風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

「マーラー 君に捧げるアダージョ」

2011-07-31 02:09:36 | Weblog
「マーラー 君に捧げるアダージョ」という映画を見ました。

人を選ぶ映画だとは思いますが、面白かったです。

邦題のアダージョは未完成となった10番1楽章のアダージョ。
妻アルマとの不仲の象徴であり、
5番の4楽章アダージェットと対比的に使われています。

マーラーに関する予備知識は無くても大丈夫でした。
(見終わった後の疑問はwikiで調べて解決しました 笑)

ちなみに原題は"Mahler auf der couch"(直訳はたぶん、寝椅子の上のマーラー)。
フロイトの治療を受けながら過去を回顧する劇中の流れをタイトルにしたようです。

聞こえの良さを優先してつけたであろうこの邦題、なんか気に入らないんですよね。
難しいとは思うけど、もう少しどうにかならなかったのか。。


地上波ではまず見られそうにないマニアックな映画を見に行くのも悪くないですね。

幸せ絶頂期の回顧シーンは、BGMに5番のアダージェットが使われていて泣きそうになりました。

300円

2011-07-23 13:54:00 | Weblog
カミュの異邦人を買いに本屋に行きました。

さぁ、いざ読もうと1ページ目を開いたら、

「ある朝、グレゴール・ザムザがなにか気がかりな夢から目を覚ますと、
自分が寝床の中で一匹の強大な虫に変わっているのを発見した」

・・・あれ。これは・・・。


間違って隣にあった本を買ってしまった orz

返品しようかとも思ったけど、
レシート捨てちゃったし、300円少々の文庫だしとあきらめることにしました。
あらためて読み返してみるのも面白いかもしれないとも思って。




その後、駅前の商店街を歩いて家に帰っていたら、
中年の小柄なおじさんに話しかけられました。

「あのぉ、すみません・・。
こんなことを人に頼むのもどうかと思うんですが・・」

かなり警戒しましたが、とりあえず話を聞いてみることに。

「バスの運賃300円を手違いで使ってしまったんです。
歩いて帰れと言われればその通りなんですが、ごにょごにょ・・。
こんなことを頼むのも恥ずかしい話ではあるんですが、ごにょごにょ・・」

青いポロシャツを着ていて、頭はぼさぼさ。
荷物は肩からかけているカバン一つ。

全身から怪しさがにじみ出ていました(笑

おそらく手持ち全てだった300円を間違って使い果たしてしまうってどんな状況なのか。
そして300円使っていく先は家?帰ればお金はあるのか?

謎だらけでしたが、詳しく聞くのも面倒だったのでお金渡しました。
ついつい同情してしまう雰囲気に後押しされたのもありますが・・。


小銭は290円しかなかったので、それでもいいかと尋ねると、

「ひとつ前で降りれば大丈夫です」と。

バス運賃が300円ぴったりだということは間違いなさそうでした。


それ以上関わり合いになりたくなかったので、そうそうにその場を立ち去りました。

もしかしたら巧妙な詐欺かなにかなのかと考え込んだり、
あえて無愛想な僕に話しかけるというのもなかなか勇気があるなと感心したり。
もしかしたら仲間だと思われたか・・

珍しい経験をしました。一体、なんだったんだろう・・

まぁ、当たり前のことなんだけどさ

2011-07-13 00:48:39 | Weblog
昔はしあわせの閾値が低かったなと最近よく考える。

幼いころは親の買い物について行っておまけつきのお菓子を買ってもらえるだけで嬉しかった。

小学生のころも、金曜日とかに夜更かししてゲームしてるだけでわくわくした。

・・でも、もう二度と、そんな気持ちになることなんてない。きっと。

生きている世界自体狭かったし、見えるものだけがすべてだと思ってた。

今そうでないのは大人としては当然のことだけど、

そういうことを考え始めるとなんだか少し切ない気分になる。