たまの休日だというのに、ダラ~として一日が終わってしまいました。
たまの休日だから、ダラダラしちゃうのかな?
掃除に洗濯、買い物と、やらなきゃいけないことはたくさんあるのに、つい「明日でいいか」と、なまけ心が甘くささやく。
こんなことじゃいけない。自分の心を励ますためにも、自分の義務と使命に果敢に挑む、少年のお話を紹介しましょう☆
ロイド・アリグザンダーの「プリデイン物語」第二弾!
今回は、魔法の釜を求めてタランと仲間たちが探索の旅に赴く、
『タランと黒い魔法の釜』
を、ご紹介します☆
あなたが、親から自立できたと思ったのはいつごろですか?
一人暮らしを始めた時?
就職して自活できるようになった時?
それとも、結婚して自分の家庭を持った時でしょうか?
人も動物も、いつか親の庇護のもとを離れ、一人で生きていくことを学ばなければならない時がやってきます。生き物は、そうして初めて自分を見つめ、世界の中の自分に気が付いていくのです。
少年だったタランも、相変わらず「豚飼育補佐」の身分ではあるものの、老預言者ダルベンから、自分の剣を与えられるほどになりました。ただし、成長したから剣を渡されたのか、成長するために剣を渡されたのかは、微妙なところ☆
まだまだ、名誉や栄光を夢見る危なっかしい少年に変わりなく、女心にも鈍いタランは、今日もエイロヌイに怒られてばかり。
物語は、プリデインを守るドン一族の王子、前のお話でタランを助けてくれた、ギディオンが現れて、タランの住むカー・ダルベンで会議を開くところから始まります。
角の王の脅威は退けたものの、死の国の王、アローンの作り出す、不死の戦士に苦しむ人々。この現状を打破すべく、ギディオン王子が考え出した作戦は、果敢にもアローン自身の王国、アヌーブンを攻撃し、死者を戦士に蘇らせるという、黒い魔法の釜を奪って、打ち壊してしまおうというものでした!
アローンの本国に攻撃をかけることになるその戦いは、プリデインの各諸侯が参加する、大掛かりなものになると予想され、タランの師匠、老戦士コルを始め、吟遊詩人で一応王様のフルダー・フラム、妖精族のドーリなど、かつてのタランの仲間たちも参加します。
その戦いに加えてもらえることを知り、単純に喜ぶタラン。
しかし、それは、辛く苦しい自分との戦いが待っている、過酷な旅の始まりでもありました…
今回は、タランの精神的な成長、とくに、多くの決断と選択をせまられるシーンが見どころです♪
タランに大きな影響を与える、吟遊詩人の長、タリシエンの息子アダオン。
自分に正直に、律儀なまでに正しき道に従おうとし、彼の帰りを待つ婚約者を心から愛するアダオン。
また、功名心に取り付かれ、なんとか名を上げようとタランにライバル心を燃やす、北の国のペン・ラルカウ王の末子、エリディルもタランの成長に一役買います。
そして、モルヴァの沼地に住む、すべてを見通す力を持つ三人の魔女。オルデュ、オルウェン、オルゴクがタランに与える過酷な試練。
魔法の釜を打ち壊すために要求される、その代償。
大切な仲間を守り。大切な想い出を守り。名誉と誇りを守り切ることがはたしてできるのか?
決断を迫られ、悩むタラン。
いくたの戦に参加してきたアダオンは言います。
「血に染まった野よりも、よくたがやされた野のほうが名誉だ…」
今回も前作にまして、タランはもちろん、毛むくじゃらのガーギに、姿を消す小人のドーリ。放浪クセのある困った王様フルダー・フラムに、おしゃべりな王女エイロヌイなどの、個性的で魅力的ないつもの面々が大活躍!!
はたして、大袈裟なことを口にするたびに切れる、フルダー・フラムの竪琴はいったい何回切れるのか?
彼女を捕まえた敵将は、エイロヌイのおしゃべりを止めることができるのか(笑)
そして、老預言者ダルベンの幼少時代も明らかに?
個人的には、手柄にこだわるエリディル王子に感情移入しちゃって、何度もそのプライドに支えられた、弱い心に同情してしまいました。
きっと、今回は一番人気がなさそうなのも、かわいそう。
キディオンやダルベンの助けもなく、必死で仲間を引き連れ、危険な道にあえて飛び込むタランの苦悩。
楽な道はいくらでもあるのに、信じた道を進む決断。
後悔と迷い。
本当にこれでいいのか?
自分は間違ってやしないかという疑問がつねにつきまとい、葛藤する。
物語の中の出来事なのに、とっても身につまされてしまい、タランと一緒になって考えている自分がそこにいました♪
大人の世界でタランが見ることになる、裏切りや欲望。しかし、それでも彼は大人の世界に入っていくしかありません。
そして彼は知るのです。
確かに人間の心には邪悪なものや、弱さにつけいる誘惑が潜んでいる。
でも、それと同じくらい、いや、もっと多くの愛や喜びも、また、同じ人間の中で輝いていることを☆
そう、今日は一日、ダラ~と背骨の抜けている私ですが、きっとやる気と根性はどこかにあるはず。
明日からは頑張ります!
変われるからこそ、人間には希望がある♪
…これを希望的観測とひとは呼ぶそうですが(笑)
タランと仲間たちの物語。
きっと、あなたにも、何か大切な物を伝えてくれるはず。
ぜひ、本屋さんでみかけらた、手に取ってみて下さい☆
ロイド・アリグザンダー 著
神宮 輝夫 訳
評論社
たまの休日だから、ダラダラしちゃうのかな?
