7月の教室が無事に終了しました。
室礼は「七夕」。
牽牛と織女の天の川の伝説。
梶の葉には、天の川を渡る舵、の言葉を掛けています。
昔は短冊ではなく梶の葉に願い事や詩歌をしたためて
いたそうです。
それから、織女星に技芸の上達を願い、鹿の巻筆と
文鎮の代わりに小茄子のお守りを使いました。
茄子に物事を成す、の言葉を託します。
行事食のそうめん(七夕そうめん) は五色。
五色は陰陽五行説(木・火・土・金・水) に由来していて
厄除けの意味があります。
梶の葉の形に和紙を切って星会いと書きました。
五色の短冊代わりです(笑)。
おしることどくだみ茶。
乾燥どくだみは、友人のお母さまのお手製。
葉と茎の他、白い花も丁寧に乾燥して下さいます。
じっくりと煮出していくと、独特の香りの中にも
やさしくて甘い花の香りがして、本当に美味しく
仕上がります!
どくだみは毒、と名前がついていますが、逆を返せば薬。
漢方では十薬と言われます。
たくさんの効能をもつようですが、そのひとつに体内の
水分量を調節する作用もあるそうです。
梅雨の長雨の季節に、湿度による病(湿邪) を受けない
よう、薬効の高い植物を探した工夫なのだと思います。
ワークショップは、薬膳としてのフルーツの役割を
考えてみました。
生のまま気軽に食べられる。
ビタミン類をしっかり補給できる。
体の調子を整える。
(水分を豊富に含んでいるので) 体を潤す効果が
高いのも特徴です。
薬膳的には、体を冷ます性質のものが多いので体内に
熱がこもりやすい夏や、症状のあるときに役立ちます。
逆に、体を冷やしたくない場合は体を温める性質の
フルーツを食べる、常温で食べる、加熱をして食べる
などもおすすめです。
ワークショップでは、体を冷ます・温める、
両方の性質のフルーツを用意しました。
台湾スイーツの愛玉子とフルーツマリネを作りました。
お食事(五季食楽) は夏季養生「晩夏の家庭薬膳」。
7月は梅雨の末期。
梅雨が明けると同時に夏本番です。
夏の土用に入ります。
半夏生。
半夏が生え、半夏雨と呼ばれる大雨が降る頃。
田植えを終わらせる目安になった雑節で行事食はたこ。
(たこの) 八本足に習い、稲が根をはることを
また、たくさんの吸盤に習い、稲がたくさん実る
ことを願います。
過ごし方・食べ方 / 家庭薬膳では、梅雨寒の
冷え対策、それから湿気対策をしっかりとして
体調を整えます。
小暑。
梅雨明けが近く、本格的に暑くなる頃(夏本番)。
急に蒸し暑い日々に移り、急に暑さが身にしみます。
まずは、気候変動に気をつけ、高温多湿に慣れて
いない身体が発するSOSをいち早くキャッチ!
次に栄養不足を避けます。
その他、食品の性質や効能で暑さや余分な熱を
冷まします。睡眠不足や脱水症状を避けることも大切。
夏本番に入るので、こまめに夏バテをする前に予防する・
こまめに疲労を回復することを目指します。
大暑。
夏の土用と重なる二十四節気。
梅雨明けの湿気の多い時期。一年で最も暑くなる候。
体を適度に冷ますことが必要。しかし一方では
胃腸周辺は冷やし過ぎに注意!
体力・消化力はそのまま気力に直結するからです。
夏の土用。
暑さが極まる。夏の特徴が一番現れる候。
古くは一年の中でとりわけ気が乱れやすい裏鬼門の時期。
気が乱れる頃は気の乱れ、自律神経の乱れに注意。
冷房が効いた室内と灼熱の屋外の温度差にご注意!
それから、夏のかぜ / 熱いかぜ(発熱型) にご注意。
発熱してのどが痛むことが多く、のどが渇くのが
特徴だそうです。
土用は季節の変わり目。
「前の季節の過ごし方が、次の季節の体調に影響する」
と言いますので、どうぞ夏本番を健やか・快適に
過ごしていただいて、梅雨バテ、夏バテとひいては
秋になって乾燥(燥邪) で体調を崩さないよう、乾燥に
弱い呼吸器系の疾患をいまから対処いたしましょう!
食前のドリンクは、別府温泉水あまざけ。
別府の温泉水で仕込んだ甘酒です。別府温泉には
昔から温泉水を飲む「飲泉」という回復法があって
甘酒が一緒になりました。
お肉料理は牛肉。
薬膳風の炒めものです。
夏の土用は「う」のつく食べものからの「うし」。
栄養的には、汗とともに流れ出るヘム鉄を補給。
薬膳としての効能は、補気・補血・活血・健脾など。
下味に葛粉を加えています。調味料は熱を冷ます
寒性と、熱を落ち着ける涼性の性質を選びました。
醤油とオイスターソースの組み合わせ。
魚料理は、半夏生の行事食からたこ。
ミックスビーンズと合わせてサラダにしました。
豆類は湿を除き、たこは補気・補血に役立ちます。
ドレッシングはこの時季ならでは!
梅干しづくりの途中で取れる白梅酢を使いました。
五色そうめん。
鶏手羽(のだし) と枝豆でつゆを作りました。
欲しかったのは鶏手羽のコラーゲンと、枝豆の
湿邪を尿として排出する効能です。
ごはんは五種の麦を入れて炊きました。
旧暦の七夕は、麦の収穫期にあたります(麦の豊穣)。
愛玉子とフルーツ。
美肌食材の愛玉子は、肺を潤す、体の調子を整える
などの薬膳効果があります。フルーツも薬膳効果が
似ているので、合わせることで相乗効果ばっちり!
漢方ティー。
ゆすら梅とりんご酢のビネガードリンク(生徒様お手製)。
こちらにスーパーフードの枸杞の実を漬けました。
枸杞の実は肝や腎の機能を高めるほか、夏の肌ケアに効果的!
今月もご参加下さいましてありがとうございました。
◎次回は8月3日(土)、4日(日)、5日(月)
暦は立秋、処暑。
ワークショップは「カレーの世界をぐんと広げる」
ふじももキッチン恒例により8月はカレー。
薬膳におけるスパイスの役割をセミナーし
組み合わせや使い方をご紹介します。
好みの調合がみつかりますように。
食事(五季食楽) は夏バテ防止。
夏の疲れが出ないようこまめに不調を祓います。
場所:大分県大分市。
募集状況:全日満席をいただいています。