私的図書館

本好き人の365日

待合室で

2005-06-10 23:53:00 | 日々の出来事

昨日は有給休暇をとって病院に行きました。

その待合室でのこと。

70代くらいのおじいさんが私の隣に座りました。
少々やせ気味ですが、背筋もシャンとしていて、服装も清潔そう。
そんな彼が、おもむろに片尻をあげて、プッと放屁しました。

…しかも私の方にむかって*(汗)*

絶句です。
ありえないです。
なんだこのやろう、です。

あまりのことに腹も立ちましたが、その御老人は悠然としていてまったく気にしていない様子。

すっかり毒気を抜かれてしまい、反対に笑いをかみ殺すのに苦労しました☆
あー可笑しい♪

実はうちの父親も平気なんです(笑)
歩きながら、平気でおならしますからね。一緒に歩いてるこっちが恥ずかしい。

家では父も母も平気なタイプらしいのですが、その反動か、私も妹もそういうのはダメ。
う~ん、年代の差なのかな?

それで思い出した作文があります。
「山びこ学校」で有名な無着成恭さんのユニークな教育方針を受け継いでいる、ある中学校の三年生の女子生徒のもの。
題名は「屁」。

少女の家に嫁にきて七年になる兄嫁が、夜なべをしていて、なにかの拍子にプッと屁をしてしまう。

しきりに謝る義姉に少女は「みんなあることだから気にするな」と励まし、母親もつられて「んだんだ、だれでもあるごんだ」と言う。

「男衆だ、だれっちゃもえんりょすねでブッブッとたれるえくていいね」
と女だけの夜なべの場で話は移っていくのだが、少女は考える。

この兄嫁は七年もの間、屁をたれる自由もなかったのか。
自分の家では嫁・姑の対立関係はなくなったけれど、ではなぜ義姉は謝るのか。

日常のささいなことから感じた、兄嫁の、女性の強いられた境遇。
それを敏感に見て取る少女の感性が印象に残る作文です。

ひと昔前の農家では嫁に入る女性の立場は非常にキツイものがあったといいますからね。
うちの祖母も、嫁=労働力と見ていたふしがあって、実際母の義理の兄がわざわざやってきて、昔みたいに牛馬のごとく働かされては母の体がもたないと祖母を説得したことがあったそうですから。

今はこんなこともないだろうとは思いますが、この作文を紹介している本の作者も、この中学生の少女が、当時の農家の中での嫁のきがねを、自分の目の位置でしっかり見ていることに感心していました。

「屁」一つで家族の関係が深くえぐり出されている。

こんなことで自由を語るのも何だけれど、そう考えると、「屁」をする自由も認めなくっちゃいけないのかな(;_;)

あぁ、なんだか今日の話題は下品ですみません。

でも自分と羞恥心の感じるところが違う人と出会ってしまうと困りますね。
でもあのおじいさん、神経の太さだけなら、私なんかより長生きしそうだな…