掃除に洗濯、買い物と、やらなきゃいけないことはたくさんあるのに、つい「明日でいいか」と、なまけ心が甘くささやく。
こんなことじゃいけない。自分の心を励ますためにも、自分の義務と使命に果敢に挑む、少年のお話を紹介しましょう☆
ロイド・アリグザンダーの「プリデイン物語」第二弾!
今回は、魔法の釜を求めてタランと仲間たちが探索の旅に赴く、
『タランと黒い魔法の釜』
を、ご紹介します☆
あなたが、親から自立できたと思ったのはいつごろですか?
一人暮らしを始めた時?
就職して自活できるようになった時?
それとも、結婚して自分の家庭を持った時でしょうか?
人も動物も、いつか親の庇護のもとを離れ、一人で生きていくことを学ばなければならない時がやってきます。生き物は、そうして初めて自分を見つめ、世界の中の自分に気が付いていくのです。
少年だったタランも、相変わらず「豚飼育補佐」の身分ではあるものの、老預言者ダルベンから、自分の剣を与えられるほどになりました。ただし、成長したから剣を渡されたのか、成長するために剣を渡されたのかは、微妙なところ☆
まだまだ、名誉や栄光を夢見る危なっかしい少年に変わりなく、女心にも鈍いタランは、今日もエイロヌイに怒られてばかり。
物語は、プリデインを守るドン一族の王子、前のお話でタランを助けてくれた、ギディオンが現れて、タランの住むカー・ダルベンで会議を開くところから始まります。
角の王の脅威は退けたものの、死の国の王、アローンの作り出す、不死の戦士に苦しむ人々。この現状を打破すべく、ギディオン王子が考え出した作戦は、果敢にもアローン自身の王国、アヌーブンを攻撃し、死者を戦士に蘇らせるという、黒い魔法の釜を奪って、打ち壊してしまおうというものでした!
アローンの本国に攻撃をかけることになるその戦いは、プリデインの各諸侯が参加する、大掛かりなものになると予想され、タランの師匠、老戦士コルを始め、吟遊詩人で一応王様のフルダー・フラム、妖精族のドーリなど、かつてのタランの仲間たちも参加します。
その戦いに加えてもらえることを知り、単純に喜ぶタラン。
しかし、それは、辛く苦しい自分との戦いが待っている、過酷な旅の始まりでもありました…
今回は、タランの精神的な成長、とくに、多くの決断と選択をせまられるシーンが見どころです♪
タランに大きな影響を与える、吟遊詩人の長、タリシエンの息子アダオン。
自分に正直に、律儀なまでに正しき道に従おうとし、彼の帰りを待つ婚約者を心から愛するアダオン。
また、功名心に取り付かれ、なんとか名を上げようとタランにライバル心を燃やす、北の国のペン・ラルカウ王の末子、エリディルもタランの成長に一役買います。
そして、モルヴァの沼地に住む、すべてを見通す力を持つ三人の魔女。オルデュ、オルウェン、オルゴクがタランに与える過酷な試練。
魔法の釜を打ち壊すために要求される、その代償。
大切な仲間を守り。大切な想い出を守り。名誉と誇りを守り切ることがはたしてできるのか?
決断を迫られ、悩むタラン。
いくたの戦に参加してきたアダオンは言います。
「血に染まった野よりも、よくたがやされた野のほうが名誉だ…」
今回も前作にまして、タランはもちろん、毛むくじゃらのガーギに、姿を消す小人のドーリ。放浪クセのある困った王様フルダー・フラムに、おしゃべりな王女エイロヌイなどの、個性的で魅力的ないつもの面々が大活躍!!
はたして、大袈裟なことを口にするたびに切れる、フルダー・フラムの竪琴はいったい何回切れるのか?
彼女を捕まえた敵将は、エイロヌイのおしゃべりを止めることができるのか(笑)
そして、老預言者ダルベンの幼少時代も明らかに?
個人的には、手柄にこだわるエリディル王子に感情移入しちゃって、何度もそのプライドに支えられた、弱い心に同情してしまいました。
きっと、今回は一番人気がなさそうなのも、かわいそう。
キディオンやダルベンの助けもなく、必死で仲間を引き連れ、危険な道にあえて飛び込むタランの苦悩。
楽な道はいくらでもあるのに、信じた道を進む決断。
後悔と迷い。
本当にこれでいいのか?
自分は間違ってやしないかという疑問がつねにつきまとい、葛藤する。
物語の中の出来事なのに、とっても身につまされてしまい、タランと一緒になって考えている自分がそこにいました♪
大人の世界でタランが見ることになる、裏切りや欲望。しかし、それでも彼は大人の世界に入っていくしかありません。
そして彼は知るのです。
確かに人間の心には邪悪なものや、弱さにつけいる誘惑が潜んでいる。
でも、それと同じくらい、いや、もっと多くの愛や喜びも、また、同じ人間の中で輝いていることを☆
そう、今日は一日、ダラ~と背骨の抜けている私ですが、きっとやる気と根性はどこかにあるはず。
明日からは頑張ります!
変われるからこそ、人間には希望がある♪
…これを希望的観測とひとは呼ぶそうですが(笑)
タランと仲間たちの物語。
きっと、あなたにも、何か大切な物を伝えてくれるはず。
ぜひ、本屋さんでみかけらた、手に取ってみて下さい☆
ロイド・アリグザンダー 著
神宮 輝夫 訳
評論社
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