こんばんは
あの後、昼食を松屋で食べて…タリーズでお茶をしながら英語の勉強をしておりました。といっても、中学、高校英語の復習ですが。
さて、先日のパブリックコメント(医学部新設)の期限もあと1週間になりました。
Blogで質問した質問では、大学新設が12.5%、既存の医学部拡充が56.3%、医者を増やす必要なしが25%、残りがその他でした(1月9日現在)。
投票期間 : 2011年12月24日~無期限
大学医学部新設or大学医学部定員増? 医学部の定員増に関して、医学部新設と既存の医学部の定員増で話し合いが行われ、パブコメの募集が始まりました → (参考) 文部科学省意見公募開始:大学医学部定員増…
|
コメント欄に「ギリシャがOECDで医師数が一番多いみたいですよ」というのがあり、いろいろ考えるところはあります。医師数をどこまで増やし、どのように高齢化に備えるのか。
今のままでは日本の医療は末期に向かって進行していくばかりであり、なにかをする必要はあると思います。
そのヒントではないのですが・・・日本経済新聞で「日本の未来を反映する高齢化都市」として夕張市が挙げられて、記事になっているので紹介します。
日本の未来映す高齢化都市 夕張市立診療所医師・森田洋之さん(1)
地域とともに生きる医療へ
2009年春、私は北海道夕張市に医師として赴任しました。それまで内科医として勤務していた都市部の大病院には、「もし自分だったら入れてほしくない。親を入れたくない」と誰しも思うような、寝たきり高齢者でもおなかに小さな穴を開けカテーテルで直接栄養を流し込む胃瘻(いろう)挿入術をせざるを得ない高齢者医療の現実がありました。
夕張では予防医療や在宅医療に取り組み成果を上げていると聞き、地域全体を考えた医療に共感し、家族の反対を押し切って赴任を志願しました。
引っ越しは私と妻、当時3歳の長男、生後4ヶ月の次男の4人家族全員で九州からの大移動。一番最初に夕張駅に降り立った時、妻は言いました。「ここで生活できるの?」。妻のこの言葉は今も忘れられません。駅の周りには民家もなく、人の気配もまるでなし。心配そうな妻を横目に強がっている私も実は心細かったのでした。
実際、夕張市内は子供の数も極端に少なく、近所でお見かけするのはお年寄りばかり。私が入居したのは総数70世帯の比較的大きな市営アパート(ほぼ満室)ですが、未成年がいる世帯は、なんと我が家とあと一軒の2世帯のみでした。近所で子供を見ないのも納得です。実は、夕張市の高齢化率は44%、市として日本一なのです。人の住まなくなった古い住宅たちは雪で潰れ、廃虚マニアがよく写真を撮りに来ています。
その上、実はデパートが出来たのが札幌に続いて北海道で2番目というくらい、かつては道内有数の大都会だったため、核家族化も著しく、全世帯の6割に及ぶ高齢者世帯のうち半分が独居高齢者、残りもほとんど高齢夫婦二人暮らし。子供世代と同居されている高齢者はたったの6%です。
イメージで言うと、今でも高齢化が指摘されている東京の多摩地区が高齢化率40%(現在の約2倍)になったような感じでしょうか。ここまで高齢化した都市というのは、世界的にも稀なケースだと思います。
この話、遠い北の果てのどこかの話と思わないでください。実は日本全体の高齢化率もあと数十年で40%を超えると言われています。つまり、東京・大阪のような大都会も、団塊の世代が高齢化する近い将来、今の夕張のような「廃墟とお年寄りだらけで子供のいない世界」になるかもしれないということです。
日本中がこんな風景になったとき、果たして日本は現在の国力を維持できるのでしょうか。現在の医療レベルを維持できるのでしょうか。
先日、関西から夕張に見学にいらした大学の先生からメールを頂きました。「実際に見る夕張の風景は、私にとってショッキングでした。今後の日本、そして医療がどうあるべきかを再度考えさせられました」ということでした。そういう意味では、夕張は日本の未来を映し出す鏡として捉えられるのかもしれません。
さて、私の勤務先は夕張市立診療所です。市の財政破綻にともない、巨額の赤字を抱えていた市立病院も閉鎖。公設民営の市立診療所となり、以来「夕張希望の杜」(村上智彦理事長)が運営しています。希望の杜は村上理事長のリーダーシップの下、この夕張という地域だからこそやらなければならない、またこれから日本全体で取り組まなければならない課題に先駆けて挑戦し、予防による肺炎などの死亡率激減、高齢者医療費の減少など様々な成果につながっています。
------------------------------------------------------
東京や大阪が夕張と同様になりますかと言えば、おそらく「若者」が集まってくる関係上、高齢化率は比較的抑えられるとは思います。しかし、それでも高齢化すると思いますし、他の都道府県のある程度の都市に関しては…夕張のようになると思います。
夕張のようにと書くと失礼な書き方ですが、高齢化が顕著になり、それを支えていく若者もいなくなるという状況でしょうか。
高齢化によって「救命」や「延命」に必要な医療資源(医療従事者含む)は多くなります。それが予測されるから「医師を高齢化に対応できるように増やす」ことを考えています。現実に東大医科学研究所の上教授や統計の専門の井元先生らが出された試算では埼玉では2倍以上悪化するという話がありました。
現場からの医療改革推進協議会に参加
埼玉県は2035年には医療事情は今の2倍悪化する(?):AERAより
実際に医師数を増やすといっても、20年後にどれだけ増やせるかというと疑問ですし、現在の医療政策を根本的に見直す必要はあると思います。考え方もそうですし、システムも変えなくてはならないと思います。
高齢化率の上昇に伴い、患者の数、重症度は上昇する。それはわかっているので、できる限り予防する。病院にも限界があるので、治癒を目指す治療を行うのか…在宅診療などを取り入れていくのか。
いろいろ考えることは多いと思います。
僕も夕張に行ったりしましたが(夕張に向かいます:第2回地域医療を守る地方議員連盟 In 夕張)、いろいろ勉強をさせていただきました。
皆さんは、この記事を読んでどのように感じられましたでしょうか。
いつも読んでいただいてありがとうございます。今後もよろしくお願いいたします。
http://blog.with2.net/link.php?602868
人気ブログランキングへ←応援よろしくお願いします
それでは、また。