Il film del sogno

現実逃避の夢日記

百花

2022-09-10 20:22:30 | 映画
9/10(土)晴れ
夜半に降雨。朝には止んで晴れの一日。7:30起床。我が仔と散歩、ファミレスで朝食、シネコンで昨日から公開の邦画を鑑賞。10:50上映回はコロナシフトとはいえ4割超えの入り。20代からヒット作品に関与している映画プロデューサー川村元気による長編初監督作品。原作は同氏の同名小説(既読)で共同脚本も手掛けている。小説家としても『世界から猫が消えたなら』や『億男』の著作あり、映画化もされているが、大したマルチぶりである。40本を超えるフィルモグラフィーを眺めるとほぼ全編劇場鑑賞しているが、出来不出来は措いて興行的な失敗作はないのではないか。恐るべき高打率なり。本作は認知症を患う母親とトラウマを持つ息子の過去と現在が去来する暗くシリアスなお話である。計算された撮影技法と色調・トーンに開巻から引き込まれた。混濁する意識に夢遊する母親と愛憎に苦悩・葛藤する息子。贔屓の原田美枝子はキャリア最高の演技を更新。サスペンティックなモンタージュと細部(小道具、色彩、音響など)の使い方に唸った。原作と変えたラストが少し弱いが、まぁ瑕瑾である。文才もある監督のシネフィルぶりも窺える。これは映画でしか成し得ない感銘であり余韻である。帰宅して我が仔と炎天下を散歩。日陰に入れば湿度もなく快適。夜は窓外の見事な中秋の名月を横目にひたすら読書。

コメント
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