風吹く豆腐屋

内容はいろいろ。不定期更新中。

あの夕焼けの向こうに

2010-03-31 01:32:04 | Weblog


僕の携帯のカメラでは再現力に限界がありますが、
ひさびさに目が覚めるような夕焼け空を見た気がしました。
そういえば、西方浄土の考えと太陽が西に沈むことには関係があるらしいですね。

思いつきで行動するのは楽しいけれど、それにはどうしても限界があります。
夕焼けに魅入られ、その向こうにある世界に憧れた昔の人は、
それこそ一大決心して旅立ったんでしょう。
 

今しかできないこと、じゃなくて、今だからこそできること。


そういうことを考えながら、
糸を断ち切られたマリオネットのようにベッドに沈み込もうと思います。

「蜜柑むき」

2010-03-28 23:05:35 | Weblog
村上春樹の短編に、パントマイムを勉強している女の子が登場する話があります。

その女の子が披露してくれたのは「蜜柑むき」でした。
主人公はその巧みさに感心し、才能があると褒めます。


「あら、こんなの簡単よ。才能でもなんでもないのよ。
要するにね、そこに蜜柑があると思い込むんじゃなくて、
そこに蜜柑がないことを忘れればいいのよ。それだけ」



ちょっと印象的な一節じゃありませんか?
この前、新聞のコラムで川上未映子もこの話を取り上げていました。
ほかの作家に与える影響力も強いんだろうなぁ・・。

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

話が変わりますが、今手元に吉野家のたまご無料クーポンがあります。

期限が3月で切れてしまうので、早く使ってしまおうとさっき行ってきました。
(牛丼と卵の組み合わせ、結構おいしいですよね?)
ところが、うっかりして卵を注文し忘れてしまいました。
卵を注文したときに初めてその分の料金を無料にできるクーポンなので、これでは使えません。

本末転倒とはこういうことを言うのでしょう・・

牛丼が出てきたときにようやくそれに気づきましたが、追加注文しませんでした。
バイトの女の子煩わせるのもなんか悪い気がしたし、
まだ3月が終わるまでに数日あるしなぁ、と思って。


ただ、食べ終わった空の器を見て思いました。

本来、そこには卵があったはずでした。
でも、食べ終わった容器からは、それが牛丼+卵だったのか牛丼単品だったのか分かりません。
見た目にそう大きな差があるわけではないから。

・・じゃあ、そこに卵がなかったことを忘れられないだろうか。
蜜柑がないことを忘れてしまったその女の子のように。
そうすれば、使ったはずのクーポンが財布に入っているのをみて、
なんか得した気分になれるかもしれない・・

 

・・そんなことを考えました。
たった50円分のクーポンをめぐって。




考え終わった後で、一体どんだけ自分はケチなのかと、少々自己嫌悪に陥りました。

星でも眺めながら

2010-03-21 21:00:03 | Weblog
今一番行きたい場所は青春18切符で行くには遠すぎて、
まして自転車などでは到底行ける場所ではありません。

頭から足先まで突き抜けるように青い空を見ていたら、
「空は世界中のどんな場所ともつながっている」って誰かが言ってたのを思い出しました。
(だから黄砂も飛んでくるのか・・)
 
昨日のお酒がきいて今日はやる気が起こらないので、
これから一人で銭湯にでも行って長湯してこようかと思います。

「親愛なるがまがえるくん―」

2010-03-19 00:45:24 | Weblog
電子メールは、温かみという点において肉筆の手紙に敵いません。
その理由のひとつに「時間」があると思います。

電子メールの強みはその即時性。
遠く離れた相手にもすぐにメッセージを伝えることができ、とても便利です。
でもそれは同時に大きな弱点でもあると思うんです。
 

「ぼくは、こう書いたんだ。

『親愛なる がまがえるくん。
ぼくは、きみが ぼくの親友であることを、うれしく思っています。
きみの親友、かえる。』」



二人はとてもしあわせな気持ちになれたそうだけど、
それは配達していたのがかたつむりくんだったからじゃないでしょうか?




― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―

アクセス解析の体験期間ということで、試しに使っていますが、
これがなかなか面白いです。

3月17日の検索キーワードは

1 しまなみ海道 野宿
2 風吹く豆腐屋
3 君はとてもきれいだよ そのことは知ってた?
4 岡山大学交響楽団ジョニー
5 ヒラマサ ブリ 違い 

でした。

なんだこの並び・・(笑

それにしても、4を検索したのはいったい誰・・。

自律神経系

2010-03-17 23:13:08 | Weblog
昨日久々にドラマを見ていたときのこと。
俳優の顔がアップになるシーンで思いました。

ぁ、縮瞳してる。

盛り上がるシーンでした。
劇中のその人物も必死になっているはずだったんです。
なのに、縮瞳?

今までそんな風に人の顔を見たことはありませんでした。
でも、神経内科を選択実習で回ったからか、
変なところに目が行ってしまいました。

一般的に、興奮していれば、交感神経の作用で瞳孔も散大しているはずです。
もちろん、明るいところでは光量を絞るために縮瞳しているのが自然ですが、
シーンがシーンなんだから、もうちょっと散瞳しててもいいんじゃないか…と。

日の照りつける屋外だったし、もともと瞳孔径の小さい人もいるわけですが、
あまりに縮瞳が目立っていたので、なんか気になってしまいました。
この俳優、こんな熱いせりふ言いながら、心は違うところにあるんじゃないか・・
そんな冷めた邪推をしてしまいました(苦笑

でも、真の演技派俳優なら瞳孔径ももっと自然に変動してよさそうですよね?
・・こんな話聞いたことないので、実際のところどうなのか分かりませんが。


以下はおまけの揚げ足取り。

「瞳を閉じて」が日本語としておかしいのはよく言われるところ。
瞳を閉じるってどういう意味・・とよく突っ込まれています。

今は素直に解釈して、それは縮瞳させることなんだと解釈して話を進めます。

僕の勘違いでなければ、あれは確か恋の歌。
恋のために言葉が歌になってこぼれ出るような状態にありながら、
交感神経(興奮)じゃなくて副交感神経(安静)優位の状態ということになりますね。

僕がこんなことを言うのはあまりにおこがましいですが、
恋って心拍数があがってどきどきするほうが普通なんじゃないですか?
リラックスして副交感神経優位な状態こそが、あの歌に歌われている状況なんだと言われたらそれまでですが。

 

まぶたと瞳を混同したのがそもそもの間違い。
そこで、僕としては正確に歌うことを提案します。

「まぶたをとじて 君を描くよ それだけでいい」


・・まぶたが嫌なら眼瞼でも可。

家族写真

2010-03-15 20:47:00 | Weblog
普段は空けない引き出しの中から、昔撮った家族写真が出てきた。

それは、ちょうど5年前の春、家族で出かけたときに撮ったもの。
当時はまだかわいらしい子犬だった我が家の犬も一緒に写っている。

父がシャッターを押したので、父自身は写っていない。
カメラ好きだった父にセルフタイマーが使えなかったはずはないけれど、
逆に写っていないからこそ、ファインダーのこっち側にいる父を感じる。
なんだか不思議なものだ。


その写真を見て、まず最初に思うことは、変わったな・・ということ。
5年間という月日は短いようで長い。
外見だけ取ってみても大きく変わってしまったし、取り巻く状況もぜんぜん違う。

