風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

「自分に同情するな。自分に同情するのは下劣な人間のやることだ。」

2021-10-22 23:53:27 | Weblog

 

ふと「ノルウェイの森」の永沢さんの言葉を思い出しました。

タイトルは小説の中で永沢さんが主人公に語る有名な言葉です。

 

読んだことがあればわかると思いますが、永沢さんはかなりアクの強い登場人物です。

変人ばかり登場する村上春樹の小説の中にあっても突出した存在だと思います。笑

外見もよく有能な人間なのに、私生活は「地獄を抱えている」と評される何ともかわいそうな人です。

 

タイトルの言葉がパラドックスを含んでいるような気がするのはさておき、

そういう意識をもって自らを戒めている姿はかっこいいなとふと思いました。

 

自分で解決できる問題なら自分で解決すればいい。

そして、自分でどうしようもない問題に直面しても自分はかわいそうだなんて思うなよ、

そんな風に注意を促しているような気がします。

 

ずっと昔に読んだ本の中の言葉を思い出すってなかなかない経験です。

ひっそりとしかけられた時限爆弾が静かに作動したような感覚です。

ノーベル文学賞で騒ぐのはいい加減やめればいいのにと毎度思いますが、

僕のような長い愛読者がいるのは確かですね。

 

村上繋がりというわけではありませんが、最近は「村上海賊の娘」を読んでいます。

舞台がしまなみや大阪ということで、地理的な親近感があって読み始めました。

それぞれの立場に置かれた登場人物のいろいろな思惑や感情が描かれていて

組織の軋轢にもまれながら生きる今の僕にはなかなかしみいるものがあります。

 

もう若者の恋愛小説はいいやと思ってたけど、村上海賊を読み終わったらまたノルウェイの森読み返してみようかな。


怒るという行為について

2021-10-11 00:21:50 | Weblog


「先生は怒らないよね?
怒ったほうが早いと思うこととかないの?」と上司に聞かれました。

腹立たしく思うことはあります。
休みの日に緊急性のない電話をかけてくる、逆に急ぐことなのに報告がない、下手したら患者が亡くなりかねないような危険行為をしているのに無自覚だとか、まあいろんなことで。

実害のない範囲であれば、ある程度は我慢します。文句の一つも言いたくはなるけど(笑)
危険行為については本人にはごく短時間注意するにとどめました。上にはきちんとチクりしたけどね。
僕はキレることはまずないし、職場では温和な人間で通ってると思います。

家庭ではどうか。

妻から見ると5歳の娘には厳しいらしいです。
確かによく怒ってます。
僕が主に接する夜は眠たくて機嫌が悪いことも多く、注意したくなることも必然的に増えるんですよね。

こういう言い方は良くないかもしれませんが、職場の仕事ができない人には正直諦めている感覚があります。
もう言ってもどうしようもないだろうと思っているところがあります。
娘には期待するところが多いので、そういうわけにはいきません。
見方によっては、外ヅラがいいくせに身近な家族には辛辣なことを言うアルツハイマー型認知症みたいに映るかもしれませんね。
(実際自分がアルツハイマーになれば厄介だろうなと今から心配しています 苦笑)

夫婦喧嘩も似ています。
相手に求めることが多すぎるのかもしれません。
自分にとって大切な相手ほど優しくなれないなんて皮肉な世界だなと思います。
分かっていることと正しく行動できることはまた別物です。

色々難しいものですね。