ふと「ノルウェイの森」の永沢さんの言葉を思い出しました。
タイトルは小説の中で永沢さんが主人公に語る有名な言葉です。
読んだことがあればわかると思いますが、永沢さんはかなりアクの強い登場人物です。
変人ばかり登場する村上春樹の小説の中にあっても突出した存在だと思います。笑
外見もよく有能な人間なのに、私生活は「地獄を抱えている」と評される何ともかわいそうな人です。
タイトルの言葉がパラドックスを含んでいるような気がするのはさておき、
そういう意識をもって自らを戒めている姿はかっこいいなとふと思いました。
自分で解決できる問題なら自分で解決すればいい。
そして、自分でどうしようもない問題に直面しても自分はかわいそうだなんて思うなよ、
そんな風に注意を促しているような気がします。
ずっと昔に読んだ本の中の言葉を思い出すってなかなかない経験です。
ひっそりとしかけられた時限爆弾が静かに作動したような感覚です。
ノーベル文学賞で騒ぐのはいい加減やめればいいのにと毎度思いますが、
僕のような長い愛読者がいるのは確かですね。
村上繋がりというわけではありませんが、最近は「村上海賊の娘」を読んでいます。
舞台がしまなみや大阪ということで、地理的な親近感があって読み始めました。
それぞれの立場に置かれた登場人物のいろいろな思惑や感情が描かれていて
組織の軋轢にもまれながら生きる今の僕にはなかなかしみいるものがあります。
もう若者の恋愛小説はいいやと思ってたけど、村上海賊を読み終わったらまたノルウェイの森読み返してみようかな。