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そんなに安倍が怖いのか?

2017年05月10日 18時06分38秒 | 戦争・改憲よりも平和・人権

  

5月4日付朝刊各紙の憲法行事関連記事。左から順に朝日22面左上約4分の1ページ「護憲派 憲法壊すなの波を 改憲派 首相発言に意強く」、産経20面右上約6分の1ページ「憲法テーマ 活発議論」、読売18面右上約6分の1ページ「改憲・護憲 各地で集会」(毎日は別途後述)。

 前回ブログに書いた5月3日の「憲法壊すな!おおさか総がかり集会」を、他のブログやマスコミはどう取り上げているか、もし取り上げているブログが他にあるなら、トラックバックを送ってあげようと、この間ネットであちこち探し回っていましたが、なかなか、それらしき記事に行き当たる事ができませんでした。昨年も5月3日に同じ大阪の扇町公園で同じような集会が持たれた時は、マスコミも割と積極的に取り上げてくれたのと比べると、まるで雲泥の差です。

 その原因としては、昨年はその後に参院選挙もあり、その後も森友学園の疑惑や米国トランプ政権の誕生、北朝鮮ミサイル騒動やフランスや韓国の大統領選挙と立て続けに色々な事があり、今も「2020年オリンピック開催までに憲法改正実現」「米韓防護」等の安倍首相の発言に耳目があつまったので、憲法記念日の取り組み・集会の情報がその影に隠れてしまった影響はあると思います。

 しかし、私はそれだけではないと思います。仮にも国民主権の民主主義をうたう以上は、総理や政府高官のあれこれの発言や政局がらみの記事よりも、集会・デモやストライキなどの国民の運動こそ、もっと取り上げなければならないはずです。主権者は総理や政府高官、国会議員なんかではなく国民自身なのだから。総理以下は、あくまで国民の代表、代弁者でしかないのですから。

 こんな事を書くと、「集会やデモなんて参加するのは国民の一部であって、必ずしも国民多数派の声を代弁しているとは限らない」という意見が返ってきたりします。しかし、「何も言わなければ、それは意見でも何でもない、ただの愚痴でしかない」。改憲であろうと護憲であろうと、意見があればそれを何らかの形で公に表明するのが筋です。何も言わないのは怠け者の言い訳です。何も言わない権利も勿論ありますが、その事で何か言った者の声を押さえつける権利まで「怠け者」にあるとは私は思いません。

 以上、少し横道にそれてしまいましたが、その国民の声の代弁者に過ぎない総理や高官の動きばかりを取り上げ、国民の運動についてほとんど触れない事は、マスコミが権力の動向ばかり気にして国民生活をないがしろにしているという事の、典型的な現れだと私は思います。なぜ国民はそれに怒らないのか?そんなに安倍が怖いのか?

 そういう意味では、別途後述する毎日新聞の記事以外は、どの商業全国紙の記事も、私に言わせれば「カス」です。憲法改正なんて、国民の生活・安全や場合によっては直接命に関わる重大問題であるにも関わらず、どの新聞も三面記事のベタ扱い。それは、事あるごとに北朝鮮や中国の脅威を言い立て、改憲をあおる産経新聞も同じです。むしろ、産経なんて一番スペースも小さく、宝くじの当選番号告示と同じ位のスペースしか割いていません。その辺にも、ひたすら権力に媚を売り国民のことなぞ眼中にない産経新聞の不誠実な姿勢が現れています。

 それらの記事の内容も、朝日は両論併記で、1万8千人も集まった総がかり集会と280人しか集まらなかった改憲派の大阪集会を同列に扱っています。これでは、一見「中立」を装っているようで、実際は改憲派に下駄をはかせ肩入れしていると見られても仕方ないと思います。産経はもっと酷くて、改憲派の集会しか取り上げていません。護憲派は存在自体も紙面から抹殺です。これでよく「正論」「不偏不党」だとか「左に偏りすぎた世論を真ん中に是正する」とか言えるなと思います。安倍ヨイショそのもの、昔の大本営発表や今の北朝鮮・中国メディアのやり口そのものじゃないですか。読売もその点は同じです。一見、両論併記の形をとりながら、記事のタイトルも分量も改憲派に比重を置いている事は明らかです。「改憲・護憲 各地で集会」と、まだ憲法改正されていないにも関わらず、わざわざ「改憲」を先に持ってきている点ひとつとっても、世論誘導が見え見えです。

 その中で唯一評価できるのが、毎日新聞の下記の記事です。前述の朝日以下と同じ社会面の扱いながら、それらとは違い全段ぶち抜きで、「改憲 五輪口実許さぬ」「国民ないがしろ」と、言うべき事をはっきり書いてくれています。元々、オリンピックなんて憲法改正とは何の関係もないはずです。むしろ、「民族や性別、政治信条の違いで選手やサポーターを差別してはいけない」と言うのが、スポーツマンシップ本来の趣旨だったはずです。それを、「テロ対策」だ何だとこじつけて、憲法改正をテロと強引に結びつけて。「テロ対策」さえ口にすれば、監視強化も自由抑圧も何でも出来ると思ったら大間違いです。その中で、この毎日の記事は、昨今の情勢の下では、軍需産業の三菱などの大企業もスポンサーとして抱える商業紙としては、精一杯努力して書いた優れた記事だと思います。ジャーナリストとしての誇りと意地がそうさせたのでしょう。

