新・本と映像の森 79(マンガ12・SF19) 萩尾望都『ポーの一族 春の夢』小学館、2017年
193ページ、本体648円
萩尾望都さんの「ポーの一族」の40年ぶりの新作。
時代は1944年のイギリス西部。だから「1940年 オービン 年取ったリデルに会う」(『ランプトンは語る』)直後の時となる。
姉ブランカと弟ノアは、ユダヤ人が迫害されるドイツからイギリスに逃れ、エドガーとアランに出会う。
シューベルトの『冬の旅』「春の夢」を唄い、共鳴するエドガーとブランカ。
そこに不思議な能力をもつパンパネラ・陽気なフランス人ファルカと、別のパンパネラ一族・オットマー家がからんでくる。
大老(キング)ポーも登場する。
そして、やはり、今回の主人公はブランカとファルカだ。
ちょっと能力の方向が違うような気もするけど、次回作は期待する。とくに「キリアン」のその後には。
ではともかく、「さようなら、またいつか会えるまで」。