ある内科のシニアの先生にすごく好かれてしまった。
もちろん非性的な意味で。
当直が一緒だと、下がまっすんなら今日は楽だと喜ばれ、
重症な新患を持ったら僕もパーティに加えてもらえる(おかげでしんどい笑)
最初はその場でだけ持ち上げてくれているのかと思ったけど、
僕がいない所でもずっとそう言っているらしい。
めぐりめぐってそんなうわさが教授の耳にまで届いてしまい、
「升田君、そんなにできるようになったの?」と不審がられた・・笑
大学病院での僕はあまりに無能で不勉強だったから。
ただ、なんでそう言われるのかは謎。
僕が使えないのは昔と変わっていないし、同期の研修医より優れている点なんてない。
むしろいつも検査のオーダーとか後手後手に回ってしまっている状況。
出したオーダーもミスばかりで、1日に何回確認の電話がかかってくるか数え切れないほど。
そんな僕がなんでこんなに買われているのか。
今の状況は嬉しい反面、実態のない評価ばかりが独り歩きするのが正直怖い。
その先にあるのは失望だけじゃないか・・やれやれ。
唯一あるとすれば従順なこと、文句を言わないことくらい。
「ところで、まっすんはいつ休み取るつもりなん?
え、9月末…?
それはまずいな。俺も9月末に休む予定だから、二人とも休むのはまずい。
予定はあるん?え、ない?
じゃあ、悪いけど休み取るの後にしてくれん?」
もちろん、二つ返事。
・・そんなわけで、僕は休みを取りそびれ、その先生の穴埋めを必死にやってるわけです。
・・ここか。
ちなみにその先生は愛光の41期だそうで。
カラオケは嫌い。
僕の喉では一般的な歌の音域が出せないし、そもそも歌自体を知らない。
オクターブ下げたらとりあえず音は出せるけど、音量が出ない。聞こえない。
きっと根本的な問題なんだろうと思う。
中学のころ騒がしい教室で1mと離れていない友達に声が届かなかったくらいだから。
友達と行く時は二次会がカラオケなら帰っていたけど、
上の先生に誘われた飲み会なので仕方なく行った。
当直明けで寝てないから状況さえ許せばいつでも帰りたかったんだけど。
案の定、なんか歌えという流れになった。
断れなくて、スピッツのロビンソンを選んだ。
今思えば選曲が悪かったのは否めないけど、その時はそれがベストだと思った。
そして撃沈。
それ以後誰も歌えと言ってこなくなるのは、なんだかやっぱり悔しい気はする。
よくみんなあんな高い声を出せるもんだ・・。
今後も付き合いでカラオケに行くことはあると思う。
大抵は2次会だろうから1次会で泥酔した演技をすることに情熱を注ぐか
自分でも歌える無難な曲を探すなどして、対策を練らないと・・。
やれやれ。なんでこんなことに頭を悩ませないといけないんだろう。
ついさっき、ちょっとコンビニに用事があって出ていた。
帰ってきたら、携帯の着信履歴がある。
この時間の着信…急変かと思って、急いで留守番メッセージを聞いてみたら
「明日の分の点滴出てないんですけど」
・・・。
勘弁してくれ。
そんなの明日の朝対応できることだし、どうしても必要なら当直に頼めばいい話。
そもそもそんなに状態が悪い人じゃない。
そりゃまあ、出してないままだったのはこちらの不手際ですけども、
こっちにだって事情が・・ぶつぶつ。
コンビニへは上スーツ、下短パンという恰好で行っていた。
想定はしていたけど、バイトのにーちゃんに変な目で見られた。
その格好で店内に入る必要はなかったんだけど、
更新がいらない方の免許証のコピーも必要だったから、いたしかたなく。
スピード写真を店先に置いているんだから、この変な格好の理由だって察しが付くだろうに。
でももっと奇妙なことは、僕がこれからしようとしていることかもしれない。
というのも、今度山口である地方学会で「陰茎」という言葉を連呼する予定なのである。
病院の研修医代表枠で発表させてもらうわずか5分の間に。
それが泌尿器科の学会ならまだしも、消化管の内視鏡の学会というのが奇妙なポイント。
必要に駆られて大勢の前で陰茎という言葉を使う機会なんてなかなかあるもんじゃないよなあとしみじみ思う。
変なことって世の中にはいっぱいある。
どちらかと言えば僕が奇妙な世界に属しているだけかもしれないけど。