▲実家で最近飼い始めた猫。昔飼っていた猫とちょっと似ている。
▲地元のお祭り。この重そうなのを少人数で時々持ち上げるという無謀さ。
子供がアンパンマンを見ているのを見て、ふと自分の姿と重なり切ない気分になりました。
今の病院で緊急手術が必要な状況になったとき、夜間や休日でも原則駆け付けなければいけません。
(幸いそれほど頻回ではないので何とかなっていますが…)
アンパンマンは誰かのピンチに駆けつけるため、プライベートもなくただひたすらパトロールしています。
滅私奉公で人助けするのは彼が生きがいとして自発的にしていることなので、好きにすればいいとは思います。
妖精しか存在しない世界には疲労という概念もないのかもしれません。
だけど、アンパンマンの方も周囲が求めるからやっているという側面もあるのではないでしょうか。
だとしたら、ちょっとかわいそうだなと思います。
救急を専門にしている先生は助けを求められると燃え上がる人が多いです。
重症な患者を乗せた救急車が来るとなったときに、明らかにテンションが上がっているのを見ることも多いです。
僕を含め多くの医者は、予定外の患者は診たくないのですごいななと感心します。
多くの人はone of them。
自分がその仕事をしなくても、代わりができる人はたくさんいるでしょう。
ただ、今の自分の場合、救急車受け入れ要請を断れば遠い病院に行かなければいけなくなるなど、
実質代わりの人がいないという状況がしばしばあります。
田舎ならではの特殊な事情といえるかもしれません。
こういう状況ってすごいストレスなんですよね・・・。
自分の見落としがあったら人を殺しかねない。
いまだに不安な当直の夜を過ごすことも少なくありません。
「ブラックジャックによろしく」の主人公が当直で逃げ出していたのも気持ちはよく分かります。
(漫画の主人公と違って、研修医どころか中堅の年齢になりつつあるのにね)
こういうストレス耐性が強い人、もしくはそれ以上に自分が救命したというやりがいを感じやすい人は救急医療向きです。
そういうストレスを感じながら働いている中、
明らかな軽症の「なんで今来たの?」と喉元まで出そうになるような人が真夜中にやってくるときのやるせなさ、分かってもらえるでしょうか。
実際の夜間救急はそんな人ばかりなんですけどね。
もしアンパンマンと話をする機会があれば、その働き方に満足しているのか本音を聞いてみたところです。