Il film del sogno

現実逃避の夢日記

悪人/君が踊る、夏/ナイト・トーキョー・デイ

2010-09-12 02:54:00 | 日記
9/11(土)晴れ
猛暑再び。8時前に起床。重い朝食を孤食して自転車で近所のシネコンヘ。1本目は主演女優が海外で大きな賞を獲った注目の邦画。原作は既読。う~ん、これは文句ない。年度必見の一本。腹の底からズンズンと突き上げるような骨太な作品。役者よし(主演二人は新境地、贔屓の満島ひかりは主役を食う好演、柄本・樹木の両ベテランは盤石、松尾スズキなど細かな脇役に至るまで素晴らしい)、シナリオよし(原作者と監督の共作)、九州を舞台にしたロケーションよし(美術も良いなぁと思ったらやはり種田陽平だった)。ただし、お話が暗いので落ち込むことは覚悟の上で鑑賞せねばなるまい。主演二人の逃避行が主題だが、閉鎖的な地域で鬱屈して暮らす人々に潜む狂気や悪意が容赦なく、これでもかと描かれて胸が潰れる思い。作中人物の怒りや焦燥、孤独が身につまされます。ケーキ喰ってるシーンで泣かされるとは思わなかった。映像の力が遺憾なく発揮された後半の20分は特に圧巻。ラストシーンも楽曲と併せ申し分なし。午後は高知を舞台にしたご当地邦画を梯子鑑賞。実話が基ネタらしいが取って付けたような類型的なストーリー。平坦な演出。見どころはラストのよさこい祭の乱舞くらいか。夕方からはいつものエクセサイズ。2キロの遠泳と水中歩行。夜は新宿へ出張り、武蔵野館のレイトで菊池凛子の新作を鑑賞。こちらも初日。されどガラガラ。ストーリーはどうでもいい。これはスペインの女流監督が東京の街をスケッチしたかっただけなのではないか。そもそもビデオ撮影で粒子の荒れた画像が映った段階で猛烈にテンションが下がった。あとはリアリティがない絵空事に欠伸を噛み殺すのに難儀をした。この女優はアカデミーノミネートの呪縛にこれからも苦しめられるであろう。監督は『死ぬまでにしたい10のこと』や『エレジー』で感心したイザベル・コイシェ。どんな名匠でも駄作を撮ることもある。口直しにカフェで時代小説を読んで定刻帰宅。
コメント
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