ご存じの通り、森喜朗が自身の女性蔑視発言によって東京2020五輪組織委員会の会長を辞任せざるを得なくなりました。後任の会長には橋本聖子・前五輪担当相が就任する事になりました。しかし、彼女もまた川淵三郎・日本サッカー協会(JFA)元会長と同様に、森喜朗の弟子のような人物です。平和の祭典、平等・人権の象徴たる五輪に相応しい人選とはとても思えません。
そんな折、中野顕さんという方が、現代にいたる女性解放の歴史をツイッターでまとめて下さいました。この度、ご本人の承諾を得て、拙ブログに転載させて戴く事が出来ました。長文なので主に本文のみの紹介となりますが、これまでの女性解放の歴史について、非常に分かりやすくまとめて下さっていますので、皆さんも是非お読みいただきますよう、お願い申し上げます。以下転載。
【伊藤詩織さん事件】特徴は、(1)就活セクハラ・性暴力事件。(2)加害者はマスコミ人で安倍首相に近い人だった。(3)警察が逮捕を直前にとりやめ、検察が不起訴にしたが民事で争い被害者が勝った。(4)被害者が名前も顔も明らかにした。(5)セカンドレイプが組織された。(6)世界的に注目を集めたなど。
【なぜ日本では女性の人権がこんなにも踏みにじられているのか】女性の権利拡大の歴史と思想が、学校でほとんど教えられていないことも一因ではないでしょうか。倫理の教科書に出てくる思想家は男ばかり。人類の歴史の半分が無視されています。そこでざっくりまとめてみました。長文失礼します。
【女性にも人権がある】この思想の源流はフランス革命。人権宣言が採択された時、女優オランプ・ド・グージェが、「この人間の中には女性が含まれていない」と批判し、17ヶ条の「女性の人権宣言」を発表しました。「女性は生まれながらにして自由であり、権利において男性と平等である」と。
【女性に参政権を】この思想の源流は、フランス革命直後、イギリスの作家、メアリ・ウルストンクラフト。「ルソーでさえ男目線で『理想の女性像』を語る」と啓蒙思想の弱点を批判し、「女性に参政権を。経済的精神的自立を。教育を受ける権利を」と訴えました。フェニミズムの祖と呼ばれます。
【平等の州】女性参政権の始まりは1869年、アメリカのワイオミング州議会。鉱山で働く労働者が増える中で、奴隷制反対の活動家のエスター・モリス(裁縫屋、後に判事)が議会に提案し、可決されました。女性陪審員、女性判事、女性知事もワイオミングが最初。「平等の州」と呼ばれています。
【労働者革命で男女平等を】1871年、世界で最初の労働者政府がパリで樹立(パリ=コミューン)され、女性参政権を宣言しました。この時、1万人の女性が、革命軍兵士、看護師、衛生師、炊事係として参加。リーダーのルイーズ・ミッシェルの名は、フランスの学校、駅、公園の名前になっています。
【原始時代、男女は平等だった】と主張したのはドイツのエンゲルス。「土地や家畜が私有になり相続が生まれ、対立を力で押さえこむ階級社会になって、男優位になった。資本主義社会では、女性も労働者となり社会に進出するが家事との板挟みになる。家事の負担軽減と性的搾取根絶を」と訴えました。
【国として女性参政権が実現したのは、ニュージーランドが最初】普通選挙権獲得で労働者を守る法律が実現するもと、キリスト教の活動家キャサリン・シェパードが「男が酒を飲むと女性にハラスメントをする。女性を守る法律を」と女性の3分の1から署名を集め、1893年女性参政権が実現しました。
【ヨーロッパで最初に女性参政権を実現したのはロシア支配下のフィンランド】1905年、日露戦争でロシアが負けた時、独立を求め労働者が立ち上がりました。53万筆の署名とゼネストで、自治権、普通選挙権と一緒に女性参政権が実現。35歳の女性首相が誕生した背景にはたたかいの歴史があります。
