風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

相手は人間だから

2022-03-30 21:06:24 | Weblog

野生のオシドリ。長望遠レンズで撮ったので画質がやや粗いです。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

無条件にお医者様と言われて敬われるような時代ではなくなりました。

外来の待ち時間が長すぎると患者に文句を言われたり、なぜかけんか腰で接されたりすることは少なくありません。

病院の待ち時間は長いく、確かに申し訳ないところはあります。

たけど、一時の感情に任せて暴言を吐く人たちは結果的に自分が損していることを知りません。

 

こちらも人間なので、けんか腰で来られたら不快な気持ちになります。

当然感情は押し殺しますが、その患者に対する心象は急降下します。

そんな人に心を込めたサービスを提供しようという気持ちはなくなります。

どんな相手だろうと最低限のサービスは提供します。

ただ、彼らは数値に現れないところで損しているのを自覚したほうがいいと思います。

そういう人たちには優しくなれません。

 

この前、車を買いました。

販売店で担当してくれたのは大学卒業間もない若い女の子でした。

経験不足のために不手際な点はなくはなかったけれど、こちらからすると十分及第点な対応をしてくれました。

押しつけがましくなかったところがよかったです。

納車の際、アンケートを求められました。

全て最高評価でほめちぎっておきました。

客観的な評価としては普通ですが、そうしておけば彼女もうれしいし、

今後より親切な対応しようという気になると思います。

打算的な行動といえばそれまでですが、そうすることで皆が幸せなんだからいいですよね?

実際、中年太りした初老のおじさんに担当してもらうより

若い女の子に対応してもらう方がよかったのは確かですし。笑

 

そんな簡単なことに気づいたのは実は最近のことです。

お世辞をいうというのも社会人として必要なスキルなんでしょう。

そちらはいまだに上手にできませんが、非言語的お世辞が使えるようになったことに気が付きました。

年を取ったものだと感じます。笑

 

世の中は相手への配慮から生まれる嘘であふれています。

お世辞を文面通り受け取ってはいけません。

相手がどういう気持ちでいるのか、よくよく考えないといけません。

いい大人なら、そんなこと言われなくても分かってほしいものです。


受けた恩義

2022-03-26 20:11:10 | Weblog

焚火って、いいですよね。

落ち葉を燃やすのも難しい現代では、キャンプが唯一焚火を楽める場となりつつあります。

 

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

 

昔から、受けた恩義には報いたいと思っています。

この人には良くしてもらった、親切にしてもらったと思ったら

いつかそのお礼をしなければいけないと感じながら生きています。

 

最近、勤務中にひどい頭痛に悩まされて医局で苦しんでいるとき

事務のおばちゃんが心配してくれて栄養ドリンクとココアをくれました。

「温かいものでも飲んで少し休んだらどうですか?」と優しい言葉をかけてくれました。

しんどい時に優しくされるとうれしいですよね。

自分でも不思議なんですが、僕の中では恩返しをしないといけない人とそうでない人はきっぱり分かれます。

その人もその時、恩返ししなきゃいけない人リストに加わりました。

 

ところが、この間、3月で退職するのだとその人に挨拶されました。

現実的にはその人に何か恩返しできるようなことはありません。

せいぜい事務が担当している書類などを滞りなく作成して、

なるべく負担をかけないようにすることくらいです。

だからその人が辞めなくても、恩返しする機会なんてありません。

じゃあ、何をすればよかったのか。

あの時はありがとうございましたと挨拶に行くこと?

…そんな甲斐性も僕にはありません。

 

もともと仕事上の直接的な接点はないので、寂しいという気持ちはありません。

ただ、やらなければやらないことをやりそびれたまま、

その機会を逸してしまったという後悔に近い気持ちがあります。

 

僕が恩を返さなければいけないリストに登録している人はたくさんいます。

このようなささやかなエピソードでリストに載るくらいなので。

そして、そのほとんどは今後会う機会がどれだけあるか分からない人たちです。

良くしてもらったことへのお礼をしたい。

その気持ちだけが残って少しずつ風化していずれは消えてしまいます。

ぼんやりとしたやらなければならいことをやり残した悔しさだけ心に残ります。

 

というわけで、僕に優しく接した記憶のある人は、困ったときに僕をぜひ頼ってください。

自分のできる範疇で最大限に力になりたいと考えています。