風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

パイナップルはお好き?

2010-11-26 23:51:06 | Weblog
ことの発端はこの前やった野郎鍋(闇鍋)のときのこと。

例によって、
鍋に入れれば吐き気催すことになるのが想像に難くないものが多々入っていたわけですが
その中でも特に悪評高かったのがパイナップル。

細かく刻んだ身をふんだんに投入するだけでなく、
大きな皮をそのまま放り込んだので、
舌にも目にも優しい鍋となりました。

T●Mの過剰な遊び心が事態を悪化させたのは否めません。

でも、本来パイナップルは料理に使っても問題のない食材では…?


一番メジャーなところでいえば酢豚。
酢豚に入っているパイナップルを嫌う人も多いけれど、
少なくともそこまで奇妙な取り合わせではないと思います。

含まれている酵素が肉を軟らかくするという話はよく耳にしますよね。



お気に入りの短編集「カンガルー日和」の中の
「バート・バカラックはお好き?」という小説に
パイナップルを使った料理が出てきます。

「世の中というのは奇妙な場所です。
僕が本当に求めているのはごくあたりまえのハンバーグ・ステーキなのに、
それがある時にはパイナップル抜きのハワイ風ハンバーグ・ステーキという形でしか
もたらされないのです。」

この文章の説明は割愛するとして、
注目すべきはパイナップルが料理に使われている点。

実際の「ハワイ風」がどういうものか分かりませんが、
小説の中では「普通のハンバーグにパイナップルが乗ったもの」という設定になっていました。

はたして、その状態からパイナップルを取り除いたものは
「ありきたりのハンバーグ」と同じ味になるのか・・

パイナップルははたしてどういう影響を与えるのか。

気になったので、実際に検証してみることにしました。







結論。

「ハワイ風ハンバーグ・ステーキのパイナップル抜き」は
「ありきたりのハンバーグ・ステーキ」よりも美味しい。

表面のカリッとした硬さは残しつつも、全体的に軟らかく焼きあがりました。
これが噂の酵素効果でしょうか。
また、パイナップルの果汁の酸味が適度にアクセントになり、
一ランク上の味になっていました。

ただし。

肉の風味のついた温かいパイナップルは微妙な味でした・・。
まずいとは言わないまでも、
冷たい非加熱の状態のもののほうがはるかにおいしいです。


まとめ。

パイナップルは肉料理を美味しくするが、パイナップル自身はまずくなる。
ハンバーグを焼くときにあえて使わなくてもいいかな・・という結論に達しました。

 


とはいえ、主役を立てて、自身はすっと後ろに身をひく
健気な名脇役だということは分かりました。

酢豚の中に見つけた時はその頑張りを評価してあげてください(笑

愛着

2010-11-25 23:44:28 | Weblog
昨日、実習斑の卒試終了記念打ち上げをしました。

なぜかずっとフェチとか熟女の定義について語る会になってしまったけど、
あういう無害なネタで盛り上げれるのはいいなと思いました(笑

制服フェチとかうなじフェチとかとか色々あったけど、
下腿フェチなんてアブノーマルなことを言い始める人が出るのも医学生ならでは?
(L4万歳!らしい 笑)

でも既婚者が「最近街歩いててさ~」と語り始めるのはちょっと聞きたくなかった(笑

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― 

昨日、ママチャリの前輪がパンクしてしまっていたので修理してもらいに行きました。

ロードバイクはもちろん大切にしていますが、
それまで乗っていた自転車にも劣らないくらいの愛着を持っています。
実家までの遠乗りにも耐えてくれた、いわば「戦友」ですしね。

パンクしてしまっていた前輪はタイヤ交換しなければならず、
ついでにびりびりに破けてしまっていたサドルも替えてもらいました。
計3000円。

この自転車に費やした修理費を合計すれば、
おそらく安い中古自転車なら2台は買えるくらいの額になります。
でもそうしようと思ったことはありません。

経済的という理由だけで捨ててしまうのはなんだか忍びないです。
少々高くついても、僕はぼろくても愛着のある自転車を選びます(笑


直してもらっているのを見ながら、
自転車の修理と医療って似てるところがあるよなぁと思いました。
劣化して機能を果たせなくなった部分を交換する点とか
メーカーによる互換性の問題とHLA抗原の問題とか。