【国際婦人デー】1904年3月8日、ニューヨークで女性参政権を求めるデモが行われました。1910年、ドイツ社会民主党の女性部長クララ・ツェトキンは、この日を「女性の自由と平等のためにたたかう日」にしようと提案。1975年、ついに国連が3月8日を「国際婦人デー」と定めました。
【日本の女性運動の草分け】岡山の福田英子さんが自由民権運動で「男女同権」を主張し、キリスト教矯風会の矢島楫子さんが「一夫一婦制」「売春禁止」を訴えました。1911年には、平塚らいてうさんが「原始、女性は太陽だった」と「青踏」をつくり、女性参政権、公民権、結社権を主張しました。
【世界最初の女性大臣】1917年のロシア革命は国際婦人デーのデモから始まりました。ソビエト政権は、女性担当大臣にコロンタイを任命。男性に特権を与える法律を全廃し、女性に離婚する権利を与え、婚外子の権利を認めました。保育園をつくり男女の賃金を平等にし、女性労働者が激増しました。
【世界人権宣言】1948年、国連で採択。「すべての人は法の下に平等」「男女同権」「性による差別を受けない」がうたわれました。起草委員会委員長はエレノア・ルーズベルト。女性です。宣言の承認が国連加盟の条件となり、1940年に52ヵ国(36%)だった女性参政権は、2010年には189ヵ国(99%)に。
【売春禁止】日本では1945年、GHQ指令で女性参政権が実現しました。しかし、その一方で米兵のための国営売春所を全国に設置。5万人の女性が集められました。56年、売春は禁止に。99年には、児童買春も犯罪とされました。しかし、米兵による性犯罪は後を絶ちません。地位協定で特権があるからです。
【人は女に生まれるのではない。女になるのだ】1949年、フランスの実存主義者ボーヴォワールの言葉。「『女らしさ』とは生物学的な意味だけでなく、育児・家事という分業によって、歴史的社会的につくられた観念。そこから自由になるべきだ」と訴えました。ジェンダーの考え方の始まりです。
【女らしさの神話】1963年、アメリカのジャーナリスト、フリーダンの著書。女性たちに、自己実現の場や生き甲斐を「家庭以外に」求めるよう訴えました。これが引き金になり、ウーマンリブ運動が世界に広がり、70年代には、女性が家事をいっせいに拒否する「家事ストライキ」さえありました。
【女性差別撤廃宣言・条約】1967年の宣言では、国連でさえ「育児は女性の仕事」という考えでした。それが1975年の世界女性会議を経て、1979年の条約では「男は仕事、女は家事」という固定的な性的役割分業観にもとづく障壁の打破が掲げられました。ジェンダー平等は条約上の義務となっています。
【職場での男女平等】1986年、募集・採用・配置・昇進での女性差別をなくす男女雇用均等法が制定されました(99年に禁止規定に)。出産による解雇も禁止に。95年には男も育児休暇がとれるようになりました。女性労働者は1.5倍に増えましたが、ほとんどが非正規。だから女性の平均賃金は男の69%です。
【セクハラ】昇進などの見返りに性的な要求をしたり、身体的接触や卑猥な言葉で女性の人格、尊厳を傷つけること。1986年の男女雇用均等法で経営者にセクハラ防止が義務づけられ、89年には流行語にもなりました。でも日本では刑事罰に問われません(赤)。罰則つき(緑)が世界の趨勢なのにです。
【性的自己決定権と性暴力根絶】1991年、韓国の元従軍慰安婦3人が訴訟を起こし、日本政府が「心からのお詫びと反省の気持ち」を表明しました。95年の世界女性会議では、性暴力根絶がジェンダー平等の重大課題に。94年の世界人口会議は、子供をいつ何人生むかは、女性に決定権があると確認しました。
【積極的格差是正】1999年の男女共同参画法で「2020年までに、社会のリーダーの30%を女性にする」目標を掲げました。アメリカのリベラリズムの政治学者、ロールズの考え「自由競争の結果生まれる格差は、意識的に是正されるべし」にもとづいています。国会議員の女性比率は、世界24%、日本11%。
