新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

ノロウイルス感染症増加中:気をつけましょう

2012-01-04 11:03:06 | 医療

さて、最後にもう一つ。これを書いたらPCはしまうので、皆様コメントは明日以降にお返事いたします。

 

 http://mainichi.jp/select/science/news/20111230ddm041040033000c.html

激しい嘔吐(おうと)や下痢を繰り返す感染性胃腸炎の患者が、この2カ月で4倍に増えたことが、国立感染症研究所の集計で分かった。原因の大半がノロウイルスとみられる。今年は、流行期前から生ガキを食べて感染する人が多いのが特徴で、専門家は「中心部までしっかりと火を通してから食べてほしい」と呼びかける。

 全国約3000の小児科を対象に実施している定点調査を集計した。それによると、10月17~23日の1週間では1施設あたりの患者は3・0人だったが、その後、増加し始め、最新の今月12~18日では11・7人に増えた。

 厚生労働省によると、今年は生で食べることが多い岩ガキが原因とみられる食中毒が多く、東北、関東を中心に5~8月で7件確認された。02~10年は計9件で、今年は異例の事態という。

 感染経路には、便や嘔吐物から手などを通して広がる「人から人」と、汚染された魚介類を生または加熱不足で食べる「食べ物から人」がある。感染防止には、手洗いの徹底と85度以上で少なくとも1分の加熱が重要だ。

 ウイルス性食中毒に詳しい野田衛・国立医薬品食品衛生研究所室長は「東日本大震災で下水施設が被災し、浄化が不十分な処理水が海に流れ込んだ恐れがある。手洗いと加熱を徹底してほしい」と話す。【斎藤広子】

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昨日たまたま見たテレビで「ノロウイルスによる食中毒が・・・」と言っていましたが、ここに書いているように人‐人感染があるので食中毒ではなく、感染症です。

流行ってきているみたいなので、皆さん気をつけましょう。

 

僕もちょっとおなかを下してしまってw

 

さて、追加でこの記事を紹介します。

[ハルツーム 2日 ロイター] 国連の南スーダン担当者は2日、民族衝突が続く同国東部ジョングレイ州の町ピボルから、最大で5万人が避難していると語った。

国連筋によると、過去数日間にわたり、ロウ・ヌエル民族とムルレ民族による対立が続いていたが、ロウ・ヌエル民族の武装集団約6000人がピボルを襲撃したという。家畜の牛をめぐり、両民族の間で衝突が起きたとみられている。

Lise Grande国連人道調整官(南スーダン担当)はロイターに対し、「避難民の健康状態を心配している。彼らは水も食べ物も持っていない。推定だが、2―5万人が避難していると思う」と述べた。負傷者については情報が得られていないとしている。

南スーダン軍の報道官は、ピボルに部隊を派遣したと発表。国連筋によると、兵士約3000人と警官800人がピボルに向かっているという。

南スーダンは昨年7月、2005年の和平合意のもとスーダンから独立したが、その後も反政府勢力による暴力や民族間の対立に悩まされている。

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自衛隊の派遣のことも含めて、気になる記事ですよね。
物を作るだけでなく、人を育てることもできればいいのですけど。
僕は本当に必要なのは「教育」であって、自分たちで物を作ったり、社会のシステムを変えていく国民を作っていくことだと思います。それができるのであればPKOは無意味ではないですが、ものだけつくって「破壊」されたり、「老朽化」して行くだけなら、ほとんど意味はないと思います。
教育をすることができるのか。僕はそこにPKOの意義があると思っているので、この状況で教育ができるかと言えば・・・・
 
と思ってしまいます。
まぁ、一国民の意見でしかないですが・・・・。

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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不活化ポリオワクチン申請:早く承認されるといいですね

2012-01-04 10:47:40 | 医療

さて、続けます。

 

ポリオワクチンの生ワクチン、不活化ワクチンの話は過去にもBlogで書きましたが、その話です。年末にさらりと出ていましたね・・・。

不活化ポリオワクチン、初の承認申請 阪大微生物病研

<script type="text/javascript"></script> <script src="http://imp.asahi.com/bservers/AAMALL/acc_random=51274628/pageid=91841532/AAMB1/SITE=KENKOU/AREA=RECT2/AAMSZ=300X250/OENCJP=EUC"></script> <script type="text/javascript"></script> <script type="text/javascript"></script>
http://www.asahi.com/health/news/TKY201112270589.html

 ワクチンメーカーの阪大微生物病研究会(大阪府)は27日、ウイルスの病原性をなくした不活化ポリオワクチンの製造販売を厚生労働省に承認申請した。不活化ポリオワクチンの承認申請は国内では初めて。厚労省は来年秋の接種時期までに導入をめざしている。

 申請したのはポリオと百日ぜき、ジフテリア、破傷風の4種混合ワクチン

 感染すると手足に麻痺(まひ)が出るポリオの予防接種は、国内では生ワクチンのみが承認されている。生ワクチンには病原性が残るため、まれに接種を受けた子どもらに麻痺が出ることがある。不活化ワクチンの早期導入が課題となっている。

