風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

屑なりの処世術

2014-11-24 18:55:30 | Weblog

外病院の当直のお供に東野圭吾の文庫を買って行きました。

「パラドックス13」

ジャンルとしてはSFとサバイバルもの。

東野圭吾は気楽に読めて面白いので好きです。
個人的に好きなサバイバルの要素も含んでいて面白かったです。
数時間かけて一気に読みました。


普段、嘘で塗り固めた生活を送っています。

脱したいとは思っているけど、できる気がしません。
だからか、極限状態で本音しか存在しない世界ってどんな感じなのか興味があります。

嘘をつきながら生きていくのはストレスフルだけど、
本音だけの世界で生きていくというのはもっとストレスフルなんでしょうね。

そもそも嘘の定義も難しい。

「優しくなくなった」と言われたのは事実として優しくなくなったのか、
単に優しいふりができなくなっただけなのか。
自分のことなのに嘘かどうかもわからない。

お世辞を言うのは簡単なんです。

「きれいだね」

「かわいいよ」

「よく似合ってる」

ほんの少しでもそういう風に思ったのであれば、それを拡大して言葉にすればいいだけ。
全くそう思わないのだったらそれは嘘になるけど、大げさに表現することには何の罪もない。

一方で自分の気持ちは絶対に言わない。好きだとか多分もう一生言わない。
申し訳ないとは思うけど、利己的な屑にはそういう生き方しかできないようです。


誕生日の夜、飲み屋で出会った初対面のおじさんに自家製ケーキをごちそうしてもらった話

2014-11-20 21:41:45 | Weblog

28歳の誕生日はなんだか盛りだくさんだった。

facebookでは誕生日非公開にしているのにブタヲさんからお祝いメッセージが届いた。
ありがたいことだけど、なぜ分かったんだろう。

同日、第2回病院演奏会を開催した。(別に意図的にかぶせたわけじゃないよ?)

自分の実力を省みず、かなり上手な後輩とチャルダッシュを弾いて大コケ
(実力に格差があると、こういうときとてもつらい)。
某親友の結婚式で弾きたいと思ってやってみたけど、僕には荷が勝ちすぎるかな。

打ち上げはその後輩が選んだタパスで粛々と行った。
でも、途中参加のサザンはそれでは飲み足りなかったらしい。

「きいさんたちが近くで飲んでるみたいなんですが、行きませんか?」

・・ご一緒させていただきます。

行った先はamiamiという小さなお店。

そこではご機嫌なおじさんたちが楽器を出して弾き散らかしていた。
22歳だという若いマスターも苦笑い。
貸し切りで飲んでいたけど、その中にケーキ屋の店長さんが混ざっていた。
きいさんらの飲み友達らしい。

ついてそうそう、サザンが僕が誕生日だということをばらしてしまう。

「え、君今日誕生日なの?・・・じゃあ、俺今からケーキ取ってくるから」

寒空の中、店を飛び出して行ったその初対面のおじさんは、本当に自分の店で売っているケーキを持ってきてくれた。
ケーキに刺さったろうそくを吹き消すなんて20年ぶりくらいじゃないだろうか。
おまけにきいさんのハッピーバースデー生演奏付き 笑



その店長、音楽は好きだけど自分では演奏はしないらしい。

「代金の代わりに楽器弾いてね」


その後行った先のタブロイドというお店もマスターが音楽好きらしく、
深夜2時だったにもかかわらず音だしを許してくれた。

というわけでみんなでカノンを弾いた。

チェロ一人に対してバイオリン4人という不思議な編成で。

…が、楽譜がない上にみんな酔っぱらっているからいつまでたっても終わらない。
落ちても適当に弾いたらはもっちゃうもんね。
ケーキ屋さんの店長もipadで録音しながら楽しんでくれてたみたいだった。
安いものではなかっただろうけど、ある程度のたしにはなったんじゃなかろうか。

ちなみに、弾いてる最中にやってきた他のお客さんも嫌いではなかったみたいで林檎ブッセをくれた。
いい人といい店。笑

院内演奏会でぼろぼろになった日の夜だったけど、カノンを弾いてやっぱり音楽って楽しいと心の底から思った。
へたくそでも楽器は続けようと思う。

いい誕生日だった。


個人的な話をつらつら

2014-11-13 23:08:06 | Weblog

ベランダに干したタオルが冷たい風にたなびくのを見ると冬になったなとしみじみ思います。

あとなんか冬の匂いってありますよね?
暖房器具をつかうときに出る匂いかな…寒い季節は正直嫌いだけど、なんかほっとします。


最近、結婚を意識することが多くなりました。

でも本心を言うと、周りを見ていてあまり魅力的に感じません。制約が多くなる一方でどれだけの見返りがあるんだろうかとシニカルにとらえてしまいます。


村上春樹の「回転木馬のデッドヒート」に掲載されている「プールサイド」

前々から、よくわからないなりに大人の小説って感じで面白いなと思ってはいましたが、歳をとるにつれてその短編の中で描かれている人物と自分が気持ち悪いくらいに重なって見えるようになりました。そういう生き方をしたいわけではないし、目指しているわけでもないけれど、実際に小説の中の人間と同じ行動パターンをしているというような錯覚に陥ります。

彼は人生に対し斜に構えているけれど、中学生や高校生のそれとは違って成熟した大人ならではの割り切ったドライな人生観を持っています。きっとそういうのが現実的な結婚には必要不可欠な要素なんでしょう。

お互いに好きだから結婚しようなんて単純な話じゃなかったことを、恥ずかしながら全く知りませんでした。一度は本気でそう言ったはずだったんだけど。


時が流れて今。

多分しようと思えば結婚できる状況にあると思います。来年度いっぱいで今の病院をやめることになるので、頃合いとしては今動き始めるのが多分理想的。でも一方で、じゃあそうしたいのかと言われると考え込んでしまいます。

上司には「多分お前の人生の中で今は一番モテる時期だと思うよ」と言われました。結婚市場ということを考えればそういうものなのかもしれません。中身の魅力がないにしてもそういうことって多分ある。


そんなこんなを色々考えた上で、どうしたらいいのか全然わかりません。分からないと言いつつ何一つ選択していない僕のやり口は卑怯でずるいと自覚はしています。この1年でお前本当にダメなやつだなと何度言われたか分かりませんが、実際その通りです。

自分の行動が意に反して人を傷つけることって思っている以上に多いんですね。だから僕は何もするまいと思っていたのに、それがかえって誰かを傷つけることになるらしい。

この世の中で生きていくってことは他の誰かを傷つけるということと同義なんじゃないかと最近本気で思うんです。