この5年間に実にいろいろなことがあった。
嬉しいことや楽しいこともたくさんあり、
悲しいことやつらいことはもっとたくさんあった。


写真に写っている僕たちはそんなこと考えてもいない。当たり前だけど。


たまたまうちに来ていた5歳年下の弟は、その写真を見ても特に感慨は抱かないようだった。
5年前の風景は結局のところ5年前の風景でしかない・・ということなんだろう。
 
まぁ、僕としてもそれに異論はないんだけれど。



一枚の写真が切り取った時間に、ふと思いをはせた。

今ここにある時間も切り取っておきたいな。

本音、建前、ゆで卵

2010-03-14 18:37:12 | Weblog

「その体験から僕が体得したのは、たったひとつの基本的な事実でしかなかった。
それは、僕という人間が究極的には悪をなし得る人間であるという事実だった。
僕は誰かに対して悪をなそうと考えたようなことは一度もなかった。
でも動機や思いがどうであれ、僕は必要に応じて身勝手になり、残酷になることができた。
僕は本当に大事にしなくてはいけないはずの相手さえも、もっともらしい理由をつけて、
とりかえしがつかなくなるくらい決定的に傷つけてしまうことのできる人間だった。」



「羊をめぐる冒険」の最後に主人公が腹を立ててギターを壊すシーンがあります。
感情の浮沈が少なく、何を考えているのやらよく分からない「僕」が感情を表に出す数少ないシーン。
個人的にとても好きな箇所です。

誰しも本音を隠しながら生きているもの。
「僕」が普段は本音を押し殺しているのか、
感情を表出しない生き方が自然体なのかは分かりません。
いずれにせよ、その暴力的なシーンにカタルシスのようなものがあるのは確かです。


ところで、本音と建前ってきれいに分類されるものなんでしょうか。
自分のことを考えてみても、何が本音で何が建前なのか境界がよく分かりません。
 

ふと、殻をむきかけのゆで卵が思い浮かびました。

殻に一切ひびが入っていなければ、
もしかしたら中身は生だったり半熟だったりするかもしれないけど、
部分的に割れた所からつやつやした白身が見えていたらちょっと安心感があります。
少なくともそこは殻じゃないし加熱された後なのが分かるから。

ベストな人間関係ってひとそれぞれだろうけど、
殻をきれいに全部取り払ったゆで卵状態はありえないだろうな、とふと思いました。


隠し味はお好みで。

2010-03-12 21:17:16 | Weblog
ぁー…疲れた。。


やりたいこと・やらなければならないことを詰め込みすぎた怒涛の1週間もようやく終わりました。
わがまま言って色んな人に迷惑かけたけど、結果的にはこれでよかったはず。

この一週間、泊り込みで福山の市中病院で実習してきました。
実習とはいえ、ほとんど見てるだけの見学だったんですが・・。

外病院の実習で一番記憶に残ったのは、院長先生でした。
70前にしてダンディな色香を漂わせる男って魅力的ですよね?(決して変な意味ではない


「本を読みなさい。そして、いい医者になりなさい」

最後に挨拶に行ったとき、低く艶のある声でいわれました。
あやうく惚れてしまうところでした(ぁ

― ― ― ― ― ― ― ― ― ― ―


そう言われたからというわけではありませんが、さっきエッセイを読みました。 
ブラッディ・マリーについて。
読んだ人も何人かいるかな・・?


その中にあったレシピです。

【ブラッディ・マリー】

ウォッカ 30-45ml
トマトジュース 60ml
レモンジュース 10ml
塩 少々
スパイス(ウスターソース・タバスコ・ペッパー) 好みで少々

 


ん・・・ソース、タバスコにペッパー・・・?

いくら隠し味だからって、お酒に調味料入れる人の気が知れません(笑
まぁ、どうしても飲みたいというのならあえて止めはしませんが。

Plastic

2010-03-07 04:15:00 | Weblog
自分の中での自分像っていつのまにか固まっているものですよね。
だけど、それは意外と可塑性のあるものでした。
なんだか、今ちょっと不思議な気分。
 


読んだ人の目を潤ませるような手紙が書けるようになりたいです。
聞いた話だと、それに必要なのは素直さなんだとか。

・・それってどこで売られていますか?