今日は一日「医学的雪かき」をしてきました。
1日献血の問診係。誰にでもできる簡単な仕事です。
例えば献血前の問診で常用薬の確認をするのも仕事の1つ。
「ちょっと待ってください、確認しますので」と冊子を開こうとすると
「さっき受付で大丈夫って言われました」
「・・・。じゃあOKです」
他の仕事と言えば血圧を自動血圧計で測って記入すること、
「元気ですか~?」と聞くことくらい。
免許はおろか専門知識も何も全く要らない仕事です。
事務作業としてもほとんどイレギュラーはないので楽。
責任問題になるから医者がいなければいけないだけというだけの話です。
向上もなければ発展もない。悪く言えばそんな仕事です。
でもそれにもかかわらずアルバイト料はいいんですよね。
週5で同じ仕事があったとすれば、
週7で出勤している今の病院の給料より確実に多くなる計算です。
なんか納得いきませんが。
やはり外科は脱落者が多い専門課程のようです。
いつも逃げ出すことばかり考えている僕ですが、
限界に達したら本気でその後のことを考えないといけないと思うようになってきました。
・・・そのほとんどは、同業者に後ろ指さされかねないような仕事なんだろうけど。
「ところで菜食主義の猫とネズミが出会った話を知っているか?」
「知らない」
「聞きたいか?」
「とても」
「1匹のネズミが屋根裏で、大きな雄猫に出くわした。
ネズミは逃げ場のない片隅に追いつめられた。
ネズミは震えながら言った、
『猫さんお願いです。私を食べないで下さい。
家族のところに帰らなくちゃならないんです。
子供たちがお腹をすかせて待っています。どうか見逃して下さい』。
猫は言った、『心配しなくていいよ。おまえを食べたりしない。
実を言うと、大きな声じゃ言えないが、俺は菜食主義なんだ。
肉はいっさい食べない。だから俺に出会ったのは、幸運だったよ』。
ネズミはいった、『ああ、なんて素晴らしい日なんだろう。
なんてぼくは幸運なネズミなんだろう。
菜食主義の猫さんに出会うなんて』。
しかし次の瞬間、猫はネズミに襲いかかり、
爪でしっかりと身体を押さえつけ、鋭い歯をその喉に食い込ませた。
ネズミは苦しみながら最後の息で猫に尋ねた、
『だって、あなたは菜食主義で肉はいっさい食べないって言ったじゃありませんか。
あれは嘘だったんですか』。
猫は舌なめずりをしながら言った、
『ああ、俺は肉は食べないよ。そいつは嘘じゃない。
だからおまえをくわえて連れて帰って、レタスと交換するんだ』」
青豆は少し考えた。「その話のポイントは何なの?」
「ポイントはとくにない。
さっき幸運の話が出たから、ふとこの話を思い出したんだ。
ただそれだけだよ。もちろんポイントを見つけるのはあんたの自由だけどな」
「心温まる話」
1Q84 BOOK2より引用