風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

焚火を眺めながら思う

2022-05-22 20:18:19 | Weblog

「自分がどんな死に方をするかなんて、考えたこともないよ。

そんなこととても考えられないよ。

だってどんな生き方をするかもまだぜんぜんわかってないのにさ」

三宅さんはうなずいた。

「それはそうや。でもな、死に方から逆に導かれる生き方というものもある」

「それが三宅さんの生き方なの?」 「わからん。ときにはそう思えることもある」

 

                  村上春樹「アイロンのある風景」

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キャンプのたびに焚火をしています。
妻や子供が寝た後に一人でお酒を飲みながら、ただぼんやりと火を眺めて過ごします。

村上春樹に焚火が出てくる短編があったはずなんだけど、なんだっけなーともやもやしていました。
調べてみて「神の子どもたちはみな踊る」にある「アイロンのある風景」だったと分かりました。

この短編集はすべて阪神淡路大震災に関連した話になっています。
どの話も暗く読むのにエネルギーがいる本だったので、ほとんど読み返すこともありませんでした。
いざ読もうと思うと見当たらず、文庫本を買いなおしました。

読み返してみて、ああこれは大人が読む本だなと思いました。

20歳そこそこの学生には話が沁みなかったのも仕方ない。
いつものようによく分からないプロットは多いし、
面白いかと言われると答えるのが難しいけれど、2回読み直してしまいました。
ざらりとした読後感があり、それが何かを確かめるためにもう一度読みました。

昔は死はまだまだ縁遠いものでした。

でも、あれから東日本大震災も起こりました。
僕自身も年を取りました。
孤独がどういうものか、最近少し分かってきたように思います。

 

死が規定する生き方は確かにあると思います。

 

でもそれは事実としてそうであるというだけで、
だからどうしなければいけないとか、どうしておいた方が望ましい、というような話ではないように思います。

それもなんだ不思議な気がするんですが、今の僕はそういう風に感じています。


車でクラシックを聴く方法

2022-05-15 23:13:32 | Weblog

家族で出かけるにあたって妻の車では少々手狭なので、新しく車を購入しました。

今回も高校時代の友達の紹介という形で買いましたが義理での購入ではありません。笑

昔は流行のものに飛びつくのは嫌でしたが、
流行るにはそれなりの理由があるのだと最近は思うようになっています。

でもやっぱり人とかぶるのは嫌なんですよね。
特に色については白銀黒の車は選びたくありません。
おしゃれに皆目興味のない僕が色だけはこだわるのも自分でも不思議ですけどね。

結局色々迷って、今回のマイナーチェンジから増えた新色にしました。
土色という何とも言えない名前ですが、気に入っています。

 

今の新車には普通、CDプレイヤーはついていないようです。
おそらく通常のオプションにもなかったはず。

となると音楽を聴くにはスマホと車のオーディオをbluetoothで接続するしかありません。

現代っ子はサブスクで音楽を聴く人が多いのでしょう。
音楽だけの通信量ならたかが知れているのかもしれませんが、
wifiのない環境で通信しっぱなしというのはおじさんには抵抗があります。笑

また、端末内に音声ファイルを保存する方法もあるみたいですが、
それだとサブスクであるメリットが薄くなりますよね。

そして何より、クラシックはいいサブスクサービスがありません。
そもそも僕が聴きたいと思う曲はかなり限られているので、
サブスクサービスにはお金がかかる割に満足できません。
(結局ベルリンフィルのサブスクサービスもやめました)

以上から、聴きたい曲を端末内に保存しておくしかないというのが僕の結論です。

音質に関してはハイレゾ音源を有線接続するのがいいのでしょうが、
正直僕の耳ではハイレゾだろうとmp3だろうと聴き分けられません。
車内で聴くならなおさらです。

 

というわけで僕が行った手順

  1. スマホのSDカード大容量のものに変える

    僕は256GBのものを購入しました。この用量でもネットで安く買えます。
    ぎりぎりで運用していると音楽ファイルですら用量を圧迫するので十分すぎる用量にしました。

  2. 聴きたい音楽をmp3にしてSDカード内に入れる

    CDならmp3で取り込むのが便利です。
    WMAのままだとスマホで聴けなかったので変換作業が必要でした(これがまた面倒くさい)。
    また、クラシックCDから取得した音楽ファイルはアルバム情報が整理されていないことが多いです。
    WMPの機能を利用して、アルバム情報をネット経由で取得して更新しておくのが吉。
    それでもトラック番号がめちゃくちゃに振られて、楽章がその通りにならないことがしばしば…
    やってみると分かりますが、CD経由で音楽ファイルを取り込むのは意外と手間がかかります。

