風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

お通夜の時にはこの曲を。

2010-08-24 17:58:43 | Weblog
この週末は地元に帰省していました。

やらないといけないこと・やりたいことが山積みなので
あまりゆっくりするわけにもいかず、早々に岡山に戻ってきましたが。


でもやっぱり地元ってほっとしますね。

退職して以来時が止まっているかのようなかつての小学校の先生をお見かけしたり、
父と弟と釣りに行ったり(小さなサバがたくさん釣れた!)、
顔を見ると無条件に喜んでくれる犬と遊んだり・・。


帰省した時は顔を見せるように言われていたので、
バイオリンの先生のところにもお邪魔してきました。

毎回色々な話を聞かせてくれますが、今回聞いた話は初耳でした。
それは「お通夜にかけてもらう音楽」の話。

かつて心筋梗塞で倒れ、死を覚悟した時には
病室で大音量の「大地の歌」を聴き続けていたそうですが、
今は趣味が変わり、お通夜の時には「ローエングリン」(抜粋?)をかけてもらいたいのだと。

どの部分かと聞いてもきっと知らないのでそれ以上は聞きませんでしたが、
頭に浮かんできた「第3幕への前奏曲」がお通夜で流されている状況を想像して
あまりの違和感に一人笑ってしまいました。

それはいくらなんでもお通夜の音楽じゃない 笑

バイオリンよりもむしろ歌が好きな人なので、どこか歌の箇所だろうとは思いますけどね。




「パン屋再襲撃」に出てきたワグネリアンのパン屋さんをふと思い出しました。

パンをやる代わりにワーグナーのLPを聞けと要求するパン屋…
奇妙だけど、そのくらいならいても不思議じゃない気がします。


 

最後におまけ。



かつて我が家の家庭菜園だった場所に自生するウコン。
この南洋系の植物全部そうです。

これぞウコンの力…

「言葉が愛情をうすめる」

2010-08-19 15:21:07 | Weblog
星新一の小説に、言葉を使わずに少女を育てる話があります。
ボッコちゃんに収録されている「月の光」というショートショートです。

ある男が捨てられていた少女を自分の家に軟禁し、言葉を一切使わずに育てます。
なぜ言葉を使わなかったかというと、その男は言葉を害悪だと考えていたから。

その男は言います。

「言葉が愛情をうすめる」

言葉を知らないその少女には「世の中の醜いことは何一つしみ込んでいない」と。


一応断っておきますが、あくまでも寓話です。
現実的にはそんな非人道的なことが許されるはずがありません。

あまりに非現実的な設定ではありますが、
そこに込められたメッセージにはなかなか興味深いものがあると思うんです。


言語がなければ文化などの発展はありえないし、
そもそも考えることすらできなくなります。

だけど、言葉を使うことの弊害も間違いなくあります。
普段それを意識することがないだけで。


言葉を使うとき、その裏に隠されたメッセージも読まなければいけないし、
含みがある場合、それにきづかなければトラブルになりかねません。
 

言葉を使う生活に疲れた時、ふとこの話を思い出します。


言葉がない生活。
それはもちろん実現不可能なものだけど、ちょっと憧れます。
よくわからなかったんだけど、ルルーシュの両親が望んだのはそういう世界?


ちなみにこの話の結末は…あえて伏せておきます(笑
興味をもたれた方は調べてみてください。

こんな問題が出る。

2010-08-17 15:49:13 | Weblog
総合外来における医師と患者の会話を示す。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

医師:「今日はどうされましたか」

患者:「咳が続くんです」

医師:「そうですか。では、症状について詳しく教えていただけますか」

患者:「5日前に喉が痛くて微熱があり、翌日から咳が出るようになりました。
    市販の風邪薬を飲んで様子を見ていたら、2日後には熱も下がり、
    のどの痛みも治まったので昨日から仕事には出ているのですが、
    咳はずっととづいています」

医師:「なるほど。それでどうなりましたか」

患者:「昼はそれほどつらくはないのですが、夜になると少し咳が増える気がします。
    ちょっと長いので、もしかしたら肺炎にでもなっているのではないかと心配で
    今日病院に来ました」

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 


この後の医師の発言として最も適切なものはどれか。


a 「その心配はありませんから安心してください」

b 「現在は咳以外に何かお困りの症状はありませんか」

c 「肺炎を起こしているのではないかと心配なのですね」

d 「では、さっそく胸部エックス線の検査をしましょう」

e 「つらい中でよくここまで仕事を続けてこられましたね」
 

(104F-27)

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

前回の医師国家試験より抜粋。

さあ、正解はどれでしょう?笑

牡丹灯籠

2010-08-17 02:55:09 | Weblog
昨日の深夜、NHKで百物語をやっていました。

俳優がさまざまな怖い話を音読するというシンプルな形式でしたが、
それがかえって想像を掻き立て、なかなか趣がありました。

僕はホラーにはあまり興味はありませんが、幼いころから「怖い話」は好きです。
つい最近も柳田國男の「遠野物語」の文庫を見かけて、買ってしまいました。
古典嫌いなので文語調なのがしんどかったけれど、頑張りました(笑

