こんばんは
今日は仕事の後、今年初めてのジョギングを行いました。ジョギングとはいえ、途中からは心拍数を150未満にセーブするのをやめて、速度を上げ・・・。
「結構つらくなってきた。しかし、このペースを維持するぞ。」
と気合を入れて頑張ってみました。
その後は懸垂、腕立てなどをして今帰ってきました。
さて、今日は医師不足に対して医学部新設することによる良い点を考えてみました。
僕は今までも書いてきましたが、基本的に今すぐ医学部新設は難しいという考え方です。これは2008年の頭のころから言い続けているので4年になります。4年間意見を変えていませんが、今でもこの意見が間違いだとは思えないので・・・。
僕が医学部新設に反対している理由は
1、教官の数が足りない
2、教官を集めることによる地方の医師不足の加速の可能性
3、医学部新設の前に各大学の医局員の待遇改善からできることを増やしていく方が良い(これもアルバイトが減るかもしれないとは思いますが、それよりもアルバイトをしなくても十二分な給与が出ることで、臨床・教育・研究に集中できる環境を作る)
4、上記の待遇改善の後に、各医学部の学生の人数を増やしていき、彼らが育ってきたところで医学部新設に必要があるか再度確認する(僕は、絶対に必要だと思っていますが)
というものです。
僕は新設することはできるのであれば、できるだけ早く行った方が良い。しかし、それを行うだけの底力は今の日本の医療にはない。そう判断しています。
先日例えたように、今の「日本の医療」という病人に対して行う処方は「医学部新設」という劇薬(使うことで、日本の医療が壊れかねない)ではなく、まずは体調管理をして体が劇薬に耐えられるようにする。
体調管理をしているうちに病気が進行したら、要するに手遅れだったということでしょう。
しかし、こう書いているものの・・・今朝ふと思いつきました。
僕はもともと臨床においては多くの大学の医局、病院間のやり方を共有するべきであると考えています。研究に関しては共有することで様々な問題が発生するかもしれませんし、研究を共有したからと言って患者さんがその時に良い状態になるかはわかりません。
臨床現場において大きな治療指針というものは「ガイドライン」などで示されています。それは普通の病院であれば、ガイドラインを逸脱しているところは少ないと思います。患者さんが紹介されてきた…元の病院でびっくりするようなことがされていたのを見たこともありますが、普通はないです。
しかし、細かいところに関しては本当に違うと思います。その細かいところの差は意外と積もり積もったりするものです。
例えば・・・東大医科研の臍帯血移植の治療成績に関して、以前は移植前処置が良いのではないかということで実施されたものの、結局「普通の病院では行えないような細かな管理」に成績上昇の原因があったという。
別の例ではインターネットで情報を交換していた血液内科の先生に「輸血の際の前投薬」の有無、内容などに関して聞かれました。その先生が調べたところ、それぞれの施設で様々な違いがありました。
骨髄採取の時のヘパリンの量とかも、かなり違いますよ。笑ってしまうほど違いがあります(僕の知っている限りにおいてですが、最小のところと最大のところで10倍違いました。一応基準には当てはまる…というか解釈の仕方による)
きっと細かなところはいろいろ違いがあると思います。
それは医局だとか関連している施設によるもので、おそらくもっと血を混ぜていくことでお互いのよいところを吸収し、発展できるのではないか…というのが僕が研修医のころから考えていることであり、僕が「眠らない医者の人生探究劇場」のころ(医師3年目、4年目)に書いたりしていた内容です。
これも僕は今でもこの方が良いと考えています。井の中の蛙になるのではなくて、もっと日本全国で情報を交換するべきである。学会などで行われたりする、大きなところではなくて細かな違いを学びあい、教えあい、日本全体で発展していくこと。それが必要だと思っています。
東京や首都圏はまだいいのです。東京だと有名な病院だったらお互いに人のやり取りもありそうですし(というか、あるみたいですし)。
首都圏…といっても神奈川、茨城、千葉などは1県1医大ですので医局の考えや治療の仕方がベースになっているのではないかとは思ったりします。
地方はその医局の考え方が中心になっているのではないか・・・と思っています。
それゆえに大きな情報交流を臨床面ではしたほうが良い。それが患者さんのためになる。そう思っています。
お互いに同じような情報を持ちながら、さらにお互いが発展させる方向性を変えればさらに良いものができる。
以前(2008年くらい?)、某医学雑誌に取材していただいたとき「医局の崩壊は避けなくてはならない」と伝えました。
人事組織としての機能が損なわれても、医局が崩壊してしまったら医師や医学生の教育がままならなくなり日本の医療の発展に支障をきたす。医局のよいところは残し、教育機関として再生させる必要がある」と言いました。
医局の縦割りの雰囲気(閉鎖的な空間)の中で、同じ診療科であっても横のつながりというのはそれほど強くはない。医師は出身医局の得意な処置を行うことが多い。
それに対して横断的な医師教育組織として各医局の垣根を越えた交流を促進・仲介する第三者機関を設立し、医師が自分の関心の高い臨床を自由に学べるようにする。
そんなことをしゃべりました。20代の医師の代表(20代の医師ブロガーでしたので。僕は代表というにはかなり偏っているとは前置きしましたがw)ということで伝えた意見ですが、僕はこれも実施するべきであると思っています。僕の中では構想はあるんですけどね、すでに。
1県1医大の場合、もしかすると一つの医局の考え方が主体になっているかもしれない。そこに新しい医大ができると・・・違うやり方が出てくるかもしれない。
いってしまえば診療の仕方が地域によって「独占」されているかもしれない。その独占が崩れること、それはいいことだと思います。
しかし、繰り返しますが僕はそれよりも「医局」間の垣根を崩して、いろいろな大学を見ながら学んでいくような、そして人数などの調整すらできるようなそのような組織(第三者組織)を作ることができればと思っています。
僕の中の構想の具体案は、今は内緒ですw 考えは4年間温めてきたのがあるのですけど。