気まぐれ日記☆着物の小部屋

2007年耳下腺癌の手術で顔が変わり、生活が一転。街歩きと着物と芝居のブログをどうぞ宜しく♪

歌舞伎 「阿弖流為」  

2015-07-28 18:20:44 | 芝居

 劇団☆新感線の上演から13年、ついに「阿弖流為」 (アテルイ) が歌舞伎化されました。

 

今年一番期待の大きかった舞台。

20日に、娘、夫、とともに鑑賞。

期待にたがわず、胸のすくような、全力疾走の熱い舞台に今も感動がよみがえります。

 

 7月20日 「阿弖流為」 新橋演舞場にて 作:中島かづき 演出:いのうえひでのり

               出演:市川染五郎、中村勘九郎、中村七之助、坂東弥十郎、片岡亀蔵ほか

 

 あらすじ

   北の民族は蝦夷(えみし)と呼ばれ、大和の時代から、朝廷と争いを重ねていた。

  平安初期になり、北への勢力を確たるものにしたい朝廷は 坂上田村麻呂(勘九郎)を征夷大将軍に任じ、北への更なる侵略を始めた。

  蝦夷の長は 阿弖流為(あてるい)(染五郎)

  この二人は、敵として戦いながら、時として共通の敵を倒しながら、お互いを認め合っていく。

  しかし、蝦夷の仲間が倒れ、戦いが深刻化していく中で、阿弖流為は蝦夷の存亡をかけ、ある決断をする。

 

 この芝居は13年前、染五郎が案をだし、劇団☆新感線により舞台化された。

演劇的な評価が高く、その年の読売演劇大賞に輝いた作品。

今でも、2つの花道にそれぞれ立ち、大音声で 「我こそは・・・・」と名乗り合う場面が忘れられない。

堤真一と染五郎のかっこよかった事!!

朝廷を背負う男と、蝦夷を背負う男のぶつかり合いだった。

今までみた芝居の中でピカイチの場面だ。

 

 この芝居が歌舞伎化で、どう変わるのか? 楽しみだった。

今回、一階の両方の花道が見られる一階席を絶対に確保するつもりだったが、

なぜか、歌舞伎会のチケットでも良い席が無かった!!10時ピッタリにホームページを開いたのに~!!何で~~?

悔しいけど、2階席、中央、前から2番目がとれたので、まあまあ良し。

 

まずは13年前のチラシ写真・・・・・舞台のイメージがわかるかしら?

          

  

市川染五郎                堤真一                   水野美紀

 

歌舞伎版

          

  

市川染五郎                中村勘九郎                中村七之助

 

 歌舞伎化に際し、脚本も書き直し、演出も変えたそうだが、限りなく☆新感線に近い歌舞伎だった。

舞台狭しと全員が全力疾走、派手な立ち回り(もちろん音付き)、全員歌舞伎役者なので(歌舞伎なので当たり前!)見得が決まる、

全員立ち姿が良い。

これでもか!!と思うぐらいに立ち回りのシーンが多く、いずれも見事。

染五郎は勿論素晴らしいが、勘九郎の力のこもった太刀さばきは素晴しい。

七之助も、負けじと刀を振るい、流麗な太刀さばきで、こんなに動ける役者だったのかと驚いた。

 

 新感線とどこが違うかと言うと、全員男性だという事。

立ち回り部分は、鍛えられた役者達が演じるので、一糸乱れずで全く目が離せない。

ストーリーが歌舞伎向けに非常にわかりやすくなっていた。

阿弖流為の相手役・田村麻呂を勘九郎が演じたため、田村麻呂が、若干若い設定になっていた。

新感線版は、おどろおどろしい闇の部分と 別れの切ない部分があったが、歌舞伎版は少し違ってさっぱりした感じだった。

 

 以前、勘三郎が、いのうえひでのりに、「この芝居は歌舞伎役者がやれば、歌舞伎になります」と言ったそうだ。

確かにそうだった。

新感線版も忘れ難い芝居だったが、

歌舞伎版も、素晴らしく、是非再演をお願いしたい。それも早目に

勘九郎と七之助はまだまだ大丈夫だが、染五郎はこの芝居50代に入ったら無理だと思う。

立ち回りもそうだが、最初から最後まで力を入れっぱなしなので体力勝負の芝居といえるので。

 

 また一つ、思い出に残る芝居に出会い、とても満足しています。

 

  

着物姿がちらほら                              前回アップしたのと同じ麻の着物。

                                          帯、半襟、帯揚げは よそゆきバージョンにしました。

 

 

 

 

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8 コメント

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早めに伺いました (だんだん)
2015-07-29 13:53:10
13年前に演じられて、今度は再演ですか。
2度ともご覧になったのでしょうか?
内容よりも、漢字の読み方に驚いた!
アテルイとは、また凄い当て字ですねー
それと、蝦夷をえぞと読まずにえみし・・・
戦支度も、近未来的な武将みたい。
昔はアイヌ民族が日本を網羅していたということですが、その関係はあるのかしら?
銀河さんの通ぶりは、素晴らしい♪

