「ピーヒョロロロロ…」と雨が上がった夕方、
庭先にいたら近くでトビの鳴く声が聞こえてきました。
周りを見渡すと20mぐらい先の電柱で一休みしていました。

鷹の中では大型種に属し身体の割には大人しい性格です。
カラスの群れに追いかけられることも時々見ます。
弁当などを狙うことからあまりいい印象が持てないかもしれません。
ただカラスとは違いトビは「生きているもの」を襲わない習性があるため、
小動物の死骸やゴミを食べてくれ「森の掃除屋」呼ばれています。

(この写真はネットからお借りしました)
「ピーヒョロロロロ…」とトビの鳴き声には特徴がありますね。
日本の民話にこんなのがありました。
“ むかしむかし、息子がとてもひねくれ者のトビの親子がいました。
どれくらいひねくれ者かと言うと、
父親が 「雨が降るから、家の戸を閉めてくれ」 と言えば家の戸を全開に開けるし、
「そこの白い物を取ってくれ」 と言えばわざと黒い物を取ってくるのです。
そんな息子に苦労したトビの父親は、
やがて重い病気になりあと数日の命となってしまいました。
(おれの人生は苦労の連続だったが、もうすぐそれも終わりだ。
せめて死んだ後は安らかにちゃんとした墓で眠りたいものだ。
しかし、ちゃんとした墓に入りたいと言っても、
あのひねくれ息子じゃあ反対に死んだおれを海に投げ捨てるかもしれん。
まてよ、それなら反対の事をお願いすればいいんだ)
そう考えた父親は自分が死ぬ間際になると息子にこう言いました。
「息子よ。おれの遺言を良く聞け。
おれが死んだら決してちゃんとした墓に入れるなよ。
ちゃんとした墓に入れず海にでも投げ捨ててくれたらいいからな」
さて間もなく父親が死んでしまうと、
トビの息子は今までの親不孝を大変恥ずかしく思いました。
「おれがひねくれ者で親父に苦労をかけてきたから親父は早死にをしてしまったのだ。
親父、すまなかったな。せめて遺言ぐらいちゃんとかなえてやるからな」
そして息子は父親の言葉通り、
父親の亡きがらをちゃんとした墓には入れずに海へと投げ捨てたのです。
さてその時死んだと思われていた父親はまだわずかに生きていて、
海の中から父親の最後の言葉が聞こえてきたのです。
「・・・塩からいよー。・・・塩からいよー」
それを聞いた息子も海の上を飛び回りながら父親の言葉を真似しました。
「塩からいよー。塩からいよー」
この時からトビの鳴き声は『塩からいよー』となり、
それが変化して今では『ぴーひょろろー』と鳴くようになったそうです。”
< 梅雨空に親思う鳶の鳴き声 >