妖怪が出てくるという点で、芥川の「河童」も割と好きです。
方向性は全く違いますけどね。


昨日の番組を見て、長い間ずっと引っかかっていたことが分かってすっきりしました。

侍のもとに若い女とその女中が夜な夜な訪ねて逢瀬を重ねるが、
その女らの正体は実は死人で最終的に侍は殺されてしまう怪談。

内容はおぼろげに覚えていたんですが、
タイトルとか出典が全く分からなくて気になっていたんです。
雨月物語…?今昔物語集…?
ネットで検索書ける程度には調べてみたんですが、結局わからずじまいでした。

昨日ようやく判明した怪談のタイトルは「牡丹灯籠」。

元は中国の小説だったけれど、日本語に直されてからはすっかり有名になって
今じゃ日本三大怪談の一つにまでなっているんだとか。

カランコロンと下駄の音を響かせてやってくる幽霊というのが中国的なんだそうですが、
そういうのってなかなか興味深くありません?


NHKの深夜番組のおかげですっきりした…というただそれだけの話でした。


― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

以下は関係者向けの話です。
(このことだけを一つの記事にするのは何か抵抗があったので
さりげなく下のほうに追記しておきます)

OBオケ、お疲れさまでした。
中でも運営にかかわった方々、ありがとうございました。
あれだけの人数を動員して演奏会を実現させるのはさぞ大変だっただろうと思います。
本当にご苦労様でした。
あと、現役のみんなものんびりしたいときだったろうに頑張ってくれてありがとう。

 
オケで弾くことももうないかなとか
岡大オケとの距離も一層遠のくなと思うとちょっとさびしいです(笑

自分の中では、岡大オケに関する行事もこれで終わり。
入学してからまだそんなに経っていないような気がするのに、もう6年目なんですよね。
それだけの時間が与えられていたのに、大して上手くなれないまま終わってしまいました。
センスも情熱も足りなかったんだろうけど、悔しいなぁ。。

でもまぁ、楽しい日々だったのは確かです。
みんな、ありがとう。

進路

2010-08-05 00:03:56 | Weblog
マッチング(研修医と病院のお見合いみたいなもの)の
日程を確認しておこうと学内の掲示板を何気なく見た時のこと。


受けなくてもいいけど、受けたほうがいい大学院の入試の出願期間が
・・・あれ、今週になってる。


いやー・・驚いた。

(そういう大切なことはもっと早く調べておけよと自分でも思う)

急いで募集要項をもらってきました。
出願するのに何が必要なんだろう・・ふむふむ・・

「出願を希望する方は、予め当該専攻分野の指導教授と面談し、
博士課程入学後の研究・教育及び終了後の進路について相談してください」



教授面談なんてものが必要なのか・・
このぎりぎりのタイミング(金曜までに願書を出さないといけない)だと
嫌な顔されても仕方ないな。

そんな不安を抱きつつ医局に電話したら、
さっそく今日面談することになり、行ってきました。

なぜか部活やら出身高校の話に始まって、15分で面談終了。

出願するにあたって大きな問題はなさそうなので、
受かれば来年からも「学生」を続けることになりそうです。


まぁ国試に落ちたら、学生でも社会人でもなく、
ニートですらもない宙ぶらりんの生活が待っているわけですが。




ちなみに、その大学院の講座は「消化器・腫瘍外科」…古い言い方で「第一外科」。

ここで大学院に入ってしまえば、実質入局したようなもので、
外科医を目指すしかなくなります。
 

・・・正直、自分は外科に向いてないと思っているんですよね。

なのになんでこんな状況になってしまったのやら・・自分でも不思議です。
決して後悔はしていないけれど、なんだか変な気分です。

僕のような外科医っぽくない外科医がいてもいいと周囲が言ってくれるのがせめてもの救い。笑



モラトリアムを終えようとする人間は、
多かれ少なかれこういう不安にかられるものなんでしょうかね?

ボタンを掛け違えてしまったかのような落ち着かない感じがしています。

夜としまなみを越えて

2010-08-01 17:20:14 | Weblog
木曜日の深夜、そうだ…今から実家に帰ろうと思い立った。

理由は特にない。
強いていうなら、運動不足に欲求不満を募らせていたことと、
新聞代を払って身軽な気分になっていたことがあげられるけど。


そういうわけで、30日(金曜日)午前1:00に岡山を発った。

鴨方あたりでボケてもない植え込みにつっこんだ。
(過去にも近くの植え込みに突っ込んだ経験あり・・)

福山では歩道に入ろうとして失敗し、横転。(午前4:00ごろ)
仰向けのまましばらく道端に転がっていようかとも思ったけど、
誰かに心配されて話しかけられるのも面倒くさいので、すぐに再出発。