【LGBT】一切の性的差別をなくそうと、オランダ、フランス、EUなどが「LGBTの権利宣言」を提案し94ヵ国の賛成を得ましたが、57ヵ国が宗教的理由で反対。採択されませんでした。しかし16年、国連人権委員会が「性的指向と性自認を理由とする暴力と差別からの保護に関する決議」を採択(23対18)。
【#Me too】性的暴行を受けた女性の多くは声があげられません。2007年、アメリカの市民活動家タラナ・バークが、性暴力被害者支援の運動me tooを立ち上げました。17年、女優アリッサ・ミラノが、全く偶然に同じスローガンでツイッターで発信し広がりました。19年、ILOはセクハラ禁止条約を採択。
【Japan must change】18世紀末から200年、私たちは、女性の世界史的復権の時代に生きています。今はその何度目かの大波の時期。女性の人権への態度は、人権全般に対する真剣さの試金石です。伊藤詩織さんの勇気に応え、「ジェンダーギャップ121位の日本」を根本から変えるたたかいを始めましょう。(完)
※実は昨夜、私が中野さんの了解を得て、彼の当該ツイート(ツイッター投稿)をこちらに転載した直後から、転載元のツイッターでは彼の当該ツイートが閲覧出来なくなっていました。何故そうなったのか?詳しい原因は分かりません。中野さんは、確かに東京の共産党新宿地区委員会にお勤めの現役共産党員の方ですが、まさかそれが原因でツイート規制がかかったとは思えません。
もし思い当たる点があるとすれば、彼が、その当該ツイートの前段で、伊藤詩織さんの事件を引き合いに出したからではないかと思われます。実際にも、中野さんのツイートの中で、非表示にされているのは、この部分と、それに連なる一連のツイート(私がブログに引用した分)だけです。
しかし、この伊藤詩織さんの事件(準強姦疑惑)も、既にマスコミで報道され、民事裁判の判決も出ています。2015年4月に伊藤さんがTBSの元記者でワシントン支局長だった山口敬之氏から準強姦された事件です。合意の上での性交か、酒を飲ませて酩酊状態にさせての準強姦かが争われ、刑事裁判では不起訴となりましたが、民事裁判では山口氏が敗訴し、330万円の賠償命令が既に東京地裁から出ています。
酩酊状態でホテルに連れ込まれたとのタクシー運転手の証言や、防犯カメラの映像もあり、警察も山口氏の逮捕寸前まで行きながら、直前に上層部の指示で逮捕状の執行が見送られた事件でした。逮捕が見送られた背景には、山口氏が安倍政権と近い関係にあったからだと言われています。
中野さんは、女性解放の歴史を解説するにあたり、最初にこの事件を引き合いに出しただけです。別に今更隠し立てしなければならない内容でもないはずです。幾ら裁判で係争中の事件であっても、この程度の引用も出来ないとなると、もう何も書けなくなります。
中国や北朝鮮じゃあるまいし、現代の日本で、こんな戦前の言論弾圧みたいな事が未だに行われているとは…。ほとんどの人が信じられないと思います。
もし思い当たる点があるとすれば、彼が、その当該ツイートの前段で、伊藤詩織さんの事件を引き合いに出したからではないかと思われます。実際にも、中野さんのツイートの中で、非表示にされているのは、この部分と、それに連なる一連のツイート(私がブログに引用した分)だけです。
しかし、この伊藤詩織さんの事件(準強姦疑惑)も、既にマスコミで報道され、民事裁判の判決も出ています。2015年4月に伊藤さんがTBSの元記者でワシントン支局長だった山口敬之氏から準強姦された事件です。合意の上での性交か、酒を飲ませて酩酊状態にさせての準強姦かが争われ、刑事裁判では不起訴となりましたが、民事裁判では山口氏が敗訴し、330万円の賠償命令が既に東京地裁から出ています。
酩酊状態でホテルに連れ込まれたとのタクシー運転手の証言や、防犯カメラの映像もあり、警察も山口氏の逮捕寸前まで行きながら、直前に上層部の指示で逮捕状の執行が見送られた事件でした。逮捕が見送られた背景には、山口氏が安倍政権と近い関係にあったからだと言われています。
