さて、新年早々ですが医療系の記事がありましたので、ご紹介いたします。
定年医師を活用へ登録制度
http://www.nhk.or.jp/shutoken/lnews/1004996941.html
独自埼玉県と県の医師会は今年度、平成24年度から全国の公立病院や大学病院で定年を迎えるベテラン医師を対象とした新たな登録制度を設け、医師の確保を図っていくことになりました。
埼玉県は平成22年末、人口10万人あたりの医師の数が142人と全国平均の219人を77人下回り、昭和55年以降の30年間、人口あたりの医師の数が全国で最も少ない状態が続いています。
このため埼玉県と県の医師会は来年度から全国の公立病院や大学病院で定年を迎えるベテラン医師を対象とした新たな登録制度を設けることになりました。
全国の公立病院や大学病院のベテラン医師に連絡を取り、定年後、埼玉県で働くことを希望するか聞き取ったうえで、希望する医師を登録し、医師の確保を図っていくことにしています。
埼玉県医師会によりますと、定年を迎えるベテラン医師を対象にした登録制度を設けるのは全国で初めてだということです。
埼玉県医師会の金井忠男会長は「定年後、再就職先探しに苦労しているベテラン医師は少なくない。経験豊富な医師が来ることでその指導を受けることを希望する若手医師を呼び込む効果も期待出来る」と話しています。
01月01日 07時27分
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この記事で2つのことを思いました。
1つは「いつまで働かせるつもりだろう」「リハビリとかは不要なのか?」
2つめは「老後が心配なのが、勤務医。特に教授クラスは心配ですよね」
という二つです。
いつまで働かせるのだろう…というのは当然、65歳からの再就職です。いつまで働かせるつもりなのか…というのは気になります。75歳まで働く?
つらいですよね。医者に老後はないのか?
また、65歳から前線で働く?
65歳の医師、現役の方ももちろんいらっしゃるかとは思いますが、第一に現場の第一線で働いていなかったらいきなり出るのは苦労するかもしれません。僕らくらいの若手でさえ1年臨床現場から離れると不安になります。
ベテランの医師といっても現場にあまりいない教授クラス、特に病院長クラスなど(病院によっては現場でバリバリの院長先生もいるとは思いますが)だと、久方ぶりの臨床の前線ではわからないことも多いのではないでしょうか。
もう一つは老後が気になりますよね。
まず、過去に様々な先生がブログで書かれていましたが「医者の年金」はあまり期待できません。ころころ勤務先が変わると積み立てがうまくいきませんし、共済年金から厚生年金への切り替えを行わずに…という方もいるのではないかと思います。
さらに匿名で某雑誌に投稿していた国立大学医学部教授の談を軽く要約してみます。
「以前は医学部教授と言えば給与自体は低かったが、製薬会社からの寄付や医局員からの学位の謝礼、患者からの心付けなど副収入が潤沢にあった。
これが給与に合わない激務やリスクの埋め合わせをしていたが、現在副収入は激減。給与は年収1000万円だが、病院長や医学部長になると忙しすぎてバイトもできないので、なることが恐怖ですらある。
退職金も期待できない(教職員ですからね)し、老後に不安」
そんな文章でした。
まぁ、年金も怪しい、収入も少ない・・・・。いつも書いていますが、このままでは大学に人は来なくなります。
良いように考えれば、このバックアップシステムになるかもしれない・・・。しかし、これは基本的に老後も働けと言っているのであって、本末転倒ですらあるw
僕はこの記事で「医者を何歳まで働かせて…日本の医師数を確保しようとしているのか」という問題と、再就職探しをしなくてはならない「医者」という職種の問題、そしてそのことによる教育システムの破たんの可能性を示しているつもりです。
過去にも様々な記事を書いてきました。
文部科学省意見公募開始:大学医学部定員増 or 新設議論
全医連声明発表:僕の中では「医療戦力の効率運用」と「大学医学部の充実」を優先かな
慢性疾患が急性疾患をきっかけにあらわになったらどうしますか?
などなど
いつぞや教授の募集に「3か月以内にやめないこと」を条件にしている大学があるという話を聞きました。そのくらい「怪しく」なってきています。
僕が普通の考え方している人だったら…たぶん、教授になってある程度したら辞めると思いますね。だって、その先が見えてこないんですもの。
もっとも、僕は「僕は何がしたいのか…を考える」でも書いたように医者として世界中の人に対してやりたい夢があるので、その夢は追及したいと思っていますが・・・
もう一度書きますが、そう言ったことも含めてまず厚生労働省は「大学病院 医局の改善」を行うことから始めてほしい。
そしてこの記事に書かれていることは・・本質的にはどうかと思っていますが、急場をしのぐ「応急処置」としてやるのであれば60点あるかないかくらいだと思います。
基本的には…悪い書き方をするならば「天下り先確保政策」になってしまうし、現場の医師数増加にはあまりつながらないと思います。若い医師が喜んで集まるような先生だったら再就職先はすぐ決まると思うので。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また。