出産のために実家に帰ってきていた時に、ヒマつぶしにとこのマンガを見せたら、母親と二人して涙ぐんでいましたから。

子供時代をちょっと卒業しかかっている中学生から、子育て真っ最中という大人まで、楽しく読める作品だと思います。
アニメ化もされましたが、「エースをねらえ!」同様、マンガとTVは別物ですからね。

ぜひ実くんの、「にーちゃああ」(拓也を呼ぶ声)という絶叫を、本の中でご覧になって下さい。



羅川 真里茂  著
白泉社