首相、9条発言 改憲、五輪口実許さぬ(毎日新聞2017年5月4日 大阪朝刊)

 憲法施行から70年の3日、改憲を目指す安倍晋三首相は改憲派集会に寄せたビデオメッセージで自身の思いを明かした。2020年の施行を目指し、戦争放棄をうたった9条に自衛隊の存在を明記するよう言及した内容に、各地では反発や賛同の声が交錯した。

護憲派「国民ないがしろ」

 この日は各地で護憲を掲げる団体や、改憲を求める団体が集会やイベントを開いた。護憲派の集会では「早急すぎる」「東京五輪を口実にするのは許されない」などの批判が相次いだ。

 改憲派の集会では、「意気込みが伝わった」「これで自衛隊がきちんと位置付けられる」などと歓迎する声が広がった。

 大阪市北区の扇町公園であった護憲派の集会には、主催者発表で約1万8000人が参加した。「憲法こわすな!」などのポスターが掲げられ、民進や共産など野党の国会議員もマイクを握った。

 社民党の福島瑞穂参院議員は、安倍首相の改憲を巡る発言について「冗談ではない。アメリカと共に世界で戦争をするための憲法改正をどんなことがあっても止めていこう」と声を張り上げた。

 集会に参加した和歌山県白浜町の大谷真智子さん(65)は、自衛隊の存在を9条に明記したいとの意向について「9条を変えるということで腹の底から怒りを感じる」と憤り、「目標年次まで決めるのは国民をないがしろにしている。憲法をどうするかは国民が決めることで、首相が決めることではない」と語気を強めた。

 大阪市の団体職員、山田みのりさん(40)も「早急すぎる。安倍1強体制のおごりだ」と指摘した。

 京都市内の集会に参加した弁護士の宮本高平さん(33)は「施行時期を東京五輪と同じ20年にしたのは五輪の政治利用で許されない」と反発。「自衛隊が災害援助などで国民から評価されているのは分かるが、9条で明文化させれば防衛費の増大につながる」と危ぶんだ。

 広島市の集会に参加した大崎武男さん(73)は「国民の議論は熟していない。北朝鮮情勢で危機感があおられ、正しい認識ができない状況でこのまま突き進んではいけない」と反対した。

 石川県津幡町の主婦、水野スウさん(70)は自宅で毎週、憲法や民主主義について自由に語り合うカフェを開いており、この日も8人が集まった。安倍首相のメッセージについて水野さんは「20年の東京五輪を口実に、国民に『一つにまとまる時だ』との印象を与えるもので、戦時中の全体主義国家をほうふつとさせる。ナチス政権下でのベルリン五輪への機運の高まりに似ていて、ぞっとした」と語った。

改憲派「意気込み感じる」

 改憲を唱える「美しい日本の憲法をつくる大阪府民の会」などが大阪市内で開いた第18回憲法シンポジウムの冒頭あいさつで、日本会議大阪の千家敬麿議長は「これで不明確だった憲法改正の時期が明確になった。安倍総理の決断に意を強くして、さらなる憲法改正運動にまい進したい」と言葉に力を込めた。

 兵庫県三田市の自営業、小笠原理恵さん(52)は「時期を明言したことで、本気で改正を目指しているのだと政権の意気込みが伝わった」と喜んだ。

 大阪市北区の主婦、森脇友子さん(54)は「合憲性があいまいなまま自衛隊が存在しているのは異常な状態だ。これで自衛隊の存在がきちんと憲法上で位置づけられることになる」と評価した。

 広島市内で開かれた護憲派の憲法集会でも批判の声が多い中、賛同する声があった。山口県周南市の高校2年生、三木俊弥さん(17)は「改正は早ければ早い方がいい。国が国民を守るため、国防はしっかりしないといけない」と主張した。

 元陸上自衛隊北部方面総監の志方俊之帝京大名誉教授(81)は「長年議論しても合憲かどうか意見が分かれてきた自衛隊の存在が憲法に明記されることは重要だ。憲法になかったために、現場の自衛官は日陰者のような扱いを受けてきた。これで安心して任務に励めるだろう」と歓迎した。

 戦争放棄や戦力不保持を規定した1、2項との兼ね合いについては「自衛のための存在とはっきりと書くべきだ」と述べた。【遠藤浩二、加藤佑輔、石川将来】

首相メッセージ、集会に1150人参加

 東京都内でも改憲派・護憲派がそれぞれ集会を開いた。安倍首相のビデオメッセージが流されたのは、保守系の任意団体・日本会議が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などが東京都千代田区の砂防会館別館で開催した集会で、1150人(主催者発表)が参加。同会共同代表でジャーナリストの桜井よしこ氏は「心を合わせて憲法改正を進めていこう」と訴えた。

 東京都江東区の東京臨海広域防災公園では、約30の市民団体でつくる実行委員会が護憲集会を開き、民進、共産、社民の各党トップを含め、約5万5000人(主催者発表)が参加。作家の落合恵子さんは「私たちの憤りは憲法を破壊しようとするあの人たちに向かっている」と力を込めた。【後藤豪、高木香奈】

https://mainichi.jp/articles/20170504/ddn/041/040/019000c

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