自転車の修理してくれる兄ちゃんにいつも好感が持てるのは
ある種の同族意識なのかなと思ったり思わなかったり。

あまりのぼろぼろ加減に、買って6年だというと苦笑されました。
雨をしのげる駐輪場がないから仕方ないんだよ・・


見た目にはだいぶガタがきている自転車ですが、
もうちょっと頑張ってもらおうと思っています。

n分の1

2010-11-17 23:53:39 | Weblog


恥ずかしい話ですが、正しく生きられると思っていたころもありました。
今ではそれが途方もなく難しいことを知っているので、
せめてフェアに生きていきたいと思っています。
もちろん、それもかなり難しいことに違いはありませんけどね。

誕生日につけてそういうことを思うようになるなんて、我ながらおっさんくさいです。


ある短編小説に、人生の折り返し地点を30歳と考える男が出てきます。

特に面白いわけではなかったけれど、強い印象を残していったのは確かです。
じゃあ、僕は一体人生の何分の一を生きたんだろうかと時に考えるから。
3分の1…2分の1…もしかしたらもうほとんど終えてしまったのかもしれないな、って。

生の実感を得るのは難しい。

ある意味で傲慢な考えですが、とりあえずひとつの事実ではあります。

「JIN」を読んだ

2010-11-14 04:28:43 | Weblog

キムチ鍋にカキを入れるのって普通ですよね?

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勉強室に漫画「JIN」が置いてあったので、
何気なく手に取ってみたら読みふけってしまいました。
ドラマもヒットしただけあって面白いですね。


これまでにもいくつか医療ネタの漫画を読みましたが、
共通するパターンがあることに気がつきました。

例えば、緊張性気胸が必ず出てくること。
メジャーな致死的救急疾患の一つだから、よく出てくることに違和感はないけれど
・・・ボールペン、重宝されすぎじゃね?

あと焼酎も 笑

患者の胸にボールペンを突き刺す絵をどうしてそんなに欲しがるんだ・・
(漫画の医龍はエロ路線だった気がしないでもない)


あと、船の上での手術っていうのもよくありますよね。

揺れて手元が狂う危険があるのはもちろん、
十分な器具が揃っていなかったり、応援を呼んだりすることもできないという悪条件。
極限状態でドラマチックであるのは間違いないけど、そろそろ使い古し感があるような。

手術中は大丈夫なのに、終わってから執刀医が船酔いに苦しむのもお約束ですよね(笑


シナリオ的にも同じような構図がしばしば見られます。

例えば、最初は敵対視していた人(及びその関係者)に治療を施して仲良くなるパターン。
まぁこれはこの手の漫画においては必要不可欠な要素かな?


でもなんといっても最も突っ込むべきところは主人公の医者の万能人的能力。
ブラックジャックに始まり、すべての漫画の主人公は例外なくスーパーマン。

どんな臓器でも手術できちゃう点はまだ可能性があるにしても、
江戸時代でペニシリン合成に成功して敗血症まで治してしまうっていうのはさすがに…。


僕には到底そんな能力はないので、
仮に江戸時代にタイムスリップしても、もてそうにありません。

・・残念ながら(笑

 
さんざんケチをつけましたが、こういう漫画好きです。
出てくるのはメジャーな疾患ばかりなので、多少は勉強(?)にもなりますしね(笑



ただ、JINの中で一つだけ気になったシーンがありました。
佐久間象山の血液型が分からないから輸血できないというシーン。

血液を集めてきてCoombs試験すれば、
とりあえず輸血可能かどうかは分かったんじゃ?

まぁ現役の医者が監修しているはずなので、
間違ってるのは多分僕のほうなんでしょうが・・。




そうしてすっかり夜型生活。

聞いた話ではこういう人間は国試に落ちやすいらしい・・・あらら。