三十歳以上の結婚していない女性を「負け犬」と言うそうです。
「負け犬」にはバツイチの人も、シングルマザーの人も含まれます。
要するに普通の家庭を築いていない人全般が、この分類に属します。
この、結婚していない人=「負け犬」という過激な表現で少し前に話題になった本。酒井順子の『負け犬の遠吠え』を読んでいます。
決して結婚していないことを卑下する内容ではありません。
「負け犬」に愛情を持ちつつも、そのどうしようもない生き方を克明に暴き出している。
「負け犬」はいかにして「負け犬」になったのか?
一人で生きていくことを決意してしまう、その裏に秘められた本音とは?
「負け犬」にならないためにはどうしたらよいか。
または「負け犬」になってしまったらどうしたらよいか。
など、可笑しくもどこか寂しい「負け犬」の実態が、著者の鋭い人間観察とユーモアのある視点で書かれていて、思わずうなずいてしまうことばかり。
確実な道を迷うことなく歩く「勝ち犬」に対し「人生楽しまなくっちゃ」と面白そうな道をついつい選んでしまう「負け犬」。
狙いを定めた男性の前で自分を売り込み、一人では生きていけないようなフリをしたり、弱さを見せたりすることのできる「勝ち犬」に対し、恥ずかしくってとってもそんなことのできない「負け犬」。
かく言う自分も三十を過ぎた立派なオスの「負け犬」なので、この本に出てくる「負け犬」の条件にはかなり覚えのあるものが…
そういや最近、口うるさく「結婚しなさい」と言っていた親や親戚も、妙に言わなくなってきたような気がする。
アレ、そろそろ本気で考えないとヤバイ年代なのかな?
そう思いつつ、「なんとかなるさ」とどこかで高をくくっているのがすでに「負け犬」の条件。
三十五歳を過ぎたら、そう楽観もしていられないんだとか。
決して「勝ち」=「幸せ」ではないところが人生の面白いところ。
晩婚化、少子化の進む中、なかなか面白い本ですよ☆