来月初めに、仲間と会津駒ケ岳登山(百名山)
と言えば聞こえは良いけれど、故障者続出なのです。
私も足腰に不安抱えてるしね。
どうやら、登山組と尾瀬ハイキング組に分かれることになりそうですよ~(笑)
返信する
だんだんさん (☆銀河☆)
2015-07-29 19:42:06
早速訪問して下さって有難うございます。
あっついですね~
さすがに約束と必要以外の外出は控えるようにしたいと思っています

一度目は劇団☆新感線で見て大感激!!
2回目が歌舞伎化された今度で、阿弖流為は2回見ました。
チラシは古いファイルから見つけましたよ。
何せ、カッコ良さが身上のお芝居、チラシからして
力が入っています。

 蝦夷(えみし)は古代、関東以北の民の総称でした。
民族的には大和の民との違いはなかったようです。
平安中期以降になると、蝦夷(えみし)ではなく、
蝦夷(えぞ)と呼ばれるようになり、北海道のアイヌを
指すようになったようです。

阿弖流為は、私も最初当て字と思ったのですが、
どうも、実在の人物のようです。
京都清水寺に、比較的新しい碑ですが、
阿弖流為の石碑が建っています。
清水寺で10年ほど前にこの碑を見つけた時は嬉しかった~~♪

こんな雑学も、13年前にだんだんさんと同じ疑問を持ち、
調べ始めました。
長いコメントですみません~

来月は、登山ですか。
だんだんさんも膝が良くなったとはいえ、無理はできませんね。
さて登山と尾瀬とどちらに行かれるのやら
どちらも素晴らしい景色が拝めそうですね。
返信する
素晴らしかったですよね! (mako)
2015-07-29 19:47:29
ご家族で観劇とは羨ましい(*^^)v
観客席全員のスタンディングオベーションは
見事でしたね。
私の席からは役者さんの息遣いや汗が良く見えたので
この席での観劇もありだなぁ~と思ったのですが
破産しそうで怖いです(笑)
来月はいよいよ新感線ですね。
この暑さでお出かけ大丈夫か心配です。
返信する
makoさん (☆銀河☆)
2015-07-30 09:39:41
 良かったですね~♪
久々に痛快な舞台を見ました。
息遣いや汗・・・・いいなぁ。
絶対に良い席を取りたかったのですが、
S席の後ろの方、それも花道の外側しか空いてなかった!!
2階席中央を取ったのですが、一階席の良い席で見たかったわ。

来月の新感線、五右衛門と轟天ですね。
4、5年前?の轟天シリーズの時、橋本じゅんが腰を痛め休演、結局見られなくて悔しかった!!
今からワクワクです。

makoさん、暑いので、お体充分に気を付けて
活動なさってね。
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Unknown (yasukon)
2015-07-31 18:39:03
こんばんは!
銀河さんの解説を読ませていただいて素晴らしいなぁ~って思いました。
近くなら 観に行きたいぐらいです。
歌舞伎と劇団・新感線のと両方ご覧になられているので比較が面白かったことでしょう。
いろいろ御存じで感心させられます。

私はもう少しアンテナを張っておかないといけないなぁ~って思わされます。全部が全部いけませんが都合がつけば行きたいですからね。
まだまだ勉強不足でよちよち歩きですがまた教えて下さい。

返信する
yasukonさん (☆銀河☆)
2015-08-01 01:32:20
 以前は、芝居を見るのは結構マイナーな趣味で、
語り合う人がいませんでした。
読む人がいないかもしれないけど、
ブログに書いちゃえ!!って思ってました。

そのうち、周囲の友人やブログのお友達を誘っていく事も多くなり、
お芝居を見に行く友達も増えました。

yasukonさんも舞台がお好きですね。
お仲間ができて嬉しいです。
阿弖流為は10月3日から17日まで大坂公演がありますよ。
もう一度見たいぐらいです。
返信する
原案は? (だんだん)
2015-08-02 14:42:41
女子孫が夢中で読んでる本を見て・・・
「炎立つ・高橋克彦作」
朝廷に背き蝦夷に身を投じる話。坂ノ上田村麿も出ます。
アテルイは、関係ありますか?
面白いよ~と薦めてくれるので、読むつもりですが。
返信する
だんだんさん (☆銀河☆)
2015-08-03 13:48:16
>炎立つ・高橋克彦作<

知らなかったです。
若者も面白いと思う本なんですね。
女子孫さん、よく本を読んでらっしゃいますね。

阿弖流為は古い記録に2回 記述があるそうですが、
詳しくは不明の人物です。
滅びゆく民の長として闘い、敗れ、処刑されたと言う点が、
舞台を作った方達の想像力を刺激したようです。
実際に北と戦った坂上田村麻呂とは接点が無かったかもしれませんが、
敵役に彼を登場させると、フィクションとしての面白さが倍増しますね。

本、面白そうだったら教えてね。
返信する

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