新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

診療報酬改定(パブリックコメント募集開始):メリハリって?

2012-01-19 20:57:18 | 医療

さて、続けます

 

いくつか気になった記事があったのですが、とりあえずこちらを紹介します。

 

 小宮山洋子厚生労働相は18日、中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)に2012年度診療報酬改定を諮問した。中医協は同日の総会で、これまでの議論をまとめた中間整理案を了承。これを受けて厚労省は、中間整理案へのパブリックコメントの募集を同日にも開始し、1週間の日程で意見を受け付ける。中医協は20日、愛知県津島市で公聴会を開く予定で、これらで集まった意見を踏まえ、診療報酬点数の配分をめぐる議論を2月以降、本格化させる。同月中旬までに答申する。

 同日の総会に出席した辻泰弘厚労副大臣は、「めりはりの利いた改定となるよう、精力的なご議論をお願いする」とあいさつした。

 了承された中間整理案は、社会保障審議会の医療部会と医療保険部会が決めた「診療報酬改定の基本方針」の項目に沿って、中医協での昨年末までの議論をまとめたもの。学会からの要望事項なども追記した。13日の総会での意見を踏まえ、文言に修正を加えた。

 診療側は診療所の再診料の引き上げや、看護職員の夜勤を月72時間以内にする要件の見直しを主張しているが、整理案には盛り込まれなかった。ただ、これらを求める意見があったことを、参考意見として提示することになった。厚労省の担当者によると、診療所の再診料見直しを今後、取り上げるかどうかは、診療、支払側の双方から意見を聞いて決める。

 中間整理案によると12年度報酬改定では、救急、周産期医療を推進する観点から、救命救急センターの機能強化や小児救急の充実を図るとともに、救急病院と後方病院の連携を推進。また、看護配置「13対1」以下の一般病棟や、療養病棟による軽症患者らの受け入れを新たに評価する。

 このほか、病院勤務医の負担軽減策の検討を算定の要件にしている加算を現在の8項目から拡大し、一層の負担軽減につなげるための具体的な体制整備を求める。また、勤務医の事務作業を補助するスタッフ(医療クラーク)を配置した病院が算定できる「医師事務作業補助体制加算」の評価を、現場の実態に合わせて見直す。

 昨年12月7日の中医協総会で厚労省は、医療クラークについて、一般病床の数に対し「30対1」などに配置した病院を新たに評価する一方、配置が手薄な「75対1」や「100対1」への評価は、引き下げや廃止を検討することを提案している。

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【中医協】支払側、再診料「下げるべきだ」- 診療側委員は診療所71点を主張

http://www.cabrain.net/news/article/newsId/36401.html 

 中央社会保険医療協議会(会長=森田朗・東大大学院教授)が18日に開いた総会では、支払側の白川修二委員(健康保険組合連合会専務理事)が、再診料を引き下げるべきだとの認識を表明した。一方、診療側の安達秀樹委員(京都府医師会副会長)は、診療所の再診料について、2010年度診療報酬改定で引き下げられる前の71点への「回復」を主張。再診料の点数設定をめぐり、診療側と支払側が13日に引き続き意見を戦わせた。

 18日の総会では、再診料の見直しは議題になく、中間整理案を取りまとめる過程で激しいやりとりがあった。

 再診料の点数設定は、10年度の前回改定でも焦点になり、決着は公益側の裁定に持ち込まれた。最終的に、病院(200床未満)の60点を9点引き上げる一方、診療所は71点から2点下がり、69点に統一された。
 18日の総会で安達委員は、12年度報酬改定の重点課題に位置付けられている病院勤務医の負担軽減に、診療所の貢献が不可欠だと指摘。「74点や75点に上げろというのではない。理由もなく下げられた2点を元に戻してほしいという趣旨だ」などと見直しを訴えた。

 これに対し白川委員は、「わたしどもは、再診料は引き下げるべきという意見だ」「69点という設定は不満。むしろ、もっと低くあるべきだ」などと真っ向から反論した。
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ちなみに僕は今回はパブリックコメントは出す気はないです。なぜって、そんなに深く考えていないもので・・・。
本気でどうにかしようというのであれば再診料を90円プラスにしたとか、20円マイナスになったとか・・・そういう次元ではないでしょうに・・・
僕はもともと開業医志向ではなく、どちらかというと大学などで教育、研究、臨床にかかわりたいと思っている医師です。そのせいもあると思いますが、この件に関してはあまり深く考えていません。
ただ、患者さんが仮に1日100人、週1回休みがあるとして月に2500人くらい患者さんが来るとします。2500×90円=225000円の増収。もっと大勢患者さんが来るのでしょうけど(多分、そうでないとこんなに大騒ぎしている意味が分からないw)、むしろメリハリの利いたというなら根本的にどうするのか決めてほしいような気もしますね。
ちょっと上げたり下げたり・・・。何がしたいのだか・・・
いや、病院だったら月にもっと大勢の患者さんが来るでしょうから…・もう少しはプラスでしょうか。それとも地方の病院はもっと少ないのでしょうか?
これで医療従事者の不満の矛先をかわすのであれば…そんなに馬鹿げたことを言う方はいないと思いますけどね。
診療所のマイナス分は20円×月の患者さんの人数となるのでしょうけど、これで大騒ぎをしなくてはいけないようであればやはり開業医さんは大変だと思います・・・。その減収が大きく響くということですから・・・
そう考えると・・・根本的にどういう体制にしたいのだろうか・・・とあまり力を入れていない分野ながらも、思ってしまいます。
皆さまの考えを教えていただけるとうれしく存じます。

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microRNAによる抗ATLL効果:あとはDDSの問題?

2012-01-19 20:41:41 | 医療

こんばんは

 

今日は風邪から立ち直って、大分元気になりました。しかし、腕立て伏せや懸垂はしましたが、走るのはやめました。調子を崩すと面倒なので。

 

さて、とりあえず今日はよい記事をまず紹介します。すぐに臨床応用されることはまだないと思いますが、もし不足しているmicroRNAを足すことで治療できる(新たな治療法)のであれば新たな可能性が出てくる…と思っています。

 血液のがん「成人T細胞白血病」(ATL)の細胞では、微小なリボ核酸(マイクロRNA)という分子の一種が正常な細胞に比べて激減しており、この分子を補充するとがん化した細胞を殺せたとの実験結果を、東京大などの研究チームが18日、米科学誌キャンサーセルに発表した。

 マイクロRNAが激減することで、がん細胞の増殖に関わる別の分子が活性化するといい、渡辺俊樹教授(血液腫瘍学)は「マイクロRNAを確実にがん細胞まで届ける薬を開発できれば、増殖の本丸をたたくことができる。新しい治療法につなげたい」と話している。

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むかし、siRNAを用いた実験をしていましたが、血液細胞(というか浮遊細胞)へのTransfection(導入)は難しかったと思います。最近はそれも改善したのでしょうか?

また、もし浮遊細胞にも導入できるとして、ここに書かれている通り確実に癌細胞まで届かせる「ターゲッティング」の技術(DDS:ドラッグ・デリバリー・システムといいます)が必要になります。

 

簡単方法で確実にこの癌細胞に届ける技術があれば、臨床応用につながるので頑張ってほしいところです。

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