おはようございます
昨日に比べると首・肩の痛みが改善されてきました。マッサージでもしてもらいに行こうかしら…と思ったりします。
さて、今日は最初にこちらの記事を紹介します。
医師らに6700万円賠償命令=女性死亡で「措置不適切」―名古屋地裁
時事通信 1月27日(金)21時10分配信
岡崎市民病院(愛知県岡崎市)で受診した女性=当時(36)=が子宮外妊娠で死亡したのは診断ミスなどが原因として、夫ら遺族3人が病院を運営する同市と担当医師(33)を相手に計7800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、名古屋地裁であった。堀内照美裁判長は医師の過失を認め、市と医師に計約6700万円を支払うよう命じた。
堀内裁判長は「尿検査の結果や腹痛の訴えを踏まえれば、医師には女性に子宮外妊娠の可能性が高いことを伝える義務があった」と指摘。その上で「早急な受診や治療の必要性を十分に説明しておらず、医師の措置は不適切だった」と結論付けた。
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堀内裁判長は「尿検査の結果や腹痛の訴えを踏まえれば、医師には女性に子宮外妊娠の可能性が高いことを伝える義務があった」と指摘。その上で「早急な受診や治療の必要性を十分に説明しておらず、医師の措置は不適切だった」と結論付けた。
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千葉・旭市に賠償命令=医療ミスで植物状態―東京地裁
時事通信 1月26日(木)18時40分配信
千葉県旭市が運営する国保旭中央病院に入院中、担当医のミスで呼吸困難に陥り、植物状態になったとして、同県山武市の女性(84)と家族が、市に約9800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(尾島明裁判長)は26日、約5800万円の支払いを命じた。
判決によると、女性は2004年11月、左顔面のまひを訴え入院。首への麻酔注射を受けたところ血管が傷つき、血腫により呼吸困難になった。担当医らは気道確保のため、鼻や口から管を挿入しようとしたが失敗。気管切開に切り替えたが、女性は低酸素脳症により植物状態となった。
尾島裁判長は「気管切開への切り替えが7、8分早ければ、後遺症を残さずに回復した」と判断した。
国保旭中央病院の話 判決文の内容を確認して今後の対応を決めたい。
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判決によると、女性は2004年11月、左顔面のまひを訴え入院。首への麻酔注射を受けたところ血管が傷つき、血腫により呼吸困難になった。担当医らは気道確保のため、鼻や口から管を挿入しようとしたが失敗。気管切開に切り替えたが、女性は低酸素脳症により植物状態となった。
尾島裁判長は「気管切開への切り替えが7、8分早ければ、後遺症を残さずに回復した」と判断した。
国保旭中央病院の話 判決文の内容を確認して今後の対応を決めたい。
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まず、一件目の話ですが・・・状況が良くわからないのですけど、いろいろ考えられます。尿検査と書いているので妊娠反応が陽性だった・・ということなんでしょう。それで腹痛・・・だから子宮外妊娠の可能性を考えろ・・というのはしごく普通のことだと思います。
ただ、子宮外妊娠の可能性が高いと・・・書いているのは結果がわかってからであるからで、子宮外妊娠の可能性もあるから産婦人科に行きなさいというのが普通だろう。
むかし、21歳男性で…普通の医務室(クリニックよりしょぼい、検査もあまりできない)にあとから見たら急性白血病の患者が来ました。初診は僕だったのですが、21歳という年齢で吐き気で受診した時に「急性胃腸炎」などを普通に考えました。
一応、「1週間たっても改善しなかったら他の病気の可能性があるので、病院に受診してね」といったら、1週間後来ていて血液検査で異常が出たというものです。あの時は他の先生(消化器内科)から相談を受けて、血液像を見た後「白血病ですね~」と言って、転院調整をした後患者さんにあったら・・・「おまえかぁ~」と言ってしまいましたw
一応、他の病気の可能性を考えていたといっても、白血病は考えていませんでしたよw 自分の専門なのにw
もっとも、訴えが貧血(マラソンの練習についていけなくなった・・・と救急車内で言われました)と吐き気だったら気が付いたと思いますけどね。あとで、言われると辛いところではあります
昨日も、たまたま職場のかたのご家族の相談をされました。おそらく主治医の先生に不信感があるのだと思いますが、基本的な考え方が間違っていないことは伝えました。ただ、予定と異なる臨床経過であった時にどういう対応をするか・・・が、僕とは相いれませんでした。
通常(少なくとも僕は)、ある一定のクリニカルスケジュールを予測して治療を開始します。これは恐らくすべての医師がやっていると思うのですが。
これと異なる経過になった場合、何かがおかしいと修正する必要があります。
当初の予測の倍の時間が経過し、発熱も他の症状も改善していないとなれば、他の疾患である可能性を考えなくてはならない。その可能性に関して専門家ではないですが、説明を受けている検査結果から類推して「この可能性が否定できないのですが、確認(否定できている)して今の治療を継続しているなら問題はない。確認していないなら、確認する必要がある」と伝えました。ついでに言うと検査結果が悪化していたら、僕は絶対にもう一回改善ポイントを確認するまでは検査しますけどね。
すなわち、医師は常にビジョンをもつ必要があります。ただ、未来をすべて予測することは不可能ですので・・・一番目の件でどういう話だったかはわかりませんが、予防線を張り損ねて不幸な出来事が発生したということだと思います。
二番目の件は医原性なのでそういう問題は無きにしも非ずですが、医療はすべてそういう可能性を含有しています。僕らが使用するのは抗癌剤、猛毒です。それを投与しているという自覚はありますので、最大限「クリニカルスケジュールを予測」し、対応しています。
ただ、合併症が発生した後に何分かけて挿管を試みて、気管切開をこなったのか。それこそ、20~30分かけました…と言われると…とは思います。しかし、もっと早い段階で動き出したけど…器具などの準備もあって・・・とかですね、担当している診療科によっては(多分、耳鼻咽喉科ではないかとは思うのですが)難しいこともあるのではないかと思います。
あと、個人的には脈拍もしっかりとれている状態で、SpO2モニターが30~50%の状況でずっと家族と話をしていた患者さんを3人ほど知っている(緩和ケアでですよ、呼吸緩和)ので、どのくらいだと脳にダメージが行くのか、全くの0(血流遮断とか)が続くとダメだが、ある程度は大丈夫なのか・・などいろいろ考えたりするところではあります。
二件目は状況は難しかったのではないかな・・と思いますけどね。おそらく、耳鼻咽喉科であれば気管切開に移行するのにそれほど抵抗はなかったはずですから・。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
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それでは、また。