私的図書館

本好き人の365日

言葉におもいをのせて

2012-01-12 22:07:42 | 本と日常
新春恒例の「歌会始の儀」が宮中で行われたようですね。

ニュースで見ましたが、歌を披露する時のあの独特の節回しは何回聞いても違和感を感じてしまいます。

変なの(笑)

私がああいう伝統に疎いだけなんですけどね。
比べるわけじゃありませんが、一時期「ホームレス歌人」として話題になった公田耕一さん。(おそらく仮名)
朝日新聞に掲載された彼の歌は、私なんかにはとてもわかりやすかった。


 (柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ

      ― 公田耕一 ―


音信の途絶えた彼を追うノンフィクション『ホームレス歌人のいた冬』(東海教育研究所)という三山喬さんの本が読みたくて、古本屋さんで探しているのですが、これがなかなか見つかりません。
代わりに雑誌「ダ・ヴィンチ」の短歌投稿コーナーをまとめた、穂村弘さんの、

『短歌ください』(メディアファクトリー)

を読みました。
こちらもいわば素人が作った短歌ですが、とても身近で(わかるわかる!)と思える歌、(女性ってコワイ!)と思ってしまう歌(苦笑)、自分の思いも付かない発想の歌などがありとても楽しかった♪
穂村弘さんの講評もいい。


「ほんとうは誰も愛していないのよ」ペコちゃんの目で舐めとるフォーク

      ―ゆず―


宮中での「歌会」、今年の題は「岸」だったそうです。
海のない県に住んでいるのですが、いちおう私も考えてみました。
お耳汚しでしょうが、大きな心で聞き流して下さい。

昨年の東日本大震災後、訪れた陸前高田市の海岸にて…


 松林 たなびく衣服 上に見て
 ガレキを背にし 見る海青し

        ホーク