中野さんは、女性解放の歴史を解説するにあたり、最初にこの事件を引き合いに出しただけです。別に今更隠し立てしなければならない内容でもないはずです。幾ら裁判で係争中の事件であっても、この程度の引用も出来ないとなると、もう何も書けなくなります。
中国や北朝鮮じゃあるまいし、現代の日本で、こんな戦前の言論弾圧みたいな事が未だに行われているとは…。ほとんどの人が信じられないと思います。
しかし、私には心当たりがあります。それは今年2021年の新年挨拶をツイートしようとした時の事です。前年(2020年)の初詣で、住吉大社の絵馬に「安倍退陣」と書いた事を思い出し、「当時は願望に過ぎなかったが、その後に安倍は本当に政権を投げ出してしまった。だから何事も諦めない事が肝心だ」という意味の事を書こうとしました。
ところが、その「安倍退陣」と書いた絵馬の写真を、ツイートに幾ら添付して投稿しようとしても、エラーで返されてしまうのです。ツイートに添付したのは、その写真1枚だけです。通常なら、1ツイートに付き写真は4枚まで添付出来るのに。
こんな事がまかり通るようでは、日本も北朝鮮や中国と、そう変わらないのではないでしょうか?確かに、共産党員だからと言って、今はまだそれだけで言論を弾圧される訳ではありません。しかし、一件何気ない内容でも、権力者の機嫌を損ねるような投稿や画像については、別に政権から露骨な圧力を加えなくても、メディアの方で、権力に忖度(そんたく=遠慮)して、自己規制を掛ける動きが広がっているのではないでしょうか?
これは一体誰の責任なのか?勿論、一番悪いのは、こんな世の中にしてしまった自民党の安倍・菅政権です。しかし、我々、多くの国民も、保身の為とは言え、こんな政権を長年に渡って支え続け、あるいは無関心を装って黙認し続けて来たという意味では、それなりの責任がある事は自覚すべきでしょう。森喜朗の辞任だけで、この問題を終わらせては絶対になりません。
今日もその鍼灸院で、治療の合間に、鍼灸院の院長に、ブログの話題について説明しました。
森喜朗が女性蔑視発言で五輪組織委の会長辞任に至ったタイミングで、東京の中野さんという共産党員の方が、ツイッターで女性解放の歴史について、分かりやすく解説したツイートを連投してくれた事。それを私が見つけて、自分のブログに転載させて貰った事。しかし、その直後から、中野さんの連投が何故かツイッターで閲覧出来なくなった事などについて、私は院長先生にかいつまんで説明しました。
そうしたら、院長先生も、当初は私と同様に、下記の様な感想を持たれていました。いわく、
ー中野さんによる女性解放史のツイートは、いわば教科書的な内容で、別に言論規制の対象になるような投稿ではない。もし問題があるとするなら、女性解放史の前段で、伊藤詩織さんの事件を引き合いに出したからではないか?当該事件は、安倍政権に近いジャーナリストによる女性準強姦疑惑だから、ひょっとしたらツイッター社の方で、安倍政権の目を気にして自主規制に及んだのかも知れない…と。
しかし、伊藤詩織さん事件について述べた中野さんの投稿も、以下に引用する様に、単に事件経過をまとめただけであって、自分の意見は全然書いていない。そんな投稿が何故、規制されなければならないのか?
これが、ツイッターで規制された中野さんの投稿です。↓
【伊藤詩織さん事件】特徴は、(1)就活セクハラ・性暴力事件。(2)加害者はマスコミ人で安倍首相に近い人だった。(3)警察が逮捕を直前にとりやめ、検察が不起訴にしたが民事で争い被害者が勝った。(4)被害者が名前も顔も明らかにした。(5)セカンドレイプが組織された。(6)世界的に注目を集めたなど。(以上引用)
ーこれは内容そのものよりも、安倍という単語にAIが反応して、片っ端から非表示にする様なプログラムを、ツイッターに潜ませているからではないか?
