マーティン・スコセッシがディカプリオ主演で3作撮るぞと宣言した3本目。果たしてこの2人のタッグは正しかったのか?
「アビエイター」「ディパーテッド」は、そこそこノミネートや受賞もあったけど、私はこの2人は、合わないような気がする。スコセッシの映画には、もっと男くさい俳優の方が合うと思う。
だから、3本終わって、ホッとしてる。
今回は、「謎解き映画」とうたっていて、本編の前に「(イラストを見せられて)これは目の錯覚だから、映画の中の視線や手の動きに気を付けましょう」とか「ラストは人に話すな」と余計な映像を見せられるが、違うじゃん。謎解き映画じゃ無いじゃん。ただの妄想映画じゃん。
だから主人公は最初に水を嫌がるのか、とか、チャックが銃を渡す時うまくはずせなかったのかとか、多少は後から「あ~あ」と思うシーンがあるけど、そんなのちょっとだから、パズルのピースがピタッと合う心地良さもなく、「じゃあもう一度みたい!」とは思わない。
この映画は主人公の妄想の原因がだんだん明らかになってくる心理モノで、2時間以上飽きさせないで見させる映画です。
スコセッシにこの原作は合わないけど。
人間同士が醜く殺しあうユダヤ人収容所の話は本当だったかもしれないし、あんな家族の悲劇を体験したら、おかしくなるのが普通じゃん。最後に正気に戻ったら、嫌になって、自らロボトミー手術を選択してしまう主人公・・・。
なんで、これを、あんな宣伝方法で売るんだ?
しかも、これが今週第一位(おまけに二位が「第9地区」)。17日からだからなあ。大作公開は。