前回、物事を始めるには適切な時期が大切というような趣旨のことを書きました。今ここに全部で百ページの教材なり問題集があるとします。これを全部やることが必要だという時に、今ここにAという子いて、その子がその能力の点から1日出来る限界が十ページとします。一ページ10分 かかる としますと10ページを やるのに100分かかります。百ページやるに10日間かります。 少なくともこれだけの時間は確保して頂く必要があります。一方、Bという子がいて、この子には、持ち時間が2日しかないと仮定します(二日後にはタイムリミットが待っている)。能力としては1日十ページ、これはAという子と同じです。百ページやらなければいけないという条件をクリアするためには、Bは1日50ページやらなくてはいけません。ここでその子の能力(の有無)を言っても何も始まらないのです。 能力を言い訳にして撤退するのか、それともとにもかくにも目の前の仕事の完遂を 最優先に考えるのか、(入試前対策などがこれに当てはまります) ここではそれが 問われています。始める時期をどこにするかということだけで考えてみます、このBという子は百ページクリアするということだけを見てみても、明らかにスタートが遅いのです。実際の勉強では全ての科目において、このことが問われます。また、それに加えその子の能力、生活習慣、目指すもの(成績や志望校がどこであるのか等々)の色々な条件や事情によって、やるべきことは様々複雑に絡みあっています。 現実的に考えるなら このBという子が この事を始めるのは本来 少なくとも 2週間以上は前 でなくてはなりません ごくたまに、実際におられますが、十把一からげに「はい通塾は週に2回、これで五科目全部の成績は四以上取らせてください、偏差値58以上の高校に合格させてください、今の学力は中の下です」と言ってのける人がいます。始める時期だけを見ても、その子が今はもう既に中学3年生になっていることを見るならば、例えて言うならば、乱れに乱れた生活習慣の末、高血圧、糖尿になった高齢者に対して、飲み薬3日分で治してくださいよ、医者ならそのぐらいできるでしょ、というか如しです。繰り返します。物事を始めるのには、適切な 時期というものが絶対にあるんですよ。
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