ー例えば、中国では、ウイグルやチベットの独立運動を抑える為に、ウイグルやチベットの単語が含まれたツイートは全て自動削除される仕組みになっている。それと同様に、「安倍」や「菅」、「森友・加計学園」「桜を見る会」などの言葉が含まれた投稿を、目立たない様に少しずつ削除していく様なプログラムを、ツイッターに潜ませているのではないか?
ー初詣で「安倍退陣」と書いた絵馬の写真を私がツイッターに投稿しようとした時に、何度やってもエラーで返されたのも、それにAIが反応したからではないか?
これが院長先生の見解です。それを確かめる為に、私と院長先生で、「菅政権は今すぐ退陣!」と紙に書き、その写真をツイッターに投稿してみる事にしました。それでもしエラーで返されたり、後に削除されたりしたら、その様なAIのプログラムがツイッター内に仕掛けられている事になりますから。
今までの自民党内閣だったら、幾ら何でもそこまで露骨な言論弾圧はやらないだろうと思います。でも、今の安倍・菅政権を見ていると、彼らならそんな事もやりかねないと、私も院長先生も思っています。
それで試しに、早速ツイッターに投稿してみて、当該投稿の証拠写真をスマホに保存しておきました。今はまだ「菅政権は今すぐ退陣!」投稿がツイッターに表示されていますが、それがずっと削除されずにずっと残っているかどうか?皆さんも注意して観ておいて下さい。これは日本の民主主義の成熟度を示すバロメーターです。
その理屈で行けば、日本の格差社会を批判する場合でも、「日本も遂に米国と同じ格差社会になってしまった」と言ったら、米国を貶めた事になりますね。
北朝鮮や中国の人権抑圧政策に対する正当な批判まで、朝鮮・中国人に対する民族差別とゴッチャにして、十把一絡げに批判するのは、如何なものかと思います。
過去、日本は朝鮮・台湾を植民地支配し、中国や東南アジアに侵略しました。それに対する心からの謝罪も、個人に対する賠償も、日本政府はいまだに行っていない。それは事実であり、恥ずべきことだと私も思います。
しかし、だからと言って、今の北朝鮮や中国の政府のやる事に、一切批判を加えてはならないのでしょうか?拉致問題や天安門事件、香港・台湾・ウイグル・チベットに対する抑圧政策も、一切批判してはならないのでしょうか?
過去に日本が中国に対して行った内政干渉や人権抑圧を、今度は中国が香港やウイグルに対して行っているのです。過去に、日本の天皇制政府が治安維持法下で行った弾圧政策と同じ事を、中国政府が天安門事件で行ったのです。本当に人権や民族自決権を尊重しようとするなら、どちらも批判するのが筋ではないですか?
核兵器廃絶の問題についても然りです。今や中国政府は、核兵器禁止条約の締結にも反対しています。そして、米国と一緒になって、条約を批准しないように、日本政府に圧力を加えています。広島・長崎の被爆者からすれば、米国も中国も、同じ穴のむじなではないでしょうか?
米国は資本主義・帝国主義だから批判されて当然だが、中国や北朝鮮は「社会主義」なので批判は一切まかりならぬ・・・とでも仰りたいのでしょうか?いくら「社会主義」を名乗っていても、実際にやっている事が「帝国主義」と変わらなければ、批判されて然るべきです。そんなに批判されるのが嫌なら、批判されないようにすれば良いのです。
「臣民(しんみん)」とは「天皇の家来」という意味です。戦前の帝国憲法下では、国民は「臣民」と呼ばれ、天皇批判なぞ許されませんでした。その為に、多くの国民が「天皇陛下を批判するなぞ、畏れ多い」と思わされていました。それが戦後も尾を引き、「お上には逆らえない」「社長には逆らえない」という奴隷根性となって、社会進歩の足かせとなって来ました。それは、しんきちさんも、よくご存じのはずです。
ところが、それを批判しているはずの、しんきちさん自身が、相手が北朝鮮や中国となった途端に、「相手は社会主義国だから」「過去に日本が侵略したから」という理屈で、「批判するなぞ畏れ多い」となってしまうのは何故ですか?臣民意識に囚われているのは、むしろ、しんきちさんの方ではないでしょうか?
