先日も金曜ロードショーで魔女の宅急便を放送していたので見ました。
金曜ロードショーで放送されるジブリは最初の方をちゃん見てないことが多いので、今回は最初から。
通して見た上で、放送される度に話題になる「あたしこのパイ嫌いなのよね」についてあらためて考えました。
確かにあの孫娘の言葉には悪意があります。
ただ、要らないと言っているものを度々送りつけてくる祖母への鬱陶しさは想像に難くありません。
嫌いな訳では無いけれど相手の厚意を煩わしく思うこと、ありますよね。
そして自分と同世代の子供が劣悪な環境で働いているのを見たら、小遣い欲しさにこんなことまでするのかと蔑む気持ちも湧いたんじゃないでしょうか。
「マウントを取る」のはある意味では自然な防衛機制だとも思います。
主人公からすれば、それは意地悪に写るでしょうけど。
配達員されてる方はそのくらいの対応珍しくもないと思うかもしれません。
他の仕事でも感謝を想定していた行為が一蹴されることは少なくないですよね。
がっかりするし、凹みます。
そもそも13の子供が一人家を出て生計を立てていくということ自体が、現代の感覚からするとあまりに過酷。
魔女の通過儀礼といっても今の世なら虐待に等しいと思います。
そりゃきつい思いもたくさんするでしょう。
改めて見て、主人公のメンタル安定しないなとは感じたものの、当然ですね。むしろよくやっていると褒めてあげたいくらいです。
この映画のメッセージは、そういうところに込められているのかもしれません。
社会的に弱く不安定な主人公に視聴者が自らを重ね、それを労い鼓舞することを促す。
それでいい、頑張ろう。そんなふうに思えるように。
自分の年を考えると、主人公に自分自身を投影しているようでは幼すぎるのかもしれません。
上の子供は今年8歳なので、5年後には主人公と同い年。
もちろん今よりも成長しているでしょうが、たった5年後に独り立ちを促すことなんてできそうにありません。
子供がそういう無自覚な悪意ですり減らないように強く育ててやらないといけないということでしょうか。
「あたしこのパイ嫌いなのよね」
そう言われたときにどう返せるか。
タフに生きていかなければいけません。