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100万分の1の確率。稀ではあるが・・・1~2年に一人は出てもおかしくない可能性

 

以前も書きましたが、ポリオが激減した今の段階で「生ワクチン」の方がよいのか、それとも不活化ワクチンの方がよいのか…と言えば不活化ワクチンだと思います。

現場からの医療改革推進協議会2日目:ポリオワクチンの話から

 

理屈は上の記事に書きましたが、患者が大勢いて感染リスクが高い場合は「生ワクチン」で抵抗力を早くつける必要があります。しかし、ウイルス感染者が少ない・・すなわち感染リスクが低い現在、生ワクチンは感染リスクをあげているといってもよいと思います。

不活化ワクチンと生ワクチンを同時に接種すれば・・・不活化ワクチンの意味はあまりない。生ワクチン接種者の便から感染する可能性があるので。

生きていない不活化ワクチンに麻痺の可能性はないので、安全ですしね・・・・

そういう意味で早めに承認されたらよいと思っています。

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ALSの治療法の発展を祈念して・・・

2012-01-04 10:16:24 | 医療

 

おはようございます。

 

今日はまだ正月休みを頂いています。臨床現場ではないので、少しゆっくりとした正月です。ありがたいですね(ほんとうに、なかなかないので)。

 

昔は正月含めて休みはなかったけどw

 

さて、今日の記事ですがいくつかあります。ちょっと古いのですけど・・・気がついたので。

 

難病ALS、発症メカニズム解明…九大・慶大 <script src="http://static.mixi.jp/js/share.js" type="text/javascript"></script>

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=52361

 九州大と慶応大の研究チームは27日、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の発症メカニズムをマウス実験で解明したと発表した。

 脊髄で分解酵素の働きが低下し、神経を活性化させるアミノ酸「Dセリン」が増加、蓄積するため、筋肉の萎縮を引き起こすという。「酵素の活性を高める方法が見つかれば、治療薬の開発も期待できる」としている。研究成果は米科学アカデミー紀要(電子版)にも掲載された。

 ALSは脊髄内で筋肉を動かす運動神経が障害を受け、次第に全身の筋肉に力が入らなくなる病気。全国に約8500人の患者がいるとされる。詳しい原因は不明で、根治的な治療法も見つかっていない。

 研究チームは、遺伝子操作を受け、ALSと同じように脊髄の運動神経に障害を持つマウスで実験。脊髄内のアミノ酸の量を調べたところ、Dセリンが健康なマウスの約3倍に増え、蓄積していた。さらに、Dセリンの増加を抑える分解酵素「DAO」の働きが、通常の半分に落ちていることもわかった。

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ALSに関してはある意味一番いやな疾患の一つだと思っています。

 

僕は血液内科として「人の死」にもよく関わっていますが、血液内科として僕が一番臨床でよいと思っていることは、良きにしろ悪いにしろ患者さんと一緒に前向きに戦っていられることだと思っています。

論文を読んでいないので詳細はわかりませんが、ALSの原因解明とは言えないのだと思います。しかし、原因の一端が分かったことで薬が作れるようになってくるかもしれない…というところによいところがあると思います。

 

原因の一端というか…原因は不明だが、何が起きていくかが分かったことによって対応できるところが増えるということでしょうか。

 

この書き方ではわかりにくいと思いますので、例えばの書き方をします。

 

例えば30代の方で俗にいう「スキルス胃癌」になったとします。スキルスになったとは言っても手術で完治できる可能性がある…と思えば、人はまだ未来をみることができます

これが再発してしまったとしたらどうか…ということです。

スキルス胃癌の再発で治療できる手段は限られていると思います。完治は難しいでしょう。緩和ケアなど症状に対する治療は行っても、原因に対する対応ができないというのはつらいものです。

 

僕ら血液内科の場合、抗癌剤がよく効くことが多いのもあり、緩和ケア・・と言いながらも積極的に内服抗癌剤を使用します。それで抑えられる可能性もあります。再発したとは言っても標準治療を行わないで、次の手をもってきます。・・・悪い場合、前向きに倒れる可能性もあるのですが、それは患者さん本人と家族と医療従事者での相談の上です。

ALSと診断された場合、最初から「診断はALSです。しかし、治療法はありません。症状は・・・・で、最終的に全身の筋肉が動かなくなり、呼吸ができなくなって死亡します。それまでの間・・・」のような話になるのだと思いますが、神経内科医ではないので細かいニュアンスはすいませんが分かりません。

ALSの診断をつけても、そのあと治療法がない。これは告知をするのにもつらいと思います。患者さんにとっても医療従事者にとってもつらいのではないかと思います。

そこに一筋の光明を投げかけているのだと思います。

 

そういう意味でこの記事はBlogに書いてもよいものだと思いました。

ALSの治療が発展していくことを祈念しています。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

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