「北朝鮮という国はない。朝鮮ならある。だから朝鮮と呼べ」という意見にも賛成しかねます。そんな事言い出せば、イギリスも「グレートブリテン」、オランダも「ネーデルラント」と言い換えなければならなくなります。しかし、それで果たして意味が通じるでしょうか?幾ら正式な国名でも、意味が通じなければ何もなりません。
しかも、「朝鮮」の場合は、それだけだと、朝鮮半島全体を指すのか、朝鮮民主主義人民共和国だけを指すのか、はっきりしません。現に「朝鮮語」と言うと「韓国語」まで含まれてしまうので、韓国人にとっては余り気分の良いものではありません。そういう微妙な問題もあるので、範囲を限定する為に、「朝鮮」ではなく「北朝鮮」と呼ぶようになったと、私は理解しています。
安倍晋三は「拉致問題の解決」を一枚看板に掲げて、総理にまで上り詰めました。安倍の胸には、今でも拉致被害者救出運動のシンボルマークであるブルー・リボンが掲げられています。しかし、実際の彼の姿はどうか?総理になるまでは、あれだけ熱心に拉致問題の解決を掲げながら、総理になった途端に、何もしなくなりました。
確かに、ポーズだけ見たら、今でも拉致問題に熱心に取り組んでいるように見えます。しかし、実際にやっている事はと言うと、啓発ポスターや啓発映画の宣伝などのパフォーマンスばかり。北朝鮮のミサイル発射騒動を利用して、選挙の支持をかすめ取ろうとするばかり。そのくせ、小泉元総理や米国のトランプ前大統領が行った訪朝すらやろうとしませんでした。だから、今まで安倍政権を支持してきた拉致被害者も、徐々に離反するようになっていきました。今では拉致被害者家族会の元事務局長・蓮池透氏も、「拉致問題を自民党の票稼ぎに利用しているだけだ」と、安倍晋三を激しく批判するようになりました。今でも安倍晋三を支持しているのは、右翼とべったりの「救う会」幹部だけです。
安倍・前政権の、この偽善的な姿勢は、拉致問題だけに限りません。北朝鮮ミサイル騒動で散々、国民の不安を煽りながら、日本海側の福井県や新潟県にある原発は再稼働。まるで北朝鮮に「ミサイルで撃ってくれ」と言わんばかりに。二言目には「拉致やテロから国民の命と暮らしを守る」と言いながら、実際にやっている事は消費増税や福祉削減などの国民虐めばかり。「北朝鮮は人権無視の独裁国家」と謗りながら、自分のやっている事も秘密保護法制定や教育勅語再評価、森友・加計・「桜を見る会」の縁故政治など、およそ民主主義に反する事ばかり。
安倍から菅に政権が変わっても、この体質は何も変わりません。「反面教材」「ブーメラン」として、これほど分かりやすい例はありません。だから、安倍・菅政権の体質を批判する際に、北朝鮮をよく引き合いに出すのです。私が批判するのは、自民党や北朝鮮の現体制であって、北朝鮮や韓国の人々ではありません。朝鮮人に対する民族差別とは全然無関係です。
※追記:北朝鮮の件でコメント欄が埋まってしまいましたが、この記事のテーマはあくまで女性差別問題です。よって、これより北朝鮮関連のコメントについては、専用の記事を別途立ち上げ、今までのコメントも含め全てそちらに移動(転載)した上で、議論を継続したいと思います。