    それ以外の方法としてmp3ファイル自体をダウンロード購入するのがおススメです。
    amazonにもmp3をダウンロードする方法があるようですが、品ぞろえが豊富とはいいがたいです。

    今回調べてみて一番よさそうだったのがPresto Musicというサイトです。
    日本語非対応、クレジットカードもJCBは非対応ですが、
    CDの音声ファイル(mp3)をトラック単位で購入できました。
    他にFLAC, High-Res FLACも対応しているようです。

    この方法のメリットは音声ファイルの情報がきちんと整理されていること。
    CDからとりこんだときのようにトラック番号などがぐちゃぐちゃになっていることはなさそうです。

    パールマンのチャイコフスキーのコンチェルトあるかなーと思って検索してみたらちゃんと出てきました。
    僕ぐらいの浅いクラシックファンには十分な印象です。笑

    ピアソラのオブリビオンも色んな音源がヒットしました。
    1トラック100円から200円くらいなのでジュースを購入する感覚です。

  3. あとは車で実際に聞いてみる

    まあ、これはbluetoothの接続さえできれば問題ないでしょう。

しかし、mp3なんてファイル形式が30年も生き残っているのはすごいことですね。
mp3は圧縮音源で音質は劣化しているとのことなのでFLACやハイレゾFLACのほうが当然いいんでしょうが、
ファイル用量が大きくなってプレイヤー側の汎用性が下がるなどのデメリットがある以上、
今はmp3でいいじゃないかと思ってしまいます。

今後聞き比べてみて違いがあったら移行してみようかとは思います。

 

 

 


かき揚げの思い出

2022-05-07 17:26:02 | Weblog

妻と子供が実家に帰って一人だったので、夕ご飯を食べに職場のそばのうどん屋に行きました。

35歳にしてしっかり糖尿病の診断基準を満たしてしまったので、
内服薬を始めると同時に炭水化物は控えるようにしています。
甘いものも甘くない炭水化物も大好物の僕としてはつらいところではありますが、
食事制限と内服薬を始めてから少し体調がいいような気がします。

でもたまにはいいんです。たまには。

1玉ではちょっと物足りないけど、2玉食べると多いので、妥協して1.5玉。
サイドメニューに野菜かき揚げを取りました。
野菜を食べたら健康になるなんて無茶苦茶なことは言いません。
単純に僕が好きだから取っただけの話です。
かき揚げ、おいしいですよね?

かき揚げをかじりながらふと昔のことを思い出しました。

22歳の時だったから・・・今から14年前。
僕に14年前があったなんてなんだか嘘みたい話のように感じますが、間違いなく現実です。

あの年の夏、部活の同期で海水浴に行くイベントを企画しました。
当然ではありますが、都合が合わなくて何人か参加できませんでした。

自分で言うのもなんですが、こういうことに関しては僕はフェアです。
自分が企画に参加したいのに参加できない人が出るのはかわいそうだったので、
参加できない人を誘ってかき揚げパーティしました。
当時のブログにも書いたかもしれません。

かき揚げを選んだのは僕の独断です。
別に参加できなかった同期が特別かき揚げ好きだったわけではありません。たぶん。笑。
かき揚げパーティが海水浴の穴埋めになったのかどうかはよく分かりません。
拒否しなかったということはそれなりに楽しんでくれていたのだと信じたい。

あれ、でもそもそもかき揚げってパーティするようなものだったっけ?


何を言いたいのかというと、年を取ったんだなと感じたという話です。
少し前だと思っていたことがもう14年も前だなんてちょっと衝撃的です。

その月日に見合うものを僕は身に着けたのか。

働くのに必要なスキル、技術。
家庭。妻と子供。
自分自身の精神的な成熟。

正直あまり自信がありません。

この前、子供が誘拐されるドラマを見ていてものすごく不快な気持ちになりました。
ああ、自分にも親としての感覚がいつの間にか備わっているんだなと感じました。
妻からすればまだまだ親として不十分なことが多いのでしょうが。

自分には瞬発力がありません。
地道に少しずつやっていくしかないなーと思う今日この頃です。