私的図書館

本好き人の365日

一月の本棚 『ハリー・ポッターと賢者の石』

2009-01-11 03:42:00 | ハリー・ポッター
『ハリー・ポッター』ってどんな本なの?

何がそんなに面白いの?

そんな疑問を持たれている大人の方は多いことでしょう。
普段は本を読まない人でも、名前くらいは知っている、世界的なベストセラー。

発売日に書店に並ぶファンの姿は、社会現象としてニュースにも取り上げられ、映画化もされました。

それとも皆さんには、驚異的な売上げと、作者が手に入れたであろう多額の本の印税の方が気になるのかな?


「よいか、『石』はそんなにすばらしいものではないのじゃ。欲しいだけのお金と命だなんて! 大方の人間が何よりもまずこの二つを選んでしまうじゃろう…困ったことに………」


ダンブルドア校長の嘆きが聞こえてきそう…

『ハリー・ポッター』の魅力って、いったい何?

きっと世界中の子供たちは声をそろえてこう答えるでしょう♪

「そんなの読まなきゃわかんないよ☆」

ごもっとも。
深く賛同いたします。

しかし、世の中には、魔法だの魔法使いだのといったことに、まるっきりなじめない人々がいるのです。

本の中のおとぎ話が何になる?
そんなの”まともな大人”の読むような本じゃない。
それより、穴あけドリルの大口注文のほうがよっぽど重要だ。
そういうことこそ”まともな大人”の考えるべき事柄じゃないか!

ハリーが一緒に暮らしている、ダーズリーおじさんならきっとそう言うでしょう。
おっと、杖を下ろして!
そんな大人に出会ったからって、風船のようにふくらませてはいけません!(気持はわかりますけどね♪)

まあまあ、大目に見てあげて下さい。

何てったって彼らは”まだ読んでいない”のですから☆

では、今回は、お金持ちになることには興味があるけれど、小説なんて読むヒマはないというマグルの方に、そして、幸運にもこれから『ハリー・ポッター』に出会うかも知れない紳士淑女の皆さんに向けて、簡単にご紹介したと思います。

イギリスの作家、J・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ、その記念すべき第1弾。

『ハリー・ポッターと賢者の石』

です☆

ちなみに、「マグル」というには、魔法使いではない人間のことです♪

主人公、ハリー・ポッターは黒い髪に緑の目、眼鏡をかけた男の子。

もうすぐ11歳になるハリーは、唯一の親戚、ダーズリー一家と一緒に暮らしています。

といっても、ハリーの部屋は階段下の物置で、着るものといえば、いとこの男の子、ダドリーのお下がりばかり。ちょっと変わった特徴は、額に稲妻のような形の傷跡がうっすらとあること。

ハリーはまったく憶えていませんが、幼い時に自動車事故で両親が亡くなり、傷はその時にできたのだと聞かされました。
でも、詳しいことはわかりません。
「質問は許さない」、このペチュニアおばさんの言葉を守ることが、ダーズリー家で平穏無事に暮らすためには必要なのです。

しょっちゅうダドリーの顔面パンチが飛んでくるので、ボロボロになった眼鏡を引っ掛けているハリー。

学校でもダドリーの仲間ににらまれるので、ハリーに友達はいません。

こんな環境で育って、よくひねくれなかったなぁ、ハリー♪

やせっぽっちのハリーですが、根性はあります!
そして、ある日届くハリー宛の一通の手紙。
そこから、ハリー・ポッターの運命の歯車が、再び動き始めることになるのですが、実はこの手紙が一通ではないところが楽しいです☆

人間の目からは隠された魔法社会。
駅にはあるはずもないホームが存在し、紅色の列車が止まる。
小鬼の銀行。様々な魔法の道具、ふくろうまでも売っているダイアゴン横丁。
魔法学校の教科書に最新型の空飛ぶホウキ。

そして「ホグワーツ魔法魔術学校」!

杖をかざし、呪文を唱える。
魔法使いの社会ではハリーは有名人!!

コンピューターゲームがあったり、飛行機が飛んだりしている現代のイギリスに、魔法使いの社会が共存しているのも楽しいですが、なんといっても細かいところでの遊び心が嬉しい♪

ハリーの初めての友達、そして以後ずっとハリーの親友となるロン・ウィーズリー。
その少年のお母さんが、誰からもプレゼントなんてもらったことのなかったハリーに、自分の子供たちと同じ様に、愛情のこもったクリスマスプレゼントを贈ります。(ロンはそれが苦手みたい♪)

名付けて「ウィーズリー家特製セーター」☆

このお母さん大好き♪♪

魔法学校は全寮制で、生徒は各寮で共同生活を送ることになります。
上級生の監督生が下級生の面倒を見たり、その年の優秀だった寮に送られる「寮対抗杯」を競ったり。授業で活躍したら点数がもらえ、規則を破ればもちろん減点。

「グリフィンドールは十点減点!」

厳しい校則。
もう敵意を持っているとしか思えないくらいの先生がいたり、管理人や学校に住み着いているポルターガイスト(!)の目をかいくぐるために生徒たちが必死にあの手この手を考えたり♪

空飛ぶ箒(ホウキ)を使ったスポーツまであります。

生徒たちの憧れは、最新型高速箒”ニンバス2000”!

魔法学校の不思議な鏡の中で、初めて自分の両親の姿を見つけたハリーが、渇きを癒やすかのようにその姿を求めて通い詰める姿がとっても悲しい…

ハリー・ポッターが魔法使いの社会で有名なのは、名前を呼ぶのがはばかられるため「例のあの人」と呼ばれる人物のせい。

この人物との関係が、シリーズを通して描かれていきます。

かつて、「例のあの人」が唯一恐れたのが、現在のホグワーツの校長、偉大な魔法使いダンブルドア。

忍び寄る闇の気配も気になりますが、もちろん、それだけではなく、ハリーとロン、そしてもう一人の親友ハーマイオニー。仲間たちの成長も読みどころ☆

ハーマイオニーの両親はマグルですが、彼女自身はとっても優秀な魔女。
ちょっとお堅いのと、成績優秀で本の虫なところが、正反対なロンとよく衝突します♪

『賢者の石』というのは、いかなる金属をも黄金に変える力を持ち、不老不死の力を与える『命の水』の源になるといわれている物質。

その『石』を誰かが狙っている!?

幾重にも張り巡らされた魔法の防御をかいくぐり、ホグワーツの奥深くに隠されたはずの『石』にいま危機が迫る!!

その時ハリーたち3人がとった行動とは?

たくさんの子供たちや、多くの大人をも魅了した物語。

この一冊から始まった『ハリー・ポッター』シリーズは、全7巻で展開していきます。

「本を読む」という喜びを、世界中の子供たちにあたえてくれたJ・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ。
ぜひあなたにも、その喜びを味わってもらいたいなぁ~☆

どうしてこの物語が世界中で受け入れられ、こんなにも読まれたのか。
その答えは、この本の中に隠されています♪

ふと夜空を見上げた時、何かが月の前を横切ったら、それは箒に乗った魔法使いかも知れませんよ☆




















J・K・ローリング  著
松岡 佑子  訳
静山社


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