新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

産婦人科医は偏在ではなくて、充足させる必要があるので不足だと思う

2012-01-30 20:31:24 | 医療

さて、もう一つだけ。

 

CBの記事ですが、産婦人科問題に関してです。

 日本産科婦人科学会の「産婦人科医療改革公開フォーラム」が29日、東京都内で開かれ、「産婦人科医療における格差是正に向けて」をテーマに意見が交わされた。基調講演した同学会の海野信也・医療改革委員長は、全国の産婦人科・産科の医師数は増加傾向にあるものの、大都市での増加が大きく、逆に減っている県もあると指摘。医師の地域偏在の解消が課題だとの認識を示した。

 海野氏は、厚生労働省の「医師・歯科医師・薬剤師調査」を基に、2006年と10年の産婦人科・産科の医師数を都道府県別に比較したデータを示した。

 それによると、全国の産婦人科・産科の医師数は、4年間で578人の増加。これを都道府県別に見ると、東京(163人増)、大阪(87人増)、神奈川(61人増)、埼玉(30人増)で増加が大きく、この4都府県の増加分が全体の6割近くを占めた。一方、13県では逆に医師数が減っていた。
 海野氏は、背景には初期臨床研修医の都市集中があると分析。地域の施設が産婦人科・産科の専攻医に選ばれるよう魅力を高めたり、大都市で専門医になった医師が、大都市にとどまる必要がないよう、受け皿を整備したりする取り組みが必要との見解を示した。

 海野氏はまた、若手医師の増加傾向が頭打ちになっていることを課題に挙げた。同学会の年度別の入会者数は近年、増加傾向が続き、10年度には491人にまで増えたが、11年度は9月30日現在で405人にとどまっており、10年度からほぼ横ばいか、やや減少になる見通しという。
 同学会では、医師不足が指摘される産婦人科医を20年後に充足させるには、毎年500人以上の専攻医を確保する必要があると試算している。海野氏は「今までのやり方で500人までいけるか、見通しが付いていない状況」との認識を示した。

 その後の自由討論では、地域偏在の解消に議論が集中。「住民の交通の便などを考慮して、研修施設として強化する病院を都道府県などが決めて、そこに人が集まりやすいよう、行政や学会がインセンティブを与えるべき」「都市の大学と地方の大学で人材交流を進めるべき」などの意見が出された。
 医師の確保については、「初期研修医に女性が増えている。女性医師が妊娠・出産後も働き続けられるモデルを示すことが必要」との指摘があった。
-----------------------------------------------------
まずは記事の中でおかしなところがあるのですが、産科医は不足しているのか偏在と思っているのか
 
産婦人科学会は毎年500名以上の専攻医を確保していかなくてはいけないとしているわけです。辞める人数、実際に現場には出ていない人なども考慮してだと思いますが、地域の偏在なのだろうか・・・。
 
いくら少子高齢化といっても、今の状態で地域偏在と書かなくてもよいのではないだろうか
 
地域格差はおっしゃる通りあるのだと思います。ただ、もし可能であれば「地域格差」よりも「このままでは産婦人科医が不足したままの可能性がある」ということを大きく訴えてもよいのではないかと思う。
 
今、地方によっては産科医が足りずにいる場所も多いと思う。逆に東京都内などで産科医の数が余っているのか・・・。余っているなら人は動くと思うが、実際は余っているわけではないだろう。だから、充足させる必要がある
 
 
都市の大学と地方の大学の交流に関して、純粋な「交流」なのか、人材派遣などを考えているのかは謎である。僕は何となく後者のような感じがするが、僕は医局を横断的にするという考え方の持ち主であり、その意見に関しては賛成したい。あくまで教育システムとして…ですけど。
 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

金曜日入院、月曜退院は診療報酬減額:別にそんな理由で金曜日に入院させているわけではない

2012-01-30 20:07:21 | 医療

こんばんは

 

相変わらず寒い毎日が続いていますね。今朝、どういうわけか道が凍っているところがあって(水でも撒いたのか?)ちょっとびっくりしました。転んだら大変だよ、まったく。ニュースでもやっていましたがインフルエンザも流行ってきましたね。ついにうちの職場でも発生です。

また、今後増えてきそうだな…と思っています

 

さて、今日はとりあえず気になったこの記事を紹介します

 厚生労働省は、入院期間が他の曜日より長くなりがちな金曜の入院患者と、月曜の退院の患者の割合が高い医療機関に対しては、2012年度から診療報酬の入院基本料を減額する方針を固めた。

 27日の中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)に案を提示した。不要・不急の入院をなくすことで、患者の自己負担を軽減し、医療費抑制につなげる狙いがある。

 入院基本料は、医療機関に対し、患者1人あたり1日9340~1万5550円が支払われる(一般病棟の場合。看護師の配置数などによる)。だが、多くの医療機関は土日が休診で、本来なら土日に入退院すべき患者でも金曜に入院させたり、月曜に退院させたりするケースが少なくない

 平均の入院期間は、金曜入院が18・14日と水曜入院より約3日長く、月曜退院が17・79日と土曜退院より約3日長い。このため、厚労省は、土日に高度な手術を行う医療機関を除き、土日の入院基本料を減らすことにした。

------------------------------------------------------

 厚生労働省は25日、2012年度診療報酬改定の中間整理案(現時点の骨子)へのパブリックコメント(意見公募)を締め切った。10年度改定の前と同じ形式で、応募件数や主な内容などをまとめ、中央社会保険医療協議会(中医協)に2月上旬までに報告する方針だ。全国自治体病院協議会(全自病)では、入院期間が長引く傾向があるとして、検討が続いている金曜入院などの患者の入院基本料の減額に疑問を呈するなど、13の意見を提出した。

 同省の担当者は、「集計は業者に依頼している。件数や内容はまだ把握していない」と話している。
 全自病は、▽入院患者の他医療機関受診▽同日複数科受診▽難度が中程度以下の外科手術▽悪性腫瘍患者のターミナルケア▽内科系の高度検査や植え込み型医療機器の調整▽チームで糖尿病患者の透析移行を防止する医学管理▽医療観察法が適応される患者の長期入院-の評価などを求めた。このほか、「チーム医療が前回に続き評価されたのは良い」としたが、金曜入院や月曜退院などの減額には「国がそこまでやるか」と疑問視した。

 日本医療法人協会や全日本病院協会では、組織としての意見は提出せず、会員らに意見提出を呼び掛けた。

------------------------------------------------

実際、この入院日の調整はやります。ただ、純粋に土日に人手が足りないからです。

土日などに人手を減らさないと休みが取れない看護師さんたち。土日の入院を増やすと休んでいない看護師さんたちの負担が莫大なものになります。

 

うちの大学(の、うちの診療科)で土日の体制で・・・リーダー+看護師3名→45名の病棟を見る。これって15対1じゃないかw

ちなみに7対1看護ってJAMAの論文からですよね。それ以上看護比率が下がると死亡率が増えていくという。

うちの病棟・・・日勤が24時、夜勤が12時に帰っているといっていましたが・・・それで成り立たせているのは無理があるよなぁ・・・・

 

ここに入退院を加えたくないから緊急入院以外の予定入院をできるだけ減らすために土曜日、日曜日を避けていました。

 

ついでに言うと血液内科は毎日が闘いです。むしろ、土日があると検査ができなくて悩んでいます。

 

まぁ、現場を見ない人が決めたのだと思います。そういう国ですね、日本は。

 

いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。

http://blog.with2.net/link.php?602868

人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします

なかのひと 

blogram投票ボタン

それでは、また。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする