毎年6月20日は「世界難民の日」です。
2005年のテーマは「勇気」*(星)**(キラキラ)*
先日、本屋さんで一冊の絵本を見つけました。
タイトルは『ほんのすこしの勇気から 難民のオレアちゃんがおしえてくれたこと』
飾らない絵に好感を持ったので、少し手に取ってパラパラ。
日本の小学校に転校してきたオレアちゃんが、言葉がわからず、音楽の時間にポロポロと泣き出します。
それに気付いた女の子の一人が、勇気を出してオレアちゃんに話しかけます。
「ラララで歌おう」
言葉が通じなくて、モジモジしていたクラスのみんなも、オレアちゃんと女の子のラララの歌声に気付いた先生も、やがて一緒になって大合唱*(音符)*
一番と二番と、三番まで歌ったオレアちゃんの口から、「うれしい」と「たのしい」という日本語がこぼれます*(ハート)*
グッときてしまいました☆
もうその場で購入決定!
一生懸命に言葉をおぼえ、みんなと仲良くなっていくオレアちゃん。
やがてクラスのみんなは、オレアちゃんが「難民」であることを知っていきます。
この本は、日頃難民支援の活動をしてみえる、日本国連HCR協会のボランティアの方々の呼びかけで作られました。
本の印税のすべては難民支援のために寄付されます。
難民の生活。
子ども達のおかれた現状。
さまざまな差別や暴力による虐待。
アフガン難民のアリ・ジャン君が書いた『母さん、ぼくは生きてます』(マガジンハウス刊)を読んだ時も、難民のおかれている立場や、世界の対応、そして日本の難民政策の実情に驚きました。
オレアちゃんは、いちおう架空の名前で、オリーブ(花言葉は「平和」)の学名から取られていますが、そこに語られている問題は、現実のものです。
ていねいでわかりやすく、とっても短いお話の絵本ですが、子ども達だけでなく、中高生、大人の方にも読める内容だと思います。
「じぶんが変わると、まわりも変わるよ」
世界が自分ひとりの力でどうにかなるとは思わないけど、世界を作っているのもそうしたひとりひとりの人間なんだもの、自分に出来ることから始めてみよう。
外国の人だから、人種や宗教が違うから、それゃあ最初は不安かも知れないけど、勇気を出して…
困った時はお互い様…この簡単な言葉を実行するのに、国籍や宗教なんて、関係ない。
「オレアちゃんはわたしたちと同じだよ。
リンゴが好きで、お花が好きで、歌を歌うのが好き」
同じ言葉、同じ価値観、同じ肌の色になんて、ならなくてもいい。
「ラララで歌おう」
難しい問題も、きっともっと簡単なことから始められる、そう思わせてくれる絵本です☆
関連HP http://www.honsuko.net
日本国連HCR協会ボランティア・絵本プロジェクトチーム 著
求龍堂