尾道に入ったのは午前5時ごろ。
70kmを4時間で来た。いいペース。
この調子なら昼時に家に帰りつけるんじゃないかなんて思い始めていた。


どこかに座って休みたかったけど、
尾道駅周辺まで行くと回り道してしまうことになるので、
泣く泣くそのまま橋を渡ることにした。

ちなみに、尾道からしまなみ海道に自転車で入る場合、
フェリーを使うことが推奨されている。
だけど、10円で1つ目の島に渡る非公式ルートがある。実は。



なぜ非公式かと言うと、橋に自転車が通れるだけの幅がないから。(つまり危険ってこと)
でも一応、自転車で橋を渡る場合の通行料は10円と定められている。

フェリーの運賃のほうが当然高いだろうし、時間的にもまだ運航していないだろうと思い、
迷わずこちらの橋を選択。しまなみに入った。

そこからはひたすらこいだ。

だけど、太陽の高度があがるに従って体力も削がれ始める。
急がなくては・・と少し焦りを感じ始めた。


しまなみ海道の真ん中、大三島の道の駅についたのが朝9:00だった。
120kmの行程を8時間。順調だった。
そこで1時間ほど休憩。




そこで売られていた地ビール。
とても喉が渇いていたので、まさに喉から手が出るほど飲みたかったけど、
残りの道のりがまだ80kmあることを考えて我慢。

後から考えてこれは賢明な選択だったと思う・・



お土産店ではいろいろなものが売られていた。



いつ「タルト」が愛媛のご当地キャラクターになったんだ・・




▲みかんリキュール。
パッケージも凝っているし、見た目もかわいい。
高いのが唯一の難か・・(350ml、7~8%、1050円)




▲みかんジュース。

普通のミカンジュースは500mlで210円。
ちょっと変わった品種から作ったものは260円。
ここでしか買えないと思えば許せない値段ではない?

結局260円のジュースを購入。
濃厚で酸味も強く、万人受けしない味ではあったが美味しかった。
なんだか元気が出た(笑






水槽を眺めるのは小さいころから好き。



▲じゃこ天

売店でじゃこ天を購入。
名物ヒラメ入りじゃこ天を食べたかったけど、残念ながら開店と同時に売り切れ・・なぜだ。
だからこれは普通のじゃこ天。


少し元気を取り戻して再出発した。



ちなみに、ここからは写真は一切ない。
疲弊しきって写真を撮る余裕がなくなったから(笑



今治市街に入ったのは2時間後、ちょうど午後0時ごろだった。
座りたかったのでファーストフード店を探して入るも、
子供であふれていたので、そこで食べるのはあきらめた。

しかたないので、コンビニでカロリーメイト購入。

すれ違った自転車乗りの人がこぎながら食べているのを見たので真似したのだが、
しばらくしてから気持ち悪くなった。もう二度としない…(笑



今治から北条、松山にかけての道は地獄だった。


寝ずに自転車を半日こぎ続けて疲労がたまっているし、
一日で一番暑い時間帯だったのに道には日影が全くない、
さらに悪いことに、つねに向かい風が吹いているという三重苦。

死にそうな顔をしながら、炎天下のサイクリングを続けた
いつまでたっても松山まで○kmの数字が減っていかない・・


そして、そのタイミングで8月1日にOBオケのパート練習があったことを思い出す。
もう1日ある練習日は面接があってほとんど参加できないから、
1日の練習を休むわけにはいかない。
そして、岡山愛媛間で片道15~20時間かかることを考えると、
家に帰るなり即座にUターンしないと間に合わない・・




・・・絶望した orz



ゴールまであと40kmだったのが、急に240kmになってしまった。
なんて無計画に家を飛び出してしまったんだ・・

去年48時間内に岡山愛媛間を往復するという荒業をしたが、
今回はそのときよりも時間制限が厳しい。
しかも今年は去年よりも暑く、体力の消耗が激しすぎる・・


それに気づいたとき、速度はさらに落ちた・・。


そこからは何も考えずひたすらこいだ。無心に。
おそらく、世の中のすべてのものが憎い・・というような必死の形相だったと思う。笑
あまりにしんどかったから。




そして、午後5時に家に着いた。
岡山を出発してから16時間。距離はおよそ200km。

・・いつもながら体力的にというよりも精神的に苦しい帰省だった。




そして、結局岡山へは電車で帰った。
自転車は袋に入れて手荷物として運んだ。
後から考えればいくらでも対処方法はあったんだけど、余裕がないと頭も働かないもの…

自分があんなに苦労して帰った距離を
わずか3時間でつないでしまうのだから、やっぱり電車ってすごい。
妙な所に感心してしまった。


ただ、電車を使ってしまったことで若干の心残りがある・・

今度また自転車のみで往復しよう。

 




・・・みんな、僕が国試に落